Pars Today

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相が、「我が国がウクライナで戦術核や化学兵器を使用する計画があるという情報が流布しているが、これは全くの偽りである」と述べました。

ショイグ国防相は16日、軍事技術フォーラム「アルミヤ2022」の枠組みで開催された第10回国際安全保障モスクワ会議の開会式でこのように表明し、「ロシアの戦術核兵器が特別軍事作戦で使用されるのではないか、化学兵器を使用する準備があるのではないか、といった憶測がメディアの間で広がっている。これらの情報は完全なデマだ」と述べました。

同氏は、こういった情報面での挑発は、米国が禁じられた軍事・生物学的研究を行っていたという事実がウクライナで発見されたことについて、世論の注意をそらすことを目的としているとしました。

同氏は、軍事的な観点からウクライナで核兵器を使用する必要性はないと強調しました。

ショイグ氏によれば、ロシアの核戦力の主な目的は、核攻撃を抑止することにあり、「核の使用は、一般に公開されているロシアの指針に関する文書で定義されている特別な状況に限定される」と述べました。

ショイグ氏は、オーストラリアが原子力潜水艦の艦隊を形成し、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS」をNATO北大西洋条約機構に融合させることは、新たな核軍拡競争につながり、アジア太平洋地域の安全保障を損ねると指摘しています。

同氏は、これは核拡散防止条約を弱体化させる条件を作り出しており、「グローバルな次元でいえば、オーストラリアに原子力（潜水艦）艦隊が出現すれば、他の国も同様の軍備の開発を始める口実を与えることになる。パンドラの箱が開かれ、世界的な核軍拡競争が再開するだろう」と語りました。

今年２月にウクライナ戦争が始まって以降、西側諸国は心理・情報戦を展開し、ロシアが戦争の行き詰まりに直面するかNATOが介入した場合、ロシアが核兵器を使用する可能性があると主張してきました。

ロシアはこのような主張に対して、根拠のない主張だと反論しています。

ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。