(写真左から:Ba.中原一真、Vo.Gt.真戸原直人、Dr.谷口奈穂子)

 

 

今年、デビュー15周年を迎えるスリー・ピース・バンド、アンダーグラフ。最近は、年2回ペースのツアーをはじめ、地元である大阪・枚方でのイベント主催やVリーグ・チームのサポーター・ソングの制作、アコースティック編成でのライブなど精力的な活動を展開している彼らが、このたびWIZYにおいて〈ファンと共にフルアルバム制作〉というプロジェクトを立ち上げた。そのきっかけとは? アルバムとは? ファンの存在とは?──バンドの今を聞いてみました。

 

 

 

一緒にワクワクしてもらえたらいいなあ

 

 

 

──2月からスタートした「デビュー15周年記念企画!アンダーグラフがファンと共にフルアルバム制作に挑戦!!」プロジェクトですが、今回、WIZYと組もうと思ったきっかけはどんなことだったのでしょう?

真戸原直人(Vo.Gt.):僕らも出演したことがある「COMIN’KOBE※」という無料の音楽フェスを存続させるにあたって、先日亡くなられてしまいましたが実行委員長の松原裕さんがクラウドファンディングで支援を募られていて。資金を集めたこともすごいんですけど、賛同した人もワクワクしながら、参加するうれしさみたいなものを感じてるなと思ったんです。僕らもやってみたいなと思ったんですが、いちバンドがやることでどんなイメージを持たれるものなのかつかめないところもあったんです。去年の春、初めて「muevo」で「47都道府県ライブツアー実現企画」というクラウドファンディングをやってみたんです。ライブに来て欲しいっていう人たちが集まれば行きますよというプロジェクトだったんですが、これはすごく純粋な動きなんじゃないかなって、やっているなかで思いはじめました。音楽業界が本格的にクラウドファンディングに参入してきている、その意味と素晴らしさも実感したし、今回はデビューの頃からたいへんお世話になっているレコチョクさんがWIYというサービスを始められたということで、このプロジェクトを立ち上げさせてもらいました。

※阪神・淡路大震災への被災地支援を行い、神戸の魅力を伝える事をテーマとしたチャリティ音楽イベント

 

アンダーグラフ

 

 

──デビューされた15年前と今とでは音楽業界が大きく変化していますし、作り手としてもそこに対応していかなければいけないと。

谷口奈穂子(Dr.):デビュー曲の「ツバサ」がヒットした時は、私たちの知らないところで曲が流れていて、知らない人がたくさん聴いて「いいな」って言ってくれて、私たちが知らないところで曲がひとり歩きしていったわけですけど、クラウドファンディングは“顔が見える”というか、参加してくれた人たちとすごく近い存在になれると思うんです。アンダーグラフといえば、「ツバサ」が取り上げられる、それもうれしいことですし、この曲が出会いとなって“顔が見える”人たちと繋がっているとも思うので、あの時はそういう時代だったと思うんです。今は“一対一”の時代というか、そんな時代に変わってきてるんだなって活動しながら感じるし、変わっていかなきゃと思いますね。

 

 

──プロジェクトを立ち上げて、1週間で目標達成。これについてはどのような感想を?

中原一真(Ba.):聴きたいっていう人がたくさんいてくれたってことで、すごくうれしいですね。レコーディングに参加できるプランやアルバム先行試聴会、参加してくれた方が楽しんでやろうって思ってくれるのもうれしいし、ありがたいです。

 

 

──その「レコーディング参加プラン」ですが、サポーターの方はどのような形での参加になりそうですか?

真戸原:ハンドクラップや簡単な打楽器、タンバリン、それと簡単なコーラスで参加してもらえたらと思っています。さすがにベースやドラムをお願いすることはないと思いますけど(笑)、僕らはこんなふうにレコーディングをやってるんだよっていうのをサポーターの方にも体験してもらって、一緒にワクワクしてもらえたらいいなと思っています。昔から、みんなで作るっていうのが好きなんです。「心の瞳」(2009年)の時は全国ツアーでお客さんにコーラスしてもらって、それを持ち帰ってレコーディングに入れたりね。好きなアーティストの音源に自分の声が入ってるって思ったら最高に楽しいと思うんです。歌詞カードに自分の名前が載ってるとかね。

それから、「出張出前アコースティックライブプラン」というのもつくりました。これは、学校の会合や地元のイベントだったり、ファンの方何人かが集まってだったり、僕らを呼んでくれればそこでライブをします、というプランです。他にもいろいろなプランを用意してみました。

 

 

 

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