【石川県】コッボコボ食感が特徴 金沢のさつまいも「五郎島金時」

「五郎島金時」は、柔らかな甘みと「コッボコボ」食感で愛される金沢のさつまいもです。その魅力を生かしたおいしい食べ方やおいしいさつまいもの見分け方とは？農家の方に話しを聞きました。

今からおよそ300年前の江戸・元禄時代、遠くさつまの国（鹿児島）から種芋を持ち帰った太郎右衛門が栽培を始めたのが起源とされる「五郎島金時」。「コッボコボ」の食感が特徴です。

「五郎島金時」の名前の由来は、このさつまいも達が育つ土地の名前にちなんでいます。
県の中心部の少し外れ、河北潟から大野川をへて日本海に向かう河口付近のことを指し、一帯は砂丘地になっています。

写真はそんな広大なさつまいも畑の風景を切り取った1枚。農家のみなさんの笑顔がまぶしいですね。

「五郎島金時」の食感を表す「コッボコボ」というのは、地元の言葉で「ホクホク」という意味。調理して食べたとき、特に焼き芋やふかし芋にして食べたとき、「コッボコボしていておいしいね」というように使います。

家庭で簡単においしいさつまいものおやつができるのも、「五郎島金時」が愛される理由のひとつ。焼き芋や皮付きのまま輪切りにして煮るだけでももちろんおいしいのですが、今回は「さつまいもスティックのバター焼き」のレシピをご紹介しましょう。

【「五郎島金時」で作る！さつまいもスティックのバター焼き】

1. 皮ごと1cmの厚さに斜め切りし、さらに1cm幅に切ってスティック状にして10分ほど水にさらしてあくを抜きます。
2. 水気を軽く切ったら耐熱のお皿に乗せ、ラップをかけてレンジで3分加熱します。
3. フライパンを熱してバターを溶かし、加熱したさつまいもを並べて焼きます。
   ラップを外す際の蒸気や油ハネによるヤケドには十分ご注意を！
4. 塩コショウで味を整え、最後に砂糖を絡めたら完成です！

家族みんなで楽しめるひと皿は、どこかホッとする秋の味わい。
あまじょっぱい味がクセになり、あっという間に無くなっておかわりも作るほどです！

どんなさつまいもでもおいしく作れますが、みなさんもぜひ「五郎島金時」で作ってみて、「コッボコボ」の食感を味わってみてくださいね。

五郎島金時が「コッボコボ」食感になるヒミツは「土にあり！」。
ということで、五郎島さつまいも部会の酒栄優次さんに、独特の食感のヒミツや栽培で気をつけていることについてうかがいました。

「五郎島金時は、主に五郎島・栗ヶ崎地区や内灘砂丘という地区で栽培しています。この辺りは砂丘地になっていて水ハケが良いので、さつまいもに要らない水分がなるべくない状態で収穫ができるため、粉質が強くなりやすいのだと思います」と、酒栄さん。
33年にわたってさつまいも栽培に携わる中で難しさを感じるのは、「育ち具合などが目に見えないこと」だといいます。

それでも、「葉っぱの色や大きさ、経験から、足りないものや多すぎるものを見極めて育てています」と、日々の農作業の様子を伝えてくれました。
そうした話を聞くと、よりいっそう感謝しておいしくいただきたい、と思うものですね。

ちなみに、酒栄さんが一番好きな食べ方は「天麩羅」だそう。
「味がしっかりしているので、これだけで立派なおかずになる」と、太鼓判を押します。
ほかにもシンプルに焼き芋やお子さんにはスイートポテトもおすすめ、とのことでした。

「おいしいさつまいもかどうか？」を見分けるとき、農家のみなさんは、さつまいもの先端をちょっと折ってジュワっとしみ出る白い液体の量をチェックするそうです。

ただ、スーパーや八百屋さんでこの方法は絶対にしてはいけないこと！
では、見た目でわかる「おいしいさつまいもの見分け方」はというと…？

「色ツヤがいいものが『健康状態の良いさつまいもだな』と思っていただければいいでしょう」と、酒栄さん。さっそくこの方法で良いさつまいもを選んで、今回ご紹介したレシピを試していただけたら嬉しいです！


今回は、AMラジオ37局で放送しているパナソニック提供の長寿番組「歌のない歌謡曲」のMRO北陸放送からお届けしました。

MRO北陸放送の「歌のない歌謡曲」は、毎週月～金 午前6：45～7：00に放送しています。

2021年12月17日　地域

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