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「業界攻略トップアプローチのススメ」〜BtoBバーティカルの新しいグロース戦略〜

セールス出身のBizDev・ロビイスト(自己紹介)

医療AIスタートアップのUbie(ユビー)株式会社(Ubie Discovery / Ubie Pharma Innovation)で事業開発 / パブリック・アフェアーズ(ロビイング)を担当している重藤(@yukishigedo)です。
社員1ケタ人数の5年前に入社し、BizDevとして事業開発・渉外・アライアンス・マーケティング&セールスを主に担当してきました。前職はリクルートでエンタープライズのセールスマネージャーを務めておりました。
(医療業界のUbieでは、入社当初から「病院」業界・「クリニック」業界・「医療政策」業界の攻略をしてきました。今は「製薬」業界の攻略を半年前から取り組んでいます。)

また、ロビー活動の経験や政界とのリレーションを活かし、医療以外の他業界における、B to Bサービスの業界攻略・グロースや、自治体向けのグロース等の支援もしています。

今回は、自社のみならず他業界・他社でも得た学びをもとにB to Bサービスマーケティング&セールスの新しい戦略・戦術について書きます。

<攻略法が有効となる業界>
業界特化 B to B バーティカルサービス
◯:製造、建設、不動産、金融、医療、小売、物流、農林・水産、教育、宿泊、ローカルビジネス、行政(自治体・官公庁)、クリーンテック等
✕:ホリゾンタル、to C、人材、広告、全業界向けのIT等

ある特定の産業・市場・業界に特化したサービス

従来のマーケティング&セールスの線形的成長限界

・担当者クラスの商談が中心のため、経営者・決済者・キーマンまでのぼる工数が発生し、リードタイムが長い・単価が小さい、もしくは失注してしまう
・B to Bサービスのマーケティング&セールス施策として、デジタルマーケやウェビナー、インバウンド、インサイドセールス等に限界がある
・限られた商談獲得チャネルの改善活動・横展開のみで、リードジェネレーションの見立てから線形的成長が決まってしまっている
・代理店や顧問サービスなどのパートナーセールスに頼るも、サクセスの不確実性が高く、マネジメント難易度やフィーも高い

現状のボトムアップ的なマーケティング&セールスのメトリクス改善にのみ集中してしまうため、業界を圧倒的スピードで独占するための非線形の成長を描けなくなってしまう。ひいては事業計画をはじめとして、資金調達や採用人員計画まで悪影響を及ぼしてしまうケースがあります。

業界攻略のための「業界団体・キー企業」へのトップアプローチ戦略

まず、1つの企業において担当者クラスと会話(商談)をするのと、経営者・役員クラスと会話(商談)するのでは見える・見るべき視座(課題)が全く異なります。結果として、適切なコミュニケーションをとることができれば、商談の契約率・リードタイム・単価は従来と10倍の差がでることもあります。
次に、業界全体をみてみると、日本全国の何千、何万、何十万社がターゲットとして存在する中で、その業界に影響力を持ったキーマンとなる企業が存在します。それはイノベーターやアーリーアダプターなど初期の顧客になりる、もしくはすでになっている可能性が高い群を比較的多く含んではいますが、そのほとんどはマジョリティの中に含まれているレガシーな企業であることも多くあります。

業界攻略のキーとなる「業界団体」とは

業界団体(ぎょうかいだんたい)は、ある特定の業種に携わる企業や個人を会員として構成される利益団体である。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

業界団体はその特定の業界の企業・経営者の集まりです。企業の経営者が日本全国・都道府県・市区町村等の近い地域単位ごとに集まって、その業界のさらなる発展のために協力する同業他社の集まりです。

<「医療」業界の一例>
例えば、医療業界の中の「病院(経営)」業界ですと、
四病協(四病院団体協議会:一般社団法人日本医療法人協会公益社団法人日本精神科病院協会一般社団法人日本病院会公益社団法人全日本病院協会
「製薬」業界ですと、
日本製薬工業協会米国研究製薬工業協会欧州製薬団体連合会
等があります。

<「建設」業界の一例>
他業界の「建設業界」で例をあげますと、
一般社団法人日本建設連合会(日建連)や、一般社団法人全国建設業協会(全建)などが全国単位であります。
・全建をさらにみてみると、一般社団法人◯◯都道府県協会が各都道府県単位でそれぞれあります。
・さらに一般社団法人福岡県建設協会をみてみると、福岡県に福岡、北九州、筑豊、久留米、大牟田の支部地域単位であります。

全国、都道府県、市区町村等をまとめた地域単位で、階層的構造になっており、それぞれに役員(理事)と所属する会員企業がいます。
業界団体の役員(理事)はその業界・地域に影響力を持ったキーマンである可能性の高い企業の経営者(社長)の集まりです。
この協会のそれぞれのキーマン企業とリレーションを構築することができれば、理事会や総会、セミナー等の集まりでマスプロモーション的に講演する機会等を獲得することもできます。また、例えば建設などの多重構造的な業界では、地方/地場のキーマン企業を抑えることでさらにその地域の多くのステークホルダーなどにネットワーク効果的につながることもできます。
業界団体をマスとして捉えて面でアプローチするパターンもあれば、業界団体の理事・役員・会員企業を1社1社と捉えて個別アプローチするパターンもあります。

<ニッチな業界でも存在する業界団体>
また、大きな業界団体を例に出しましたが、例えば一口に「製造業」といっても多くの業界が含まれており、仮にマニアック・ニッチ・スモールな業界にも業界団体が存在することもあります。(製造→化学→素材→プラスティック→成形加工等)
「◯◯ 協会 業界団体」などと検索すれば探すことができます。
理事・役員・会員リストなども公開されているケースも多いため是非とも自社のターゲットとなる業界を調べてみてください。

「業界団体・キー企業」へのトップアプローチ方法

業界団体(理事・役員・事務局)や地方/地場有力企業の経営者へのトップアプローチ方法も色々あります。
最も有効なのは「紹介」です。業界団体の役職者や地場経営者は政界/経済界/業界との繋がりを持っています。そこの人脈・ネットワークを糸口に業界全体の力学・関係図の解像度を上げて、どのように攻略していくかというのが業界攻略トップアプローチの考え方とやり方になります。
その他のアプローチ手段としては、一部例にもあげた代理店・顧問などを有効に活用するやり方もあります。また、業界エグゼクティブへ特化したイベント・セミナー・勉強会等の開催・協賛、業界団体への協賛、総会等への参加、キーマンが話す講演会への参加・名刺交換/挨拶、業界関係者が集まる会での懇親会・ネットワーキング、経営者への手紙、その他コミュニティマーケティング等もあります。
全体的に具体的なアクションとしては「泥臭い営業的アプローチ」が有効です。はじめは属人的になります。かつ、人から人を紹介してもらったり、短い時間で経営者やキーマンの心を捉えることが重要であるため、Public Relations/Affairs・トップセールス・渉外的な力が必要となります。
エンタープライズの営業を、一法人のビッククライアントではなくて、業界全体に仕掛けるイメージです。はじめは社長や事業責任者が始め、その後は専門の責任者・担当者(アライアンス・パートナー・セールス系)をおくことをオススメします。

業界攻略に向けて、上を向いて歩こう


日々のマーケティング&セールス活動や、その改善活動なども非常に重要です。それらも行っている上で、+αの飛躍的なグロースを目指す新しい業界攻略法としてその一部を紹介しました。
これからのレガシー業界DXを実現する業界特化型バーティカルのスタートアップにおいては、業界・業界団体・業界キーマン・(関係官公庁・関連議員)とのリレーション活動は必須になってきます!
業界攻略を制するものこそが、スタートアップとしてその業界を本当に変える社会実装を制すると言えるでしょう!

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※「マーケティング&セールス」のみならず、パブリック・アフェアーズ(ロビイング)による「ルールメイキング(規制改革)やPublic  Relations」活動についてはこちらのブログをご覧ください。


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