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のんびりした環境を求めて都会から離島へ ~保育士として暮らす健康的な日々~

沖縄県粟国村で保育士として働く髙𣘺さんにお