英表記:Sphynx
誕生国:カナダ
誕生年:1966年
タイプ:セミフォーリン
毛種:短い産毛
目色:すべての色
公認毛色:すべての色
体重:オス 3~5kg メス 3~4.5kg
 

大きな目と耳、しわくちゃな肌がなんとも不思議な魅力を醸し出しているスフィンクス。スティーブン・スピルバーグ監督の「ET」のモデルになったり、「オースティン・パワーズ」に登場したりと、映画界にもその人気が及んでいます。病弱そうにみえますが、なんと34歳2ヶ月という長寿記録を樹立したスフィンクスもいるようです。

歴史

スフィンクスのような毛のない猫は古くから世界各地で突然変異によって産まれていましたが、当時は毛の無い猫は価値が認められなかったため、広く取り上げられることはありませんでした。スフィンクスの始まりは、1966年にカナダのトロントで産まれた突然変異の猫が発端です。この猫はプルーンと名付けられ、このプルーンをもとに繁殖が始まりましたが、遺伝的な疾患などによりプルーンの子孫は絶滅してしまいます。その後、1970年代にアメリカのマークスティン夫妻が新たな毛のない猫とデボンレックスを交配させて、誕生した猫が現在のスフィンクスの原型です。TICAに認定されたのは、比較的最近の1980年で、新しい猫種と言えます。スフィンクスという名前の由来は、古代エジプトの猫像と似ていることから名付けられたと言われています。かの有名なスフィンクス(sphinx)とは綴りが異なります。

特徴

耳は非常に大きくて頬骨が高く、頬の部分にはっきりした窪みがあり、目はレモン型です。ひげやまつげまで全く無い猫もいますが、毛が少ないからといって、猫アレルギーの原因にならないわけではありません。

被毛の特徴

子猫の時には多少毛で覆われているのですが、成猫になるにつれて毛が無くなってきます。無毛といえども産毛のような体毛は生えており、さわり心地はスエードにたとえられます。スフィンクスならではの独特の感触です。また、髭もあまりありません。被毛がないため、傷つきやすく、暑さにも寒さにも弱く、ほかの猫より体温が4℃程度高いです。

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性格

非常に賢く人懐こく、活発で遊び好きです。その見た目とのギャップとも言える陽気な性格に飼い主は魅了されるようです。

生活環境

毛のないことから他の猫とのケンカを避ける必要があるため、室内の単独飼育が一般的です。室内でも日差しで日焼けしたり、家具などで体が傷つけたりしないよう気を配ることが大切です。暑さ、寒さの両方に弱いので、室温設定に気をつけましょう。好奇心が強く、あちこちに探検したがるので、猫だけでのお留守番はなるべく少なくしてください。

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お手入れ

Don Sphynx kitten

スフィンクスのお手入れは、見た目の通り、体に産毛しかないためブラッシングは必要ありません。しかし、皮脂を吸い取る被毛がなく、皮脂腺が発達しているため、皮膚が脂っぽく、毎日固く絞った蒸しタオルなどで皮脂をふき取ってあげる必要があります。特に、シワの間には脂がたまりやすいので入念にふいてあげましょう。耳の中や指の間にも毛がありませんので、耳には耳垢、指の間には汚れが溜まりやすい傾向にあります。最低でも週に1回は耳や指をキレイにしてあげましょう。シャンプーをする場合は、猫用のシャンプーよりも、低刺激で弱酸性のボディソープや、ベビーシャンプーなどで優しく洗うと、皮脂が綺麗に落ちます。

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注意すべき点

スフィンクスの約半分がB型の血液型であることが知られています。B型の母猫の初乳をA型の仔猫が飲むと赤血球が壊れてしまうことがあるので、出産をする場合は事前に血液型検査をしておくことをおすすめします。

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スフィンクスは毛が無く、肌にしわがよっているため、膿皮症に注意する必要があります。膿皮症とは、皮膚上で菌が繁殖して化膿する疾患です。しわのよった部分に隠れて気づかないうちに悪化する場合もあるので、日々のお手入れで肌を清潔に保ってあげましょう。
また、スフィンクスは遺伝的に心臓病の起こりやすい猫でもあります。主に見られるのは、肥大型心筋疾患です。投薬等の対処ができますので、気づいた時には早めに動物病院を受診するようにしましょう。

 

 

★「猫種別病気ガイド」で『スフィンクス』について、さらに詳しい解説をご覧ください。

 

 

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にゃんペディア編集部

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