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ヲタク10年目の #いい推しの日

11月4日。Twitterから "ふぁぼ" が消え、"いいね" になってから8年。
最近では「いい推しの日」なんて言われていたりもする。

「いい推しの日」なんて昔は言わなかったような気がして、ふとTwitterを検索してみた。
初出としては2011年のツイートが存在するが、件数多く投稿されるようになったのは2017年くらいという印象であった。

そんな11月4日、個人的に推し活をしていてちょっとした記念日が重なっている日らしい。
具体的には、推し活を始めるきっかけとなった現場のデビュー日であり、今の推しの加入が決まった日である。

「推し活」と一口に言っても、今となっては幅広い「推し」がもてはやされている時代。

推し(おし)とは、主にアイドルや俳優について用いられる日本語俗語であり、人に薦めたいと思うほどに好感を持っている人物のことをいう

推し - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A8%E3%81%97

Wikipediaで「推し」という記事を見ると、発端はやはりアイドル界隈から来ているらしい。

自分も何の推し活をしているかと問われたら、多分「アイドル」って答えるような生活をしている。いわゆる「アイドルヲタク」にくくられる類だろう。
そんな生活をするようになって、早いもので10回目の11月4日らしい。

そんなタイミングなので、自分なりの推し活の歴史を書き連ねてみる、そんな記事。


推し活の起源

最初の推し

「人生で最初の推しは誰ですか?」
ヲタクをやっていると、たまに聞かれることがある質問。

自分にとって、初めて「推し」という感情を抱いた相手は、テレビの中だった。

NHK教育(現 Eテレ)で放送されている「天才てれびくん」シリーズ、通称 "天てれ"。小学生のころ、毎日のように見ていた番組であり、今年(2023年)で放送開始30周年を迎える長寿番組である。

当時は「天才てれびくんMAX」という番組名で放送されており、そこに登場する同年代の「てれび戦士」たちが自分にとって、おそらく最初の「推し」だった。

2023年に開催された "天てれ展" での一コマ

現場活への転換

2009年、番組内企画として天てれの音楽コーナー「MTK」をベースとする全国オーディションが開催されることになった。

MTK全国オーディション2009」 と呼ばれたこの企画を経て結成されたのが、5人組ダンス&ボーカルユニット「Dream5」である。
2009年11月4日にCDデビュー、2016年に活動を終了するまで7年ほど活動していた。
おそらく、世間的には「"ようかい体操第一"を歌っていた」、「高野洸や大原優乃などが所属」と言ったほうが通じるかもしれない。
Dream5がどんな活動をしていたかの解説はWikipediaに譲るとして、何はともあれこのDream5が自分にとって初めての「現場」を与えてくれた存在である。

2013年、諸事情により天てれを見なくなって数年が経っていたある日、テレビを観ていて久しぶりにDream5の存在と再会する。
気がつけば天てれが新シリーズとなっていたこともあり、このころにはDream5は番組の枠を卒業し、1アーティストとしてライブやイベントなどを行うようになっていた。

当時の規模感としてはCDをリリースすればオリコンウィークリーチャートのTOP10に入り始めたようなころで、その度にリリースイベントが各地のショッピングモールなどで行われていた。
再会直後はいろいろとインターネットや動画サイトを見漁って情報を集めたり、メンバーが更新するブログを読んだり、当時としては先進的だったワンマンライブの生配信などを観ながら推し活をし始めていた。

年が明けて2014年、たまたま比較的地元に近い場所でリリースイベントが行われることを知り、初めて「現場」に足を運んだ。

2014年始のできごと

一度生でライブイベントを体感してしまうと、そこから先に待ち受けているのは深い沼だったことは想像に難くないであろう…。行けそうな範囲でイベントがあるとなれば参戦を試みるようになり、気づけばワンマンライブなどにも積極的に参戦するようになっていた。

"いわゆるアイドル"

アイドルの推し

2016年4月、結成からずっと5人で活動してきたDream5のメンバーの1人が卒業することとなり、5人での最後のワンマンライブが開催された。
「LAST ORIGINAL FIVE」と題されたこの公演で、初めて推しのグループからの卒業を経験することになった。

そんな初めての卒業公演を経験してから2ヶ月ほど経っていた6月、Dream5とも合同イベントなどで共演する機会が多く気になっていたアイドルグループ「SUPER☆GiRLS」(通称:スパガ)に、3期メンバーが新たに加入することを知った。

