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元女性幹部自衛官が伝えるキャリア転換で大事にすべきもの(no.24)

プロフィール
新井 香奈さん
現職:新井香奈キャリアデザイン事務所 代表
NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐ 事務局長
自衛隊在職時最終役職:海上自衛隊1等海尉

経歴

ーー本日はお忙しい中、退職予定自衛官、元自衛官のキャリアを考えるインタビューにご対応いただきありがとうございます。まず、新井さんの経歴を教えていただけますか。

新井さん:防衛大学校を卒業後、海上自衛隊に入隊。艦艇装備幹部として横須賀造修補給所に勤務しました。造修補給所は、主に艦船のメンテナンスや補給を主に担当しますが、私は部隊運用の企画調整や訓練業務立案をしていました。そして装備課程に進み、艦艇開発隊へ異動。そこで、運用武器のための実用試験で主担当業務や武器の制式化を担当しています。

その後、市ヶ谷の情報本部に異動し、結婚等環境の変化もあり、最終的に1尉で退職しました。退職後は、食品系ベンチャーのオイシックス社や人材系ベンチャーのジェイブレイン社等で勤務し、出産を機に、子育ての地域内で相互支援を進める企業の手伝いと2019年にキャリアコンサルタント事業を立ち上げ、その代表に就任しています。

同時にNPO法人神奈川県子ども支援センターの立ち上げに参画し、現在は事務局長とキャリアコンサルタントのパラレルキャリアで活動をしています。

ーーまず大変興味があるのですが、「NPO法人神奈川子ども支援センターつなっぐ」はどのような活動されている組織なのでしょうか。

新井さん:虐待、性虐待、いじめ等を受けた子ども等被害者に対して、関係機関と連携しながら子どもの権利を擁護し被害の回復に寄与することを目的としたNPOです。

そうした身体的、精神的虐待を受けた被害者は、現在、傷ついた身体と心のまま、自らさまざまな場所に赴いて自分で行動を起こすことを要求されます。

諸外国では、性被害への対応として、一つの場所に行けば、すべてのサービスを受けられるような、幅広い機関が連携を取るワンストップのセンターが作られており、日本においても、同様に性被害を受けた子どものために組織運営されたNPOになります。

被害児が、中立的な医療機関で、子どもに負担の少ない司法面接や系統的全身診察により、権利擁護のための手続きやサポート身体的、精神的なケアもワンストップで対応が受けられる、子どもを中心にした子どもに優しいセンター運営をモットーにしています。

ジェンダー課題解決から防衛大学校を目指した学生時代

ーー被害を受けた子供にとって大変必要な取り組みですね。そうしたパラレルに精力的に活躍している新井さんですが、自衛隊に入隊された背景と在職時の職務内容を教えていただけますでしょうか。

新井さん:自衛隊は防衛大学校から入っています。防衛大学校女子の4期生なんですよね。中学からジェンダー問題に関心を持っており、私たちの時代、今ではあまり考えられないような男女間の待遇の差がありました。

たとえば、学級委員長は男性で副は女性のような決まりがあって、なんで女性が長になれないのかとか何かと男性優位な社会構造に疑問があり、そこに横串をいれたい気持ちをずっと持っていたんです。

女性が社会で活躍するにはさまざまなハードルがある時代だったのですが、そうした中、対等な立場で仕事ができる場所として自衛隊に関心を持ちました。

もともと母が教師をしていたため、そこも考えていたのですが、ジェンダー格差是正をしたい気持ちや正義感から、地元の地方協力本部へ訪問したところ、陸海空全ての研修を受けさせてもらったんです。

完全なる男社会だし、まだまだ女性活躍がこれからの組織だったため、防衛大学校へ飛び込みました。その後、在学中もいろいろな迷いがあったものの、自衛隊に入隊しました。

入隊時は、防衛大学校在学中にした膝の怪我が原因で、同期と一緒に遠洋練習航海には行けず、部隊に残りました。

ただ、結果的には、1年後、後輩と一緒に遠洋練習航海に行けたので、むしろ知り合いや繋がりが広がり、結果的には良かったなと思っています。

人との繋がりが多くあればあるほど、繋がっていると互いの人生が豊かになると思いますし、社会に出てからもいろいろとネットワークが広いことが助けになっています。

また部隊では、艦艇装備幹部で、造修補給所の企画調整課へ勤務したり、専門課程修了後は艦艇開発隊に配属になり、誘導武器課で実用試験や装備認定試験の主担当をしていました。

一通り開発隊で経験を積んだのちに、情報本部へ異動。情報分析の仕事をしました。

ーー武器開発にも携わっていたんですね。自衛隊在職中の思い出やエピソードはどのような経験がありますか。

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