現在、アパレル業界での売上高世界一は「ZARA」のインディテックスである。世界2位のユニクロ(ファーストリテイリング)は、世界一になれるのだろうか。経営コンサルタントの河合拓さんは「ZARAは北米・欧州で強いが、ユニクロはアジア市場で有利な立場にあり、いずれZARAを抜くだろう。ただし、ユニクロには成長のブレーキになりかねない3つの要素がある」という――。(第3回)

※本稿は、河合拓『知らなきゃいけないアパレルの話』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。

上海のユニクロ店舗
写真=CFoto/時事通信フォト
上海のユニクロ店舗

ZARAはいずれ抜かれる?

欧州に拠点を置く、世界のアパレル王者ZARAはどうなるだろうか?

親会社インディテックスの2021年1月期決算は、コロナ禍の影響をもろに受け、売上は前年比28%減の204億ユーロで、最終利益は70%の大幅な減益となった。

22年1月期はすぐさま立て直し、戦略的に店数を減らしつつECに注力して躍進。売上は36%増の277億ユーロへと成長し、最終利益も3倍となる32.4億ユーロを達成した。

とはいえZARAがこのまま“売上における”アパレルの王者でい続けられるかは疑問符がつく。

売上高世界2位のファーストリテイリングが迫っているからだ。

直近決算を比較すると、ZARAの売上高はファーストリテイリングの1.7倍もある(図表1参照)。

グローバルの店数もまだZARAのほうが2倍近く多い。