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“設立以来の危機”アイスリボンに米メジャーから参戦の志田光がもたらすものは? 同期・藤本つかさとの友情「ピンチの時は助けに来てね」

posted2022/04/03 11:00

 
 “設立以来の危機”アイスリボンに米メジャーから参戦の志田光がもたらすものは? 同期・藤本つかさとの友情「ピンチの時は助けに来てね」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

3.20後楽園ホール大会にてアイスリボン久々の参戦となった志田光(右)と、同期で選手代表も務める藤本つかさ

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 もしかすると、団体設立以来の危機かもしれない。

 2006年に旗揚げした女子プロレス団体アイスリボン。その陣容は昨年から今年にかけ大きく変わった。世羅りさ、柊くるみ、藤田あかね、宮城もち、鈴季すずの5人が退団してフリーのユニット・プロミネンスを結成。オーストリアから日本に移住してきたテクラはスターダムへ。雪妃真矢もフリーとなった。アイスリボンのリングには上がり続けているが、出場する大会は限られる。

 さらに現シングル王者・春輝つくしが5月4日のビッグマッチ、横浜武道館大会での引退を表明。以前から本人と会社で話し合いを重ねていたという。

 取締役選手代表でもある藤本つかさの結婚は明るいニュースだったが、結婚を機に休業に入ることが明らかに。復帰前提、長くプロレスを続ける準備としての休業だが“戦力ダウン”にはなる。しかもそれが、本人から直接ファンに伝えるのではなく新聞報道で先に出てしまった。

 “報告”ではなく“ニュース”となると不安を煽る感じが出てしまう。昨年末の大量退団に始まりつくし引退、さらに藤本もいなくなっては、アイスリボンはもうもたないのではないか。そう捉えるプロレスファンもいた。藤本もつくし引退と同時、5.4横浜武道館を終えると休業となる。

 かつて団体創設者のさくらえみが退団した際には、藤本が取締役となり団体を支えた。だが5月4日の大会後は、所属選手の大半が“若手”という状況になる。

窮地のアイスリボンに“救世主”志田光が帰還

 そういうアイスリボンに“救世主”が来た。3月20日の後楽園ホール大会。最大の話題は志田光の出場だった。

 元アイスリボン。2008年にデビューした藤本の同期。ともに女子プロレスを描いた映画『スリーカウント』出演がきっかけでレスラーになった。

 志田は2014年にアイスリボンを離れフリーに。さまざまな団体で活躍すると、2019年からはアメリカの新興メジャー団体、ケニー・オメガなど一流選手が所属するAEWを主戦場に。今はアメリカに住んでいる。2020年5月、同団体の女子王座を獲得すると1年にわたって防衛を重ねた。アイスリボン出身選手の中でも“出世頭”の1人と言っていい。

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