大和ハウス工業グループの提案(資料:広島県)
大和ハウス工業グループの提案(資料:広島県)
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鹿島建設中国支店の提案(資料:広島県)
鹿島建設中国支店の提案(資料:広島県)
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広島まちづくり推進協議会グループの提案(資料:広島県)
広島まちづくり推進協議会グループの提案(資料:広島県)
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一般社団法人広島活性化事務局の提案(資料:広島県)
一般社団法人広島活性化事務局の提案(資料:広島県)
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 広島県と広島市は4月19日、広島西飛行場跡地の活用で、大和ハウス工業を代表とするグループなど4者を対話事業者に選定したと発表した。

 2012年に廃港し、ヘリポートとして利用してきた同飛行場跡地の有効活用に向けて、民間活力の導入を前提に具体的な利用計画を策定する際の参考にする目的で、2015年12月、民間事業者からの提案を募集。7者から提案が寄せられていた。

 今後、4者との対話を経て、2016年秋ごろを目途に跡地利用計画を策定し、2016年度中に、跡地活用事業を担う事業者の公募を実施する計画だ。

 広島西飛行場跡地は、広島市西区観音新町四丁目にある約28.3ヘクタールの土地だ。市街地南西の臨海部に位置し、(1)面積が広大で土地利用の自由度が高いこと、(2)海と川に面したウォーターフロントであること、(3)市中心部からの路線バスや広島南道路による広域からのアクセス確保など交通利便性の高さ、(4)周辺のスポーツ・レジャー施設の集積、(5)ヘリポート機能を有することがもたらす防災拠点性――といった地区特性を持つ。

 これらの特性を生かし、雇用やにぎわいの創出につながる新たな産業、スポーツ・レクリエーション、広域防災の3つを主な機能として盛り込むことを求めていた。提案は、跡地を取得または有償で借り、施設を整備・運営することが前提。

 提案の評価は、「跡地利用計画の内容」、地域への貢献や独創性といった「事業のコンセプト」、事業費やスケジュールなど「事業の妥当性」の3項目について、100点満点で行った。その結果、大和ハウス工業を代表にフジタ、美津濃からなるグループの提案である「広島イノベーション・テクノ・ポート」が77.5点で、最高評点を獲得した。

 広島の玄関口となる産業・レクリエーション拠点を創出するというコンセプトの下、イノベーション型産業施設エリアや物流施設エリア、住宅地の工場など既存の市内産業施設の移転エリアからなる「産業ゾーン」と、スポーツ施設やブライダル施設、公園からなる「スポーツ・レクリエーションゾーン」を整備するという内容だ。なお、評価の基準には「用地取得を基本としていること」も含まれており(配点10点)、同グループの提案では28.3ヘクタールのうち24.9ヘクタールを取得、3.4ヘクタールを賃借する計画となっていた。

 同グループのほか評点60点以上で優秀提案に選ばれた鹿島建設中国支店、広島まちづくり推進協議会グループ(代表:第一ビルサービス)、一般社団法人広島活性化事務局の3者も、対話事業者に選ばれた。

 鹿島建設は18.7ヘクタールを賃借、9.6ヘクタールを公共による整備とする計画で、リゾートホテル、スポーツ・レクリエーション施設、インキュベーション施設のほか、商業施設やオフィス、コンベンションセンターの将来の整備を想定した開発用地からなる、官民による段階的な開発を提案した。

 広島まちづくり推進協議会グループは、28.3ヘクタールのうち12.0ヘクタールの部分開発を提案した。3.8ヘクタールを取得、1.8ヘクタールを賃借、6.4ヘクタールを公共による整備とする計画。瀬戸内海をテーマに特産品などを扱う観光施設、高齢者住宅、温浴施設、スポーツ施設、海辺の公園、結婚式場などを盛り込んだ。

 広島活性化事務局は、土地はすべて賃借とし、28.3ヘクタールの全域にわたり「ひろしまアクションスポーツパーク」と名付けた全世代が楽しめるスポーツやアウトドアの施設を展開する計画を提案した。

 なお、4者の提案内容や、今後の対話の中で交わされる意見が、跡地利用計画の策定や事業者公募時の募集要項に反映される可能性はあるが、公募の際にこの4者を優先することはない。また、今回の提案募集への応募の有無は、公募時の応募条件にはしない予定だ。