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カテゴリ:SF
「エイリアン2」 Aliens 1986年 アメリカ映画 監督 ジェームス・キャメロン 主演 シガニー・ウィーバー ちょっと前に前作「エイリアン」を紹介しました。今回は「エイリアン2」です。 前作は、完全なB級映画で、SFホラーでしたが、本作は、前作の大ヒットを受け、ある程度の収入は見込めるため、製作費も増え、倒すべき相手もわかっているので、SFアクション大作として製作されております。 本作では、原題の「Aliens」でもわかるように、前作では1体だけの登場であった“エイリアン”が、本作ではウジャウジャとこれでもかというくらい出てきます。「プレデターズ」というのは名ばかりで、“プレデター”が2.3体(一応複数ですが。)しか出てこなかったのとは大違いです。 監督は、「ターミネーター」「タイタニック」「アバター」のジェームス・キャメロンです。 ノストロモ号の惨劇発生から57年、唯一の生存者リプリー(シガニー・ウィーバー)はハイパースリープで宇宙空間を彷徨い続けた末にようやく救助されます。 リプリーは覚醒後、当時11歳になろうとしていた娘が自分より先に老いて亡くなっていたという事実を聞かされます。 その上、エイリアンの事件についても精神を病んだ妄想であると決め付けられてしまい、宇宙船も勝手に爆破したと判断され、ショックで寝込んでしまうのです。 そんな中、ノストロモ号の惨劇においてエイリアンを発見することとなった惑星LV-426が、現在は植民地として開拓されていることを知り、エイリアンの危険性をなおも訴えるリプリーを会社の上層部は軽くあしらわれてしまいます。 それから程無くして、惑星を開拓していた住民157人が消息を絶つという事件が起こります。 リプリーは己のトラウマと向き合うため、住民救助を任された植民地海兵隊のアドバイザーとして、再び惑星LV-426に赴きます。そこで海兵隊が見たものは、奇妙に破壊された施設や標本として保存されたフェイスハガー、絶望的に追い詰められた開拓団の残した痕跡、そしてただ1人生き残った少女ニュートでした。 強力な火器で重武装した海兵隊は、生存者と思われる反応を追って惑星大気を改造する巨大な環境システム施設内部に突入します。 しかし、そこは既にエイリアンの巣窟と化していたのです。 第1作では、観客も、出てくる“エイリアン”がどんなものか全くわからず、ノストロモ号の乗組員たちと同じ恐怖を味わいます。 しかし、この「2」では、ほぼすべての観客は、“エイリアン”について、リプリーと同じくらい知っています。(「「1」を見ずに「2」を見に行く観客はほぼいないはずであるから。まあ、中には、「1」を見ていないという人も少しはいたと思いますが、「1」の大ヒットを受け、“エイリアン”がどんな姿をしているのかなど、いろいろなところで伝聞・目撃しているはずですから、全くどんな奴か知らないという観客は皆無だったと推測します。) だから、「1」では、ただの輸送船の乗組員である登場人物たちが、未知の怪物”エイリアン”に対し、なすすべもなくやられていく恐怖を味わうことになるわけですが、「2」では、武装した兵士たちが、いかにこの怪物と戦うのか、それを味わうように作られています。 しかし、そこに、リプリーが所属している会社(ウェイランド社というらしい。ただの輸送会社かと思いきや、惑星LV-426の環境システムについて、会社の人間として、この作戦に参加しているバークが「わが社の製品だ。」と自慢していたことから、結構手広くやっている大きな会社ということがわかります。)が、「1」でも、アンドロイドのアッシュを秘密裏に送り込んでいたように、この“エイリアン”の存在と、その強さをしっかり把握しており、怪物の生け捕り(観客とリプリーは前回のアッシュの件を知っているので、今回は、バークがその密命を負っているであろうことを疑いつつ観ることになります。)を画策していることが絡み合って、サスペンス的要素が加わって、なかなか見ごたえのある作品に仕上がっております。人によっては、「1」よりも、この「2」の方が好きだ、良く出来ていると言う人がいるほどです。 海兵隊が、いかにして“エイリアン”を退治するのか(といいつつ、多勢に無勢で、かなりの数の兵士が命を落としています。)、いかにしてリプリーがスーパー・レディに進化していくのか、ハラハラドキドキしながら、味わっていくのが、この映画の正しい観方なのでしょう。 もちろん、前作にも増して、一見グロテスクな“エイリアン”の姿が、これでもかと映し出されます。また、前作同様、人に激似のアンドロイド(今回はビショップという名前で、前回のものより進化しているらしい。)が白い体液を溢れさせられながら、引き裂かれる場面もあります。グロい物が苦手な人には、ちょっとお勧めできません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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