磯村勇斗、ジルベール役でハプニング発生!?「『わさビーフ』事件がありました」

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磯村勇斗、ジルベール役でハプニング発生!?「『わさビーフ』事件がありました」

西島秀俊さんと内野聖陽さんがダブル主演するドラマ『きのう何食べた? season2』(テレビ東京系)が10月6日より放送中です。

2LDKのマンションで暮らす料理上手で几帳面な倹約家の弁護士・筧史朗(通称:シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称:ケンジ)の毎日と、日々の食卓を描く物語。

今回は、山本耕史さん演じる恋人・小日向大策を振り回す小悪魔的なキャラクター、“ジルベール”こと井上航役を演じる磯村勇斗さんにインタビュー。season2の制作が決まった際には「また4人でお芝居ができることが楽しみだった」という磯村さんに、西島さん、内野さん、山本さんという大先輩への思いとともに、撮影を振り返ってもらいました。

何かを意識することもなく自然と航としてその場にいられる

――クランクインして、「『何食べ』の現場に帰ってきたな」と感じた瞬間はありましたか?

クランクインが家のシーンだったので、スタジオの前室で西島さん、内野さん、山本さんと4人で椅子に座って「久しぶりですね」と話をしているときに、「戻ってきたな」という感じがありました。お芝居が始まってからは、戻ってきたというより、本当に日常を過ごしている、という感覚になりましたね。

――スッと役に入れたんですね。

これは本当に不思議なんですけど、特に何かを意識することもなく、自然と航としてその場にいられる。それはお三方のパワーでもあるとは思うんですが、4人で集まるとパズルが揃ったように、『何食べ』エネルギーみたいなものがパッと出るんです。

――ちなみに前室では、4人でどんなお話を?

山本さんを中心に、筋トレの話をしました(笑)。自分も西島さんもトレーニングをしていたので、3人で筋肉についていろいろと話をして、そこに内野さんが「本当にそんな効果あるぅ?」とツッコミを入れる、みたいな(笑)。やっぱり筋肉トークは盛り上がりますね。

ジルベールは“とんでもない猛獣だな”

――これまで航を演じてきて、役の解釈に変化はありますか?

season1からベースラインはずっと変わっていませんが、やればやるほど愛おしくなってくるというか。演じていて、航の本音が見えてきた気がしています。筧さんの料理を食べて、本当は美味しいのに「美味しくない」と言っちゃうような、ツンツンしているところがseason2になってようやく可愛く思えてきたかな、許せるようになってきたかな、とは思っています。

――最初はジルベールにどんな思いがありましたか?

とんでもない猛獣だなと思っていました。わがまますぎるし、相手のことを全く考えていないし……一途なヤツだなとは思っていましたけど、大ちゃん(小日向大策)の気持ちになると、本当に扱うのが大変だなと(笑)。

――今回は少しジルベールの過去も描かれるということで、理解が深まったところもありますか?

そうですね。今までに、いわゆる同性愛者同士のカップルに対してちょっと強いことを言ったり、諦めみたいなことをポロッと吐露したりするようなシーンがありましたけど、なぜ航がそう言ったのか。season2ではその背景が見えるので、みなさんにもより深くご覧いただけるんじゃないかなと思います。

――久々に再会して、あらためて「いいな」と感じたキャラクターを教えてください。

今回は、筧さんと2人のシーンがあるんですよ。僕も最初に台本を読んだときにびっくりして、現場でも西島さんと「僕たち2人で芝居するのは初めてですよね」「そうだね、不思議な感じだよね」と話をしました。お互いにちょっと照れじゃないですけど、どう踏み込んでいくか、探っていました。ただ、西島さんはとても自然体で筧さんを演じられているので、そこに自分も航として自然に乗っかっていくだけでした。やはり西島さんの空気が(現場を)引っ張ってくださって、すごく助けていただきましたし、楽しかったですね。内野さんと山本さんは、どちらかというと“動の芝居”で、西島さんは“静の芝居”なので、また違った『きのう何食べた?』の現場を感じました。

――ついアドリブが出ちゃうようなこともありましたか?

