オウム病

細菌であるクラミジア(Chlamydophila psittaci)が原因となる感染症で、オウム病とも呼ばれています。鳥類すべてに感染し、人にも感染する人獣共通感染症(人では届出が必要な4類感染症)です。神経節に隠れ潜んでいることもあり、ストレス下や免疫抑制状態にて発症します。くしゃみや鼻汁、咳といった呼吸器症状、結膜炎、副鼻腔炎、肝障害、脳炎、黄色〜緑色尿酸など、さまざまな症状を示します。

こちらはオウム病陽性のオカメインコです。副鼻腔炎を起こしていました。オウム病に対しては治療薬としてテトラサイクリン系抗生物質を使用します。ただし、治療に反応して症状がなくなったとしてもクラミジア細菌を根絶することは難しく、神経細胞に潜り込んでいることがあります。また、無症状で感染症検査でオウム病陰性であってもクラミジア細菌を神経細胞内にはもっている場合があります。人と鳥、双方の健康を守るために、定期的な検査をオススメしています。