2024/令和6年
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インタビュー 【トップインタビュー】町民の声聞くボトムアップ型に=佐藤博文・岡山県早島町長 2023/11/06 08:30

佐藤博文・岡山県早島町長

 岡山県の岡山、倉敷両市に挟まれるように位置する早島町。7月の町長選で初当選した佐藤博文町長(さとう・ひろふみ=63)は、トップダウン型ではなくボトムアップ型の町政を目指すと語る。「公聴会という形で、町民の声を直接聞く機会を設ける。これは必ず実現したい」と力を込める。

 ベッドタウンという特性から、子育てしやすい町づくりを喫緊の課題に掲げる。ピーク時は23人に上った待機児童は10月に2人へ減り、解決に向かいつつある。一方で、共働き世帯が多く、小学校の放課後に児童の面倒を見る施設のニーズが高いとして、学童保育の受け皿確保にも目を配る必要性を指摘する。その際は「民間のアイデアを取り入れる力はすごい。公立ではできないことも民営は可能にする」と語り、公民連携で取り組む構えだ。

 町は2026年に町制130年を迎える。平成の大合併でも単独で残ることを選択した。仮に、隣接する岡山市や倉敷市した場合、「市の中心部からは離れた場所になる。そのような地理的状況では合併しても早島のためにならない」と説明。今後も単独町制の維持を図る考えだ。

 その中で、町の特色を生かせるのがふるさと納税だとして、寄付募集に力を入れる。まだ拡充の余地はあるとみており、町の特産品であるイ草を用いた返礼品を考案していると明かす。民間の力も借りながら、「数年以内に2億~3億円の収入」を目指す。

 町長就任後、公約通りに自身の給与と退職金を半分にカットするなど行政改革への覚悟を示した。「町長職は激務だが、いけるところまで頑張りたい。豊かさと幸せを実感でき、言いたいことが言えるような町にしたい」と語った。

 〔横顔〕大学卒業後、24歳で家業の畳表販売会社を継ぎ社長に。町議2期を経て町長就任。「長いビジネスマン時代で鍛えられた行動力が今に生きている」と話す。

 〔町の自慢〕面積は県内27自治体で最小ながら人口密度は最も高く、人口も少しずつ増加中。「小さくてもキラリと光る町にしたい」。

(了)

(2023年11月6日iJAMP配信)

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