ありましたね。そのシーンではお弁当を2人でつつくんですが、筧さんが割り箸を用意してくださっていて。本番で急に「航は割り箸を自分で割らないよな」と思って、「割って」と筧さんに割らせたり(笑)、そういうちょっとした細かいところを2人で楽しんでいました。

――アドリブの引き出しを増やすために、何かされていることはありますか?

特にはやっていないですね。間が空いてはいますけど、ここまで4、5年、航をやってきたので、いつも感じている空気感を大事にして、その場でお互いから出るものがリアルだと思いながらやっていました。山本さんとお芝居をするときも、どんなアドリブが来ようが、それは“大ちゃんから出てくるものなんだ”と思っていたので、毎回楽しみでしたね。みなさんからどんな技が出てくるのか、と。

――磯村さんが今回、出された技は?

ないです(笑)。でも、とにかくわがままになることが大事かなと思っていたので、“相手にやらせる”というのは意識していました。割り箸の話もそうですが、ひとつ面倒くささを足していくような。そういったものは随所に入れていけたらいいな、と考えながらやっていました。

全身に「わさビーフ」を浴びて…笑いが止まらなく

――season2での山本耕史さんとのエピソードもぜひ聞かせてください。

山本さんとは、いつもその場その場でお互いにいろいろと出し合ってお芝居をしている感じなので、毎回、同じということがないですね。今回も「わさビーフ」をたくさん食べていますけど、「わさビーフ」関連で大ちゃんを困らせることをたくさんしました。お互いにアドリブでやり合うというか、2人ともハイになって楽しんでいましたね(笑)。1日中ずっと家のシーンがあったりすると、同じような掛け合いが朝から夜まであるわけですよ。最後はもう「おかしくなったんじゃないかな?」と思うくらい、体力を使いました。

――2人のやり取りは、テンポが速いですもんね。

今思えば、アスリートみたいですね。なかなかこういう役はないな、と思います。運動していないのに、運動している感覚になる。これは本当に面白いなと思います。

――今回の撮影中に、笑ったエピソードはありますか?

それこそ“「わさビーフ」を食べ切る”シーンがありまして、ある程度バラバラになった「わさビーフ」を袋に仕込んでおいて、(袋を口元に持ってきて)一気に食べるはずだったんです。でも、その量が多すぎて、顔どころか全身に「わさビーフ」を浴びて、口もモゴモゴした状態で台詞を言わなきゃいけなくて。その状況が自分で面白くなっちゃって、芝居にならなかったという「わさビーフ」事件がありました。本当はパラパラーッくらいでよかったのに、すごいことになってしまいました。

――掃除が大変なくらい?

大変でしたね。「こんなところにも『わさビーフ』が!?」って(笑)。ソファの隙間とかいろいろなところに入っていたので、びっくりしました。

――今回の続編は、やはりファンのみなさんの後押しで実現したものだと思います。あらためて、作品ファンに伝えたいメッセージはありますか?

season1から始まって、スペシャル、映画と続いてきましたが、応援してくださるファンのみなさんがいなければ僕たちも作品を作ることはできないので、日々、『何食べ』を愛してくださっているみなさんに感謝しています。その分、新しい作品を作る際には、みなさんが期待している以上のものになるようにしなきゃいけないな、という思いで僕たちも撮影してきたので、感謝の気持ちは作品でお返しできたらと思っています。

――最後に、この作品を通してご自身の糧になったことや、俳優として得たものを教えてください。

やっぱり西島さん、内野さん、山本さんとお芝居できる場所をいただけたことは、すごく糧になりました。台本を読んで、みなさんいろいろなことを考えて現場にいらっしゃるので、ディスカッションだったり、お芝居を通してだったり、先輩たちの背中から学ぶことが毎回たくさんありますね。それでいて、みなさんとても優しいんです。航はわがままで、好き勝手に乱していかなければいけない役ですけど、そこをみなさん柔軟に受け止めてくださって。その優しさに、「自分もそうありたいな」と思うようにもなりました。

取材・文:nakamura omame
撮影:松本理加
ヘアメイク:髙田将樹
スタイリスト:笠井時夢

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