Quiviraフォントにおけるギリシャ系文字

画像1 2月9日は国際ギリシャ語の日です。今回はAlexander Langeさん作成によるフリーフォントであるQuiviraフォントによる各種ギリシャ系文字に関することをまとめます。各種古代ギリシャ系文字をセリフ書体で調和させているのが芸術的です。
画像2 ユニコード4.0までコプト文字がギリシャ文字と統合されていた時期のコプト語ギリシャ文字と、ユニコード4.1以降で使用可能となったコプト文字との対照です。Quiviraフォントにおけるコプト小文字はキリル文字小文字に近い形状となっています。コプト語ギリシャ文字におけるシグマ《Σ・σ・ς》は本来のコプト文字シーマ《Ⲥ・ⲥ》に合わせたルネイトシグマ《Ϲ・ϲ》が標準字形です。
画像3 ギリシャ文字➡️古イタリア文字➡️ラテン文字の字形の変遷です。古イタリア文字ZE《𐌆》は斜めに傾いた字形となっていて、他の古イタリア字母も旧来の字形をセリフ書体で表したものとなっています。シータに対応するラテン大文字ミドルチルド付きオー《Ɵ》の小文字はギリシャ文字シータ《θ》となっています。フェニキア文字はポエニ文字に近い字形となっています。
画像4 オスク語ギリシャ文字とオスク文字の対照です。オスク語ギリシャ文字翻字では三省堂・刊『言語学大辞典(別巻)世界文字辞典』でシグマの派生字としてラテン文字トーン2《Ƨ・ƨ》に似た古イタリア文字EF《𐌚》[f フ]に対応する小文字が見られ、ユニコードではコプト文字HORI《Ϩ・ϩ》と統合されているように思われ、ユニコード4.0までコプト文字がギリシャ文字と統合されていた時期のコプト語ギリシャ文字が再現できるフォントが必要となりそうです。