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2023.01.06

金属表面処理には種類がある!種類ごとの目的や特徴を詳しくご紹介

こんにちは、岡畑興産の仁科です。

 

表面処理とは、材料の表面を研磨や塗装したり、めっきに熱や化学処理を行うこと。

 

日常生活の中で携帯であったり車や身近な製品において行われており、その種類は数多くあります。

 

今回は金属表面処理について、その種類を解説していきましょう。

 

 

金属表面処理とは?

表面処理の中でも、金属表面処理というのがあります。

読んで字のごとく、金属素材の表面に加工することを言います。

 

簡単にお伝えすると、めっき加工や塗装などが代表的です。

 

また、印刷や表面や内面を厚い膜で覆うライニングなども表面処理にあたります。

 

金属の製造は形を成型する機械加工の工程があり、その次に熱処理加工を行います。

そうしてでき上がった金属素材に、表面処理を行うのです。

 

剥き出しの金属ですと、傷や錆などがつくので、表面処理により装飾性を付与したり、耐摩耗性、耐久性、耐食性、耐酸化性、耐熱性などを向上させる目的があります。

 

実はこの金属表面処理を行うことで、自動車では数十年間もメンテナンスフリーが可能になるんです!

それほど耐久性を高め、寿命も延ばすことができる重要な処理と言えるでしょう。

 

金属表面処理は手法の種類が豊富にあり、施す素材によって選ぶ必要があります。

次で詳しくご紹介していきますね!

 

 

 

金属表面処理の種類ごとの目的や特徴を解説

金属表面処理の種類は数多くありますが、大きく下記の2つの効果に分けられます。

 

また、処理方法にも種類があるため、それぞれの特徴や目的をご紹介していきましょう。

 

金属表面に金属・非金属でできた皮膜で覆い機能を発揮する方法

 

めっき(メッキ)

めっきは、固体の表面を金属で覆う処理方法です。

耐食性を上げて錆びにくくしたり装飾性を高める効果があるため、商品をより美しく仕上げ、価値を上げることができます。

さらに、導電性や抗菌性をアップする効果もあります。

 

電気や化学反応を用いる電気めっき・化学めっき、金属や酸化物を蒸発させて付着させる蒸着めっき、表面に溶融金属の皮膜を形成させる溶融めっきなど、めっきの処理方法の中にもさらに種類があるので、素材に合わせて選ぶことが必要です。

 

また、使うめっきの素材にも、クロムめっき、銅めっき、ニッケルめっき、亜鉛めっき、白金めっきなどの種類があります。

 

塗装

防食や防錆の工場などを目的に、塗料で膜を形成する処理方法です。

塗料は液体や粉体になり、塗布する手段はスプレー塗装、静電塗装、電着塗装、粉体塗装と分かれます。

めっきとの違いは常温・大気下で行うことができ、鉄製品以外にも活用される点です。

 

化成処理

金属の表面に処理剤を塗布し、化学反応を起こす処理法です。
耐食性を強くしたり塗料との親和性を向上します。

素材となる金属により作用が異なるので、亜鉛やメッキ、カドニウムメッキに対してはクロメート処理、鉄に施す場合はリン酸被膜処理や黒染めなどが用いられます。

 

アルマイト(陽極酸化処理)

アルミニウムを電解処理することで、酸化皮膜を生成させる処理法です。

 

一般的な塗料などと違い、アルマイト皮膜は表面に無数の孔が空きます。

これにより防錆性や耐久性のみならず、耐摩耗性や撥水性、電気絶縁性や高い硬度を保持するようになります。

 

溶射

溶射剤と呼ばれる材料を吹き付けることにより、表面に皮膜を作る処理法です。

溶射剤には溶融または近い状態にある金属やプラスチックといった材料が用いられます。

橋や鉄塔など大きなものに対しても処理することができ、現地での施工が可能です。

 

ライニング

塗装処理の中で、厚い膜を張るものをライニングと呼びます。

また、薄い膜を形成する場合はコーティングと呼ばれます。

 

エッチング

化学薬品などでの腐食作用を用いた処理法です。

銅や亜鉛だけでなく、腐食性のあるものであれば対応することができます。

液体で行う『ウエットエッチング』と気体で行う『ドライエッチング』があり、金属だけでなく半導体用途に応用されており、幅広い分野に用いられています。

 

金属表面のみを硬化させて耐摩耗性を向上させる方法

 

表面熱処理

熱処理によって硬化した鋼の中でも靱性を維持しつつ、耐摩耗性や金属の疲労強度などが求められる鉄鋼製品の表面に熱処理を加えることで、表面の強度を増す技術です。

 

表面熱処理という分類から、更に表面熱入れと熱拡散処理に分けられた処理法になります。

表面熱入れでは必要な箇所を急速に加熱し、硬化処理を施します。

 

また、熱拡散処理は全体を加熱し、表面から異種原子が内部に向かって拡散する方法です。

そのため、加工する素材や用途によって処理方法を選ぶ必要があります。

 

ショットピーニング

無数の鉄もしくは非鉄金属の丸い玉を高速度で金属表面に衝突させ、材料表面を凹ませて丸いくぼみを残す処理法です。

 

表面の硬さ及び疲れ強さが増し、耐摩耗性の向上、対応力腐食割れ特性の向上、放熱性の向上、流体抵抗の減少などの効果があります。

 

自動車部品といったものから航空機関連、化学プラントの圧力容器など様々なところで利用されております。

 

 

金属表面処理は前処理の洗浄に使う成分も重要!

金属の表面処理を行う前は、金属表面に付着しているものを取り除き、表面処理を行うのに適した清潔な状態にする必要があります。

 

例えば、メッキを行うのにメッキの膜と金属の間に汚れがあってはメッキの効果を発揮できません。

特に鉄鋼など錆びやすい素材は、油汚れを入念に取り除くことが大切です。

 

そのため、前処理工程として浸漬洗浄、酸洗浄、電解洗浄といった洗浄工程を行います。

 

浸漬洗浄工程ではアルカリ洗浄剤が使用されますが、アルカリ洗浄剤は界面活性剤、ビルダー、補助剤を混合して作ります。

 

補助剤の中には、酸化膜除去・活性剤補助の役割として「キレート剤」が使用されています。

 

一般的なキレート剤は、高アルカリ環境下でキレート力が下がってしまうことがあるため、機能の高いキレート剤を選ぶことも重要です。

 

当社ではこのキレート剤として、高アルカリ条件下でも使用可能な製品を扱っております。

 

ご興味がありましたら、下記ページもぜひチェックしてみてくださいね!

どこ展/生分解性キレート剤

 

 

用途に合わせて金属表面処理の種類を使い分けよう

金属を加工する際に、成形・熱処理しただけでは、汚れが付いたり、錆や傷が付いてしまうので、金属表面処理を行う必要があります。

表面処理によって、生活に携わるものが安全に長く使えます。

 

金属表面処理の方法は、主に「金属表面に金属・非金属でできた皮膜で覆い機能を発揮する方法」と「金属表面のみを硬化させて耐摩耗性を向上させる方法」の2つです。

 

この2つから求めたい効果を選び、いくつかある表面処理方法から、金属表面処理を行うことになります。

 

製品を使用する場面によって、どの表面処理を選ぶかが重要です。

 

また、表面処理を行う前には金属表面に付着している汚れや油を洗浄する必要があり、その際に使う補助剤に含まれるキレート剤は、高アルカリ条件下でも使用可能なものがおすすめです。

 

岡畑興産は、東アジアを中心とした化学品専門商社です。

 

取り扱いのある機能製品・香粧品関連原料は「どこ展」でもご紹介しておりますので、よければそちらも覗いてみてくださいね。

岡畑興産 仁科 ニシナ

岡畑興産株式会社
機能化学品事業部

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