Dream5のユニットとしての活動はぶっちゃけ前述の4月以降止まっていて、Dream5現場で仲良くしていた同志たちも少しずつ別の現場に分散しはじめていたころだった。
高校生で絶妙に休日を持て余していた当時の自分は、そんなスパガ3期のイベントがあると知り、気づけばその会場にいた。

SUPER☆GiRLS 新メンバー夏の強化合宿 〜初陣~

前述の通り、Dream5の現場に通っていた頃に合同イベントでスパガのライブを観たことはあったが、いわゆるアイドルのイベントに主体的に参戦したのは初めてだった。

新メンバーのミニライブを観て、その日は特典会には参加せずに会場を後にしたのだが、気づけばスパガ3期の中に気になるメンバーができていた。
同い年で3期を率いるような立場にいた木戸口桜子ちゃん、そして3期の中で唯一ストリート生(研究生)出身ではなかった石橋蛍ちゃんである。

その後しばらくは、"頻繁に通う" というほどではなかったが、リリースのたびにリリイベにどこかしら出向いてミニライブと特典会に参加したり、翌年には3期のワンマンツアーがあったりしてそこにも参戦したりと、スパガのヲタク、アイドルヲタクとしての一歩を踏み出しはじめてしまっていた。

推しの活動休止

気づけばDream5の活動が2016年の末に正式に終了し、現場活としてもスパガ一本になって、個人的にスパガを追い始めて3作目のリリース期間を迎えていた頃。

推していた3期生の一人である木戸口桜子ちゃんが、活動を休止した。

いつも木戸口桜子を応援して頂き、誠にありがとうございます。

木戸口桜子ですが体調不良により、本人と協議を重ねました結果、当面の間活動を休止させて頂く事となりました。

『木戸口桜子活動休止のお知らせ』(2017/04/17)
https://supergirls.jp/news/detail.php?id=1048477

当時、ライブの特典でツーショット撮影希望メンバーとして選ぶくらいにはモチベーションが上がっていたので、正直わりと衝撃が大きかったのを覚えている。

メンバーの活動休止が発表されてもスパガとしては変わらずリリイベやワンマンを行ったりフェスなどに出ていたりしたが、個人的に受験期だったことや推しが一人不在でモチベーションが停滞したのもあり、しばらく基本的に現場に行かずに在宅の日々を過ごしていた。

そして2017年9月末、再び会える機会は叶わないまま、木戸口桜子ちゃんがSUPER☆GiRLSを卒業した。

"新メンバー"から"中間管理職"になる日

若干推しロスを引きずりながらも、あっという間にカレンダーは2018年になっていた。

当時の自分は石橋蛍ちゃんを推しとして据えつつも、身の回りの環境が少し変わったりもして、リリイベやワンマンにたまに顔を出すくらいのペースで現場活をしていた。

そんなある日、SUPER☆GiRLSの4期メンバーオーディションの実施が発表された。スパガ結成時以来の一般公募オーディションである。

そしてそのオーディションの最終審査が、5年前の今日、2018年11月4日に行われている。

3期加入とともにスパガを追いはじめ、ずっと眺めていた自分にとって「4期が新メンバーとして入ってくること」すなわち「3期が"新"メンバーじゃなくなる」ということが、初めての体験であり期待と不安を感じたのを覚えている。

そしてそんなタイミングで1期が全員卒業、2期も1人を残して卒業することが決まり、一番の先輩が2期の渡邉幸愛ちゃん、そしてもうその次は3期、という体制で4期を迎え入れるという状態になった。蛍自身も個人配信などで「中間管理職になってしまう」といった趣旨のことを言って少し不安そうにしていたのが忘れられない。

2018年12月、4期メンバー7人がスパガに加入。翌月に先輩メンバーの卒業公演を終え、正式にSUPER☆GiRLS第4章としての活動が始まった。

4期メンバー加入時に配布されたメンバー一覧のチラシ

ちょうど自分としても大学生になって少し余裕が生まれてきたころ…気づけば毎週のようにスパガ現場活をするようになっていた。

時代が平成から令和に切り替わっていく中、リリイベやワンマンはもちろん、バイト終わりに少し無理して個別特典会に直行したり、フェスのために夜行バスに乗って遠征したり…

ある意味充実したヲタ活をしている間に、気づけば2019年が折返しを迎えていた。

活動休止、ふたたび

アイドル界の夏の大型イベントの一つ、TOKYO IDOL FESTIVAL 2019が終わって数日経ったある日、それまで毎日のように更新されていた推しのブログ・Twitterの更新が止まった。

