みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今日は12月にしては比較的暖かったです。ただ来週はグッと冷え込むようなので体調崩さないように注意していきたいですね。

今回は世界の平均賃金という統計があり、日本を含めた各国がどうなっているのかお話したいと思います。

OECD加盟国の平均賃金のグラフになります（2020年）

平均賃金は、国民経済計算に基づく賃金総額を、経済全体の平均雇用者数で割り、全雇用者の週平均労働時間に対するフルタイム雇用者1人当たりの週平均労働時間の割合を掛けることで得られます。この指標は、2020年を基準年とする米ドルと購買力平価（PPP）で表記されます

右から順に高額となり、青色がOECD平均で、赤色が日本となります。

見ずらいので書いていきます。単位 米ドル（）日本円1ドル＝113.40円換算

1位 米国　69,392（7,869,053）

2位 アイスランド 67,488（7,653,053）

3位 ルクセンブルク65,854（7467,844）

4位 スイス64,824（7,351,042）

5位 オランダ 58,828（6,671,095）

11位 ドイツ 53,745（6,094,683）

OECD平均　49,165（5,575,311）

14位 イギリス 47,147（5,346,470）

17位 フランス 45,581（5,168,885）

19位 韓国 41,960（4,758,264）

22位 日本 38,515（4,367,601）

となります。日本は韓国よりも劣っています。

その一方で日本の平均賃金（給与）の推移も見ていきましょう。

最も高かったのが1994年の465万円となっており、26年後の2020年が436万円と下がっているのは驚きです。

要因としては長引くデフレ等があげられます。yahooの記事から

実質賃金とは労働者が受け取った賃金に物価変動の影響を加味したものです。350mlのオレンジジュース100円の時代と200円の時代で、20万円を受け取った場合で重みは違います。その重みを加味したものです。スウェーデンは138.4、オーストラリアは131.8、経済大国アメリカも115.3と1997年の水準を軽々と上回っている一方、日本だけが89.7と下回っています。

物価が順調に上昇する他国に比べて、日本だけが下落しています。

大きく3つの要因があるのだそうです。

1つはデフレが長引いて企業の投資機会が失われていること。もうひとつは雇用のミスマッチが広がって中間層が消えつつあること。そして、賃金交渉力が他国に比べて弱いことです

具体的には、

所得格差の広がり

日本の平均給与を世代別で見ると、25歳から29歳は365万円、30歳から34歳は439万円となっていますが、この世代の所得格差が今後さらに広がるものと予想できます。

若い世代の貧困化ということでしょうか。

資本規模による差

事業所が29人までの会社の平均給与は433万円ですが、5000人以上になると637万円（47.1％増）まで上がります。事業所の人数と平均給与額は相関性があります。同じく、会社の資本金額でも給与は変わります。資本金額が高いほど、給与も高くなるのです。

大企業が安泰で、中小・零細だと苦しいということでしょうか。

業種による差

業界によっても給与額は異なります。専門知識が必要な化学工業や、営業力や知見がものをいう金融保険・不動産業は高い傾向があり、農林水産・鉱業、繊維業、卸小売業は低い傾向があります。

業種での格差というのは他国でもありそうです。

馴染みの薄い賃金交渉

入社時に会社と賃金交渉したかに対する回答を各国で比較したものがあります。「会社から提示された額で合意した」との回答は日本が62.0％でトップ。次いでアメリカは28.0％、デンマークが24.8％でした。　一方、アメリカは「自分から希望額を伝え、それがかなった」との回答が31.9％でトップです。デンマークは「会社から額を提示された後に、自分の希望を伝え、それがかなった」が23.6％でもっとも多くなっています。

雇ってもらえるのだから、とりあえず我慢しようというケースが多いのでしょうか。

長引く不況だけでなく構造上の問題や価格交渉ができない立場にあるといったことが、平均賃金があがらない原因で、こういった問題に国が主導で取り組んでいかないことには、今後世界との差はどんどん広がっていくことになるでしょう。

以前、日本の消費者物価が上がらないことが少子化の要因になっていると書きましたが、賃金が上がらないこよも同じことだと思います。

それではまた。