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養殖サーモンにはアニサキスなどの寄生虫はいないのか?

味に自信ありのSmoltの桜鱒。焼いたり蒸したり様々な調理で召し上がることができますが、暑いこの時期にはやっぱりお刺身でも楽しみたいですよね。

でも生魚と言えば寄生虫が心配……
生でも食べられるの? 冷凍しなくても大丈夫?
今回はそんな疑問にお答えするために、Smoltの桜鱒に寄生虫の心配はないのかについて詳しく解説していきます!

海の魚を食べるときに気を付けたい、アニサキス

まずは実際の寄生虫被害でよく見られる要注意の寄生虫についてご紹介します。
寄生虫といっても海水魚と淡水魚では種類や症状が異なります。
海水魚に寄生する寄生虫で最も有名で事例が多く、危険なのがアニサキスです。
有名なので名前を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。

その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス成虫はクジラやイルカ等の海生哺乳類の胃に寄生しており、そこから糞便に混じって卵が海中に放出されます。
アニサキス幼虫は卵を食べたオキアミなどの甲殻類の中で生まれ、
その後それら甲殻類を餌とするサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
アニサキス幼虫が寄生している生鮮魚介類を生(不十分な冷凍又は加熱のものを含みます)で食べることで、 アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。

主な症例
◆ 急性胃アニサキス症  
食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。
◆ 急性腸アニサキス症
食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。

参照元:厚生労働省、アニサキスによる食中毒を予防しましょう


川魚を食べるときに気を付けたい、顎口虫(がっこうちゅう)

淡水魚において一番注意しなければならないのは顎口虫という寄生虫です。
顎口虫は幾つかの種類に分けられますが、特に有棘顎口虫は内臓や脳に侵入することがある危険な種なので、注意が必要です。

顎口虫(Gnathostoma spp.) 線虫類

顎口虫の特徴
 透明、内臓は乳白色

剛棘顎口虫
 大きさ:体長約0.6ミリメートル
 寄生場所:輸入ドジョウ

ドロレス顎口虫
 大きさ:体長3ミリメートル以上
 寄生場所:ヤマメなどの渓流魚やマムシ

日本顎口虫
 大きさ:体長約2ミリメートル
 寄生場所:日本産ドジョウ

有棘顎口虫
 大きさ:体長3から4ミリメートル
 寄生場所:ライギョやナマズなどの内臓

ヒトへの影響
 顎口虫はヒトの体内では成虫になれないので、幼虫のまま皮下を移動します。
 幼虫の移動に伴い、皮膚の腫脹やみみずばれ等が起こります。
 まれに、幼虫が眼の疾患でみつかることもあります。
 有棘顎口虫は、時には、内臓や脳などに迷入することもあります。

寄生している主な魚介類
 ドジョウ、ヤマメなどの渓流魚、ライギョ、ナマズ(幼虫)』

参照元:東京都福祉保健局 食品衛生の窓


これらの寄生虫にあたらないためにはどうすれば良いのか?

今回ご紹介したのはアニサキスと顎口虫の二種類ですが、多くの場合、寄生虫は十分な加熱もしくは冷凍によって死滅します。
ただ寄生虫によって必要な温度、時間が異なるので注意が必要です!
アニサキスの場合は、『60℃以上での1分の加熱、もしくはマイナス20℃以下での24時間の冷凍』、顎口虫の場合は、『60℃以上での1分の加熱、もしくはマイナス20℃以下での5日間の冷凍』が必要になります。
お魚を食べる時はしっかりとした冷凍管理と加熱処理を心がけましょう!


寿司屋のサーモンはなぜ刺身で食べられるのか?

ここまで寄生虫の種類や恐ろしさ、その対策について解説してきましたが、では何故寿司屋などで提供されるサーモンは刺身で食べられるのでしょうか?


実は寿司屋で出されるサーモンは、基本的にノルウェーやチリで養殖されたものが多いんです。
この”養殖”というのが肝になっています。
寄生虫は通常、餌を通じて魚に寄生しますが、養殖サーモンはイワシなどの原料を圧縮・加熱したものを餌としているので、例え、いたとしても製造の過程で寄生虫は死滅してしまうんです。
寄生ルートが無ければ、当然寄生虫がいる心配はないですよね。
こういった理由から、養殖サーモンに寄生虫がいる可能性は限りなくゼロに近いと言うことができます。


Smoltの桜鱒は安全!?

ではSmoltの養殖桜鱒は安全に生で食べられるのでしょうか?
まず桜鱒という魚は、ヤマメが海水に適応した姿のことを指します。ヤマメの時は淡水内で生息し、桜鱒になると海水に出ているため、先ほど紹介したアニサキス、顎口虫のいずれも寄生が可能です。
つまり天然の桜鱒は寄生虫がいる可能性が極めて高いので、生では食べることはできません。
しかしSmoltの桜鱒は、完全養殖による安全な餌を使用しています。

先に説明した通り、寄生虫は餌を通じて寄生しますが、Smoltの桜鱒にその寄生ルートはありません。
つまりSmoltの養殖桜鱒に寄生虫に寄生されるリスクは低いと言えます。


まとめ

今回はSmoltの桜鱒に寄生虫の危険はないのかについての紹介でした。


結論としてはSmoltの桜鱒は安全な養殖サーモンということでしたが、スーパーなどで購入するお魚を冷凍・加熱処理する重要性についても知っていただけたかと思います。
特にアニサキスは目を凝らせば目視でも確認できるので、一度探して実際に見てみても良いかもしれませんね。
そしてSmoltの桜鱒と見比べてみれば、その安全性を自分の目でも確かめられるかと思います。

暑い夏の今こそ、川と海を感じられるSmoltの桜鱒をお刺身でいかがでしょう?


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