本人・家族と相談した結果、治療に専念できるように症状を公表し、関係する各所との相談・協議の上、今回の発表をさせていただくに至りました。

石橋蛍の今後の活動に関してですが、まずは本人の回復を最優先とさせていただき、改めてご案内をさせていただければと思います。

引き続き、石橋蛍ならびにSUPER☆GiRLSの応援を何卒よろしくお願い致します。

『石橋蛍、活動休止に関するお知らせ』
https://supergirls.jp/news/detail.php?id=1076298

推しがおやすみすることになった間も、なんか推しの居場所というか、もし帰ってきたくなったときに帰ってこれるところがあったらいいなと勝手に思ったりもして、スパガ現場には変わらず参戦していた。(純粋に熱量が抑えきれなかったのかもしれないけど。)

推しがおやすみしているのに現場に居続けたのが正解だったのかは正直なところ未だに分からない。
流石に同担を現場で見かけることは減っていたし、色々な言葉・視線を受けることもあったりもした。

それでも、メンバーや他のヲタクの皆様があたたかく受け入れてくれていたので、どこか落ち着いている自分もいた。

一推しの卒業

2019年12月30日の昼、石橋蛍ちゃんの卒業が発表された。
卒業日は2019年12月31日。

12月30日はもう年内の現場はすべて納まっていて、午前中にヲタクと"オシバト納め"と称してカードゲームをするべく集まったりして「良いお年を!」と言って解散した直後に発表を知った。

心配してくれた一人がわざわざ解散したのに再合流してくれて少し話をしたりして、自然と心が前向きになったのを覚えている。

そこからの残された1日半をどう過ごしたのかは…当時Twitterモーメントにまとめていたのでそちらに譲るとして…
https://twitter.com/i/events/1212504679633997825

変わらずに現場に足を運び続けていた中で、「おかえり」が言える日を期待する気持ちもありつつ、心の中ではどこか覚悟していたところもあった。

寂しさはあるけど、悔いはあまりない、というのが正直な気持ちだった。

最後に推しのフィーチャーポスターを見送った日

推しが今日もどこかで元気に過ごしているなら、それでいいじゃん、と

時代の変化

コロナ禍の到来

一推しの卒業を迎えると同時に、気づけば2020年になっていた。
スパガとしても次作のリリースイベントが始まろうとしていて、ゆるゆるとまあ見守っていくか~なんて思い始めていた矢先…COVID-19の流行が国内でも始まり、イベントなどがどんどんと中止・自粛の流れになっていった。

それまでのようなライブ・イベント・特典会などができる状態ではなく、無観客配信ライブ・ZOOMなどを利用したオンライン施策が生み出されていく中で、「今の状況でできることを楽しもう」という気持ちと「この制約がなかったころの楽しかった記憶」の狭間で葛藤していた。

推し活以前にそもそも日々の生活すら様々な制約が発生して慣れない生活を強いられていく中で、少しずつ自分のメンタルも抑圧されていくのを薄々感じていた。

そんなコロナ禍での生活環境になって少し経った頃、スパガでは門林有羽ちゃんの活動休止が発表される。

少し前から体調不良が続いておりました。コロナ禍の今だからこそ、みなさんに元気をお届けしたいとの想いがあり、様子をみながら活動を続けてまいりました。しかしながら先日の診療で医師より一定期間の治療、療養が必要と診断されたため、本人と協議を重ねた結果、現時点では仕事に対し全力で取り組むことが難しいとの判断に至り、療養に専念させていただくことになりました。

『メンバー門林有羽についてのご報告』
https://www.supergirls.jp/news/detail.php?id=1083478

そんな環境の中でも月日は流れ、夏フェスの時期などにもなっていったが…当然それまでのような大規模なフェスなど到底できる状態ではなく、有観客ライブすらもままならないような状態で、あっという間に夏が過ぎ去っていった。

キセキのような眩しい光

あまり充実した趣味活もできないまま、気づけば秋の気候になり、大学の授業などもオンライン実施がこなれてきたころ。

門林有羽ちゃんが復帰。同時に、スパガとしても有観客ライブの再開や、アルバムや写真集の発売などが発表された。

ヲタクとして、2020年に入って止まっていた"時"が少しずつ動き出したような、そんな感覚が生まれていた。

それに加えて、(状況はそれぞれ違うとはいえ) 活動休止していたメンバーが元気なってくれたこと、スパガとして戻ってきて活動を再開してくれたことが、なにより素直にとても嬉しかった。

この時点でコロナ禍に入って半年ほど。有観客ライブが少しずつ再開しはじめて、ZOOMやチェキチャなどのオンラインコンテンツなども活用できるハイブリッドな時代に突入していった。

2021年春にはスパガとしても対面でのリリースイベントが復活。ようやくコロナ前の現場活が少しずつ復帰していった。

ソーシャルディスタンス

2021年6月、スパガのヲタクとして迎える5回目の結成記念月。

コロナ禍を乗り越えて無事に結成記念のワンマンライブが行われると同時に、4章の間リーダーを務めていた幸愛ちゃんが卒業して、第4章が区切りを迎えた。
同時に新メンバーとして5期3名が加入し、2年ぶりに夏曲表題のシングルリリースが発表された。

そして迎えた、2年ぶりの夏曲リリースイベント初日。それまで通りふらっとリリイベを見に行こうかと思っていたが…

そこに自分の姿はなかった。

自宅待機期間、である。

コロナ禍に入り1年以上が経っていたとはいえ、まだまだ感染拡大の波は収まっていなかった。
幸い自分自身は検査の結果は陰性ではあったが、同居者が全員陽性となったために自宅待機せざるを得なかった。

そのような状態になってしまった以上はそもそも趣味活どころではないが、待機期間的にも予定されていたリリイベなどの現場が全て待機期間と被ってしまっていた。

ヲタクのモチベーションとは元来難しいものだが、物理的距離の確保をきっかけに、気づいたら心理的な距離…モチベーションの低下が生まれていた。

自分の中では4章に入ってから特に頻繁にスパガの現場活をするようになり、とはいえコロナ禍の影響もあったりもして、気づけば色々と思い入れが深い章になっていた。そんな章が区切りを迎えることに少し寂しさも覚えながらも、引き続きゆるゆると見ていこうかな~と思ったりしていた矢先のこと。

それまでの推し、推し活のことを考え始めてしまったりもして、たまにリリイベやライブなどに顔を出してはいたものの、一時期ほどのペースではなくなっていた。

時間が解決してくれること

時は流れて2023年1月、SUPER☆GiRLSに6期5名が加入。
フレッシュな新メンバーが5名も入ってきたそのお披露目ライブをちょうど現地で見ていた。

そして、お披露目される5人の新メンバーを見ながら、どこか3期生の思い出を重ね合わせてしまう自分が居た。
何より、ずっと某タイミングから不在だった"緑"ポジションが加入したことが自分の中で大きかった。

前述の緑の推し卒業以降、「寂しさはあるけど、悔いはあまりない、というのが正直な気持ちだった」とは書いたものの、どこか空虚感というか寂しさというか、不思議な気持ちを引きずったまま気づけば4年近くが経とうとしていた。

リリイベなどに少しずつ通いながら迎えた7月、6期生の緑色担当である櫻井陽夏ちゃんの生誕ソロライブが開催され、自分も現地に足を運んでいた。

様々な楽曲や演出が繰り広げられる中、とある楽曲がパフォーマンスされる。

2019年リリースの石橋蛍フィーチャー曲『感情キャンバス』。

ワンマンライブなどでは流石に披露されることは無かったものの、2022年に田中想ちゃんが生誕イベントで披露したりはしていて、一つの楽曲として歌い繋がれていくのはありがたいな~とは思っていた。
しかし、個人的には2019年当時の様々な記憶が蘇って色々な気持ちが出てきてしまい、素直に聴くことができなくなってしまっていた一曲でもあった。

そんな中で、緑のメンバーが緑のフィーチャー曲を歌う姿をみて、不思議と自分の中で2019年から引きずっていたものがようやく成仏していったような気持ちになっていた。

ぼくたちの現在地

気づけば2023年も終盤。

自分の中でスパガの入り口だった3期メンバーも気づけば阿部夢梨ちゃんのみとなり、そんな夢梨ちゃんも年末に卒業を控えている。

現場活をするようになってほぼ10年、変わらずヲタクとして趣味活をしており、昨日も気づけばアクアブルーを身にまとってスパガ現場に足を運んでいた。

こんなことを10年近くも続けていると色々なことがあったけど、なんやかんや楽しかったなぁとは思えているので、きっとまだしばらくは現場活してるんだろうな…。

推しをリアルタイムで推すことができる状況に感謝して、今日も一日を過ごしていきたい…


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