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パワースポット@神の島「Okinawa」

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2022.05.04
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カテゴリ:名護市

(小浜の川神)

沖縄本島北部の東海岸沿いに名護市「天仁屋(てにや)集落」があります。この集落は貝塚時代から存在し、17世紀中頃の「琉球国絵図郷村帳」に「てぎな村」と記されています。「琉球国高究帳」(1635-1646年)では「てきな村」と記載されており、更に「琉球国由来記」(1713年)には「天仁屋村」と載せられています。この「琉球国高究帳」による当時の石高は28石余り(田24石余/うち永代荒地3石余含む畠3石余)であったと記録されています。「天仁屋集落」の東側に突き出た岬に「小浜の川神」と呼ばれる拝所があります。集落の北側にある農地の東側の森を約1キロほど進むと「小浜の川神」の祠が鎮座する岬に辿り着きます。


(小浜の川神の祠内部)

(小浜の川神の石碑)

(小浜の川神からの絶景)

東海岸の太平洋を臨む岬の崖縁に建立された祠内部には、神々が宿る3体のビジュルと呼ばれる霊石と3基のウコール(香炉)が祀られています。海の神、天の神、岬の神として「天仁屋集落」の東の守護神の役割があると考えられます。ヒラウコー(沖縄線香)を供えるウコールには賽銭が捧げられており、祠に向かって左側に隣接して「小浜の川神/天の川」と彫られた石碑が祀られています。この拝所の崖下には美しい絶景が広がっており、遥か彼方のニライカナイ(理想郷)を拝む事が出来ます。「天仁屋集落」に暮らす高齢の村人に挨拶した際に、この「小浜の川神」があるバンタ(岬)を訪れるよう紹介していただいた事に大変感謝しています。


(小浜の川神)

(小浜の川神から臨む天仁屋バン先)

「天仁屋集落」には「ユーヒナハナの洞窟」と呼ばれる伝説があります。「天仁屋公民館」から300mほど離れた場所に「ユーヒナハナ」と呼ばれる農地があり、そこには直径約3mの穴があります。その洞穴に那覇から来た「ジュリ」という人物が身を投げた事がありますが、その死体は遠く離れた「天仁屋岬」の浜に上がっていたと伝わります。「小浜の川神」の拝所は太陽が昇る東の水平線に向けられており、琉球における太陽信仰を象徴する場所として相応しい聖域となっています。この岬からは「天仁屋集落」の南側にある「天仁屋バン先」を眺める事が出来て、古から変わらぬ大自然の絶景が今でも広がっています。


(天仁屋竜宮神の石碑)

(天仁屋竜宮神の崖縁)

(天仁屋竜宮神の崖下にある滝)

「天仁屋集落」の南東側の崖に「天仁屋竜宮神」があり、大きなガジュマルの木の麓に「天仁屋竜宮神」と彫られた石碑が建立されています。石碑の前にはウコール(香炉)が祀られており、人々が拝する「イビ」となっています。「イビ」とは拝所や御嶽の最も重要な聖域で神が宿る場所を意味します。竜宮神には海の神様が祀られており、航海安全と豊漁を祈願する聖域として崇められています。「天仁屋竜宮神」の崖縁からはニライカナイがある東の海が広がっています。さらに「天仁屋竜宮神」の崖下には滝があり、滝壺に流れ込んだ聖水は「天仁屋の浜」から太平洋に注ぎ込まれます。この「天仁屋竜宮神」は「天仁屋集落」の南の守護神であると推測され、非常に神秘的な雰囲気に包まれています。


(天仁屋の浜の嘉陽層の褶曲)

(天仁屋の嘉陽層の褶曲)

「天仁屋集落」の南側にある「天仁屋の浜」に「嘉陽層の褶曲」と呼ばれる地層があります。褶曲(しゅうきょく)とは地層や岩体が長期間かけて力を受けて波のように曲がっている構造の事で、2012年に国指定天然記念物に登録されました。「嘉陽層」という地層は沖縄本島中部以北の東側に分布しており、砂岩・泥岩・層内礫岩および礫岩を伴い、それらが交互に重なっている地層の事です。約5400万年〜3700万年前に2000mを超える深海底に堆積したものと言われています。琉球列島の成り立ちを示す地層現象が保存された極めて重要な資料として、各教育機関で地学学習の場として利用されています。


(盗賊の洞窟)

(盗賊の洞窟)

「天仁屋の嘉陽層の褶曲」に隣接して「天仁屋の浜」には洞窟があり、この洞窟にまつわる「天仁屋集落」に伝わる「狩人と牛盗人」という民話があります。「
天仁屋」の集落がまだ無く一帯が深い森林だった頃、海岸の洞窟を住処にしている3〜4人の盗賊がいました。盗賊たちは近くの村から牛を盗み村人たちを困らせていました。ある日「嘉陽集落」の狩人が犬を連れて狩りをしていましたが、道に迷っているうちに「天仁屋」の海岸に出たのです。すると海岸の洞窟で盗賊たちが牛鍋を前にして酒を飲んでいるのが見えました。村人を困らせている盗賊はこいつらだと思った狩人は、犬をつかって盗賊たちを捕らえたのです。その時、狩人は辺りの地形や水利の良さを見て気に入り、村に帰ってそのことを話しました。それから「天仁屋」の開墾が始まり今の集落が始まったと伝わります。


(カムイ外伝のロケ地/天仁屋の浜)

(ちむどんどんのロケ地/天仁屋集落)

(ちむどんどんロケ地/有津川)

「天仁屋集落」は映画やドラマのロケ地としても知られています。「天仁屋の浜」は
白土三平の漫画を崔洋一監督が松山ケンイチ主演で実写映画化したアクション時代劇映画「カムイ外伝」(2009年)のロケ地になりました。2022年のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」のロケ地にもなりました。「天仁屋集落」北側の農道は小学校で熱を出して早退する、比嘉歌子(布施愛織)をおんぶして帰宅する比嘉優子(仲間由紀恵)が描かれています。更に「天仁屋集落」の北側の山の中に流れる「有津川」に架かる特徴のある橋もロケ地として使われました。沖縄が本土復帰する以前の設定であるドラマの舞台として、現在も沖縄の美しい原風景が「天仁屋」には残っているのです。







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最終更新日  2022.11.12 21:19:20
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