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2020.06.24

ファッション

5ブランドを徹底比較! 心地いい&格好いい無地Tシャツの魅力

僕らが大好きな、着心地の良いTシャツ。しかしそのアプローチはブランドごとにまったく異なる。
それぞれの信念とこだわりが詰まった究極の心地良さ。アナタはどれがお好み?
 

“心地いい”に男女の区別は不要

無地Tシャツ/スローン
8800円/スローン 03-6421-2603
SLOANE スローン
ソフトな風合いと上品な光沢。ひと目見ただけで、抜群の着心地だとわかる。2016年にスタートしたスローンというブランドの定番Tシャツだ。いつものコーディネイトに重宝するような、ベーシックなデザインのニットやカットソーを得意とするスローン。このTシャツを含め、手掛けるアイテムはすべて日本で生産しているという。
日本で生産するいちばんの理由とは何か。それは「ブランドと作り手の、メンタリティと距離感が近い」ことにある。スローンの服はシンプルに見えるが、ディテールやシルエットを徹底的に追求している。つまりひとつの服を作るときに、細かいニュアンスをどれだけ反映できるかが勝負。日本の職人と工場だからこそ、それが可能になるというわけだ。
このTシャツは一枚で着たときにサマになるよう、襟や袖口、裾のヘム(折り返し)が絶妙な幅に仕上げられている。また袖は細く長めに設定し、着丈も長め。ニットと重ね着したときに、袖や裾のリブがちらりと覗くように計算されているのだ。
もちろん素材にもこだわりがある。シワになりにくく、光沢も長くキープする特殊加工を施した超長綿を使用。さらに今年のモデルからはUVカット加工もプラスされたそうだ。
シンプル、でも細部にこだわりがあって、上質な素材を使用し、機能的でもある。あらゆる意味の“心地良さ”を追求したこのTシャツには、ぜひとも伝えたいもうひとつの特徴がある。それはユニセックスであること。男女問わず着てもらえるよう全5サイズを用意。そう、心地良いTシャツにメンズ、ウィメンズの垣根は不要なのである。
 

老舗のヤミツキタッチを“今”のバランスで

無地Tシャツ/サンスペル × ビームス
1万6000円/サンスペル × ビームス(ビームス 公式オンラインショップ www.beams.co.jp
SUNSPEL×BEAMS サンスペル × ビームス
英国というより米国の印象がTシャツにはつきまとうが、歴史を遡ると、Tシャツはどうも20世紀初頭の第一次大戦時に、ヨーロッパから米国へと伝わったようである。そして1860年に創業したサンスペルの歴史を紐解くと、初期の製品の中にTシャツの原型が見受けられる。つまりサンスペルは、世界に先駆けてTシャツの生産に着手し、今なお作り続けている老舗というわけだ。
そんな英国の老舗とビームスの初コラボとなれば興味を持たずにはいられないが、結論を言うと、完成したTシャツは“大人が今着たいTシャツ”の理想をなすものである。
本別注を手掛けたビームス メンズカジュアル統括ディレクターの中田慎介さんがテーマのひとつとして掲げたのは「今のTOKYOを感じるフィット」。身頃はたっぷりとしたゆとりを備え、肩はドロップ。リラックス感に溢れながら、首元はだらしなく見えぬようリブがキュッと詰まっている。
生地もトレンドど真ん中のヘヴィオンス。サンスペルの薄手の定番Tシャツを思い浮かべると、テイストの違いに驚くかもしれない。しかし当然というべきか、アスレチックブランドのそれとは風合いの良さが明らかに異なる。ポルトガルで編み立てているという肉厚のコットン生地は、仕上げに起毛が施され、しっとりとして柔らかい。ドレープの表情にも、どこかしら品があるのだ。
ちなみにビームス中田さんは、サンスペルのTシャツの魅力に「一度着ただけでヤミツキになるタッチ」を挙げる。今回のコラボでも、しっかりとした生地感とともにヤミツキタッチにこだわり、要望を熱く伝えたのだという。その想いにサンスペルが応え、完成した一枚は、当のサンスペルもいたく気に入り、ロンドンの直営店でも販売を始めたとのことだ。
老舗の上質に、見事“今”という別ベクトルの魅力が融合した本作は、コラボレーションの理想の姿といえる。それもこれも、両者の深いリスペクトがあってこそだろう。


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