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2012.04.23
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カテゴリ:SF
ミッションマーズ1

「ミッション・トゥ・マーズ」 Mission to Mars 2000年 アメリカ映画

監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 ゲーリー・シニーズ ティム・ロビンス ドン・チードル

 ホラーやサスペンスが得意なブライアン・デ・パルマ監督が、なんとSFに挑戦したという意欲作です。調べてみると、デ・パルマ監督、実は数学や工学が得意な理系男子で、大学も最初は物理専攻(途中から映画専攻に変えたそうですが。)だったそうで、SFも好きだったようです。

 明日、初の火星有人探査機“マーズ1号”で火星に赴くクルーの送別パーティが行われていました。そのクルーは、ルーク(ドン・チードル)を含め4人です。本来ならそこのジム(ゲーリー・シニーズ)も加わる予定でしたが、彼は直前に、同僚でもある妻のマギーを病気で亡くしており、精神的に不安定な彼はクルーから外されたのです。(彼は、「アポロ13」でも、直前にはずされていましたね。そういう星の下に生まれているのでしょうか。)
 13か月後、火星の滞在中のクルーたちは、岩山の頂上に、白く光る幾何学的なピラミッド状のものを発見します。氷かと思い、調査に赴くクルーたちは、成分を調べようとレーザー波を照射します。すると、明らかに意図的な砂嵐が起こり、岩山の近くにいた3人は飲み込まれてしまいました。ただ1人残ったルークは、地球に危機を知らせる通信を送った後、消息を絶ってしまいます。
 NASAでは、第2次の探査機である“マーズ2号”を、救助隊として送ることを決め、ウッディ(ティム・ロビンス)を隊長に任命します。ウッディは、副操縦士としてジムを強く推薦し(トム・ハンクスあるいはケヴィン・ベーコンに頼まれたか?)、認められます。
 かくして、ウッディ、その妻のテリー、PCの専門家フィル、そしてジムが、“マーズ2号”で、火星へと向かうのでした。

 序盤、明らかに火星の知的生命体の存在をにおわせる、謎のピラミッドのため、1号のクルーたちが消息を絶ち、NASAの皆さんがその対策を話し合っているところまでは、さすがサスペンスが得意なデ・パルマ監督だと思わせる緊張感でしたが、その後、2号の道中の船内の描写の緊張感のなさと言ったら、拍子抜けでした。
 ウッディとテリーの夫婦が、妻を亡くしたばかりのジムの前でイチャイチャしたり(どうしてジムは怒らないんだ、と思ったのは私だけじゃないはず。)、無重力の中でダンスを踊ったり、フィルがM&M’sで、DNAモデルを作っていたり、と、楽しく過ごしている描写ばかりです。
 確かに、道中に半年かかるので(これは事実のようです。アポロやスペースシャトルと同じようなスピードで行くと。)、終始、緊張しているわけにはいかないのは分かりますが、もう少し考えたほうがよかったのでは、と思いました。
 だいたいが、たとえ宇宙飛行士同士の夫婦とはいえ、同じ宇宙船に乗せるというのは、どういうことでしょうか。もし、事故が起こって2人とも亡くなってしまったら、残された子どもはどうなるのでしょうか。もし、危機的な状況に陥って、感情的になって判断を誤ったらどうするのでしょうか。
 実際、この後2号が危機的状況になって、宇宙空間でウッディだけ弾き飛ばされてしまったとき、テリーが感情的になって、ジムとフィルが止めているのにもかかわらず、何が何でも助けに行こうとします。
 普通、一般企業では、社内恋愛で結婚した夫婦は、必ず違う部署に配置換えされますよね。それとも、アメリカあるいはNASAでは、あり得ることですか?

ミッションマーズ2

 冒頭、パーティの場面、「あれ、『アポロ13』?」と思ってしまったのは私だけでしょうか。また、火星へ赴く途中の“マーズ2号”の居住区の船体を回転させて遠心力によって引力を作っている船内の様子、「あれ、『2001年』?」と思ってしまったのは私だけでしょうか。(確かに、この宇宙船の設計は長期間無重力で生活するためには、非常に理にかなっているものですが、しかし、『2001年』に比べると回転部分の大きさがずいぶん小さいような気がして、これで充分な引力が作り出せるのかどうか疑問です。)
 何か、他の宇宙旅行ものの名場面を持ってきたような映像に、興ざめしてしまった人は多かったでしょう。

 また、いったいこれはきちんと科学考証したのかと思われる場面もありました。
 例えば、“マーズ2号”の形、先頭がとがっていて、その後ろに回転するバームクーヘンのような居住区がついていて、その後ろに長く燃料タンクのようなものがあり、一番後ろは大きなロケット噴射口です。
 衛星軌道に浮かんでいる宇宙ステーションがしっかりと存在していたはずですが、NASAの皆さんは、そこに滞在していたはずですが、つまり、“マーズ2号”は、地球から飛び立ったのではなく、宇宙空間に浮かぶ宇宙ステーションから飛び立ったのではないですか?(そう考えると、冒頭のパーティの場面、出発の前日に地球でパーティしているのも変ですね。やるなら当然宇宙ステーションでやるはずです。)
 それなのに、どうして、とがった頭や、大量の燃料や、でかい噴射口が必要なのでしょうか。それらのものというのは、空気に覆われた中を切り開いて進み、超強力な地球の引力から脱出するために必要なものではないでしょうか。
 宇宙ステーションから飛び立つ場合、少ない燃料で、少しの噴射で飛び立つことができ、地球や月の引力を利用したスイングバイで加速していくのではありませんか?そういうことが、まったくわかっていない宇宙船の造形ですよね。
 また、2号は火星にたどり着いて、さあ着陸態勢に入るぞ、というときに、突然数cmの微小な隕石がぶつかり、船体に穴が開いて危機になってしまいます。そういう非常に微小なものが宇宙空間には有り得ることがわかっていながら、そんなに簡単に穴が開いてしまう宇宙船って、それでいいの、と思ってしまいました。しかも、同じような物体で傷ついたであろう燃料パイプから燃料が漏れ、その後ロケットを噴射させたら爆発してしまいました。燃料パイプが船外に剥き出しの宇宙船って、有りなの??
 僕は、1号のクルーの事故で、知的生命体の存在を匂わせていることから、その知的生命体がわざと邪魔しているのかと思っていましたが、後でわかりますが、まったく偶然のアクシデントのようですね。そういうのって、有りなのか???
 それから、その事故の後、火星を周回している補給船がたまたま近くにいたので(まあ、なんて都合のいいこと。)、宇宙船を捨て、全員宇宙服で宇宙空間を飛んでいき乗り移ろうとします。そのアイディアは、とても面白いと思いますし、理にかなっていると思います。(でも、アイディアの出所はやっぱり『2001年』かな。)
 しかし、その後、思ったよりも距離があり、ウッディが1人で加速して補給船を捕まえに行き、速度が速すぎて、弾き飛ばされてしまいます。(ちゃっかりワイヤーは結び付けるのは成功しているので、他の3人は無事です。)
 そこで、前述のとおり、妻のテリーは感情的になり、ひとり助けに行こうとします。宇宙服にある、姿勢制御用のわずかな燃料のロケット噴射で、ウッディに向かって飛んでいくわけですが、あそこは宇宙空間なので、ウッディが進んでいるスピードよりも、速いスピードを出すことができれば追いつけるはずで、噴射量と距離は関係ないはずです。実際、2人の距離は縮まっているので、もう少し粘れば追いつけたはずですよね。
 まあ、そのあと2人分の質量を逆方向に加速できる燃料があるかどうかの問題は残りますが。逆方向なので、かなりの燃料が必要になるはずです。

 最後のオチ(ネタバレしたくないので、詳しくは書きません。)については、ネットで見る感想の中には、「がっかりした。」とか、「オカルトになっちゃった。」とかいう人が多くありましたが、僕は、なかなかいいと思いました。
 実際、かつての火星は、水もあり、生命もあったかもしれないという説があり、そこに、あの「彼」(「彼女」かもしれませんが。)のような存在がいたとしても不思議ではありません。これは、決して、オカルトでも、超常現象でもないと思います。科学的に十分あり得ることです。
 ただ、この地球上に多細胞生物が生まれて数億年、それより以前から、「彼」が、地球人を待っていたのかと思うと、疑問がありありですが。どうやって生きてきたんネン!

 ということで、なかなか面白かったですが、突っ込みどころも多かった作品でした。やっぱり、慣れないことはしないほうがいいね、ということでしょうか。

 ところで、この映画のキャスト、ちょっと地味なのも気になりました。ゲーリー・シニーズ、ティム・ロビンス、ドン・チードル、3人とも、演技派のいい役者さんたちですが、多くの映画で、脇役として、いい味を出している人たちです。主役として映画の看板となるには、ちょっと………。
 3人とも、僕は好きな役者さんですが。





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Last updated  2012.04.23 06:26:19
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