見出し画像

ゲーム序盤の難易度と楽しさを伝えること

Unity1週間ゲームジャム(unity1week)という短期間でゲームを開発するイベントがあります。
自分は前回このイベントにゲームを投稿しましたが、今回はプレイ(評価)だけの参加でした。
毎回のことながら、短期間で作られたゲームなのに、たくさんのアイディアと楽しさが詰まっていると感心します。

しかし、遊ばせて頂いたなかで、優れたアイディア、面白いゲームなのにそこを体験する前にプレイを止めてしまいそうなものがいくつかあり、非常にもったいない!と思いました(1週間で調整しきれないのは重々承知してますが…)

unity1weekに限らず、少しでもゲーム開発のヒントになればと思い、ゲーム序盤の難易度について基本的な考えをまとめたものを書いてみます。

ゲームプレイの段階

コンピュータゲームといっても、ほとんど眺めるだけ、読むだけのものなど色々な形態があり、それぞれ魅力はありますが、今回はなんらかのルールがあってその中で遊ぶものについて考えます。

多くの場合、ユーザー体験は、以下の3つの段階があると考えています。

  1. ゲームのルールを理解する、ゲームの楽しさを理解する段階

  2. ゲームに慣れながら、本格的に楽しむ段階

  3. ゲームの最後またはエンドコンテンツを楽しむ段階

ここで、1の段階=チュートリアルという定義ではありません。
チュートリアルはルールや操作方法を説明するという意味が強いと思います。そこはできるだけ少なく、できるだけプレイ中に覚えるように、というような話はたくさんありますので、ここでは詳細を割愛します。

ここで大切にしたいのは、「ゲームの楽しさを理解する」という部分です。

例えばスイカゲームなら、「ルールを理解する」というのは、フルーツを落として同じものを2つ合体させると次のフルーツになること。
「楽しさを理解する」というのは、フルーツの動きが予測できそうでできなくて、それでもうまくいったときに楽しい!と感じること。

このゲームは溢れて失敗するまでには、うまくいったりいかなかったり、その楽しさが自然と伝わります。

序盤が難しいと

仮にですが、みかんとリンゴが接触したら失敗というルールがあったらどうでしょう。まあルールとしても意味が判りませんが、爆弾とたいまつのように説得力を持たせ、そのルールが理解されたとします。でも避けるコツが判らないままゲームオーバーになると、やはり理不尽に感じます。すると面白さは十分に理解されないままゲームを辞められてしまうでしょう(調整次第かもしれませんが)

ゲームオーバーのようなネガティブな感情を与える前にしっかりと面白さが伝わっているでしょうか?
ここの難易度は離脱者が出ないよう丁寧に作っていただければと思います。

どのように作る?

ルールも面白さもすぐに理解できるシンプルなゲームは素晴らしいですね。でも簡単なゲームばかりが良いという話ではありません。

体験型のチュートリアルでルール説明しながらすでに楽しみ方も判るものは1つの理想です。

もっと複雑なゲームであれば、全てを説明したうえで楽しんでもらうことは難しくなります。その場合はシンプルな遊びで楽しんでもらってから、段階を分けて複雑な遊びを楽しんでもらうのも手です。

昔のゲームであれば、例えばドラゴンクエストII。パーティプレイが今ほど(子供など一般の人のなかで)当たり前ではなかったため、2人目を仲間にする前に1人の主人公で遊ぶゲームで、そこだけでも楽しめる構造になっています。

難しいゲームを否定する話ではありません。難しいと感じるまでに(もしくは同時に)ゲームの楽しさが伝わるか?がポイントです。シリーズの楽しさを知っている人だけをターゲットにするなら気にする必要はないでしょう。

作り方のコツとしては、初めてゲームを遊ぶ人がどう感じるのかを頭の中で順を追ってシミュレートすることです。これは難しいことですが、誰かに遊んでもらえるなら、初めて面白いと笑顔になってくれるところまで嫌な思いをしないかを確認すると良いと思います。

なお、少し脱線しますが、順を追ってシミュレートすることは難易度調整以外でも大事ですね。ゲーム内容やシナリオでお客さんにどう驚いてもらうか、楽しんでもらえるか。オープンワールドのような自由なゲームでも、多くの人が体験する順序はありますし、個別パートでも順を追ったお膳立ては必要になります。ゼルダの BotW、TotK はこの辺りも丁寧に作られています。

最後に

ルールをうまく教えることも大事ですが、面白さをうまく伝えること、それまでは難しいと感じさせないこと、ここにも少し気を配って開発して頂ければ幸いです。

逆にそこが不十分なゲームこそ YouTuber, VTuber の出番かもしれませんね。

2の段階の難易度については、また機会があれば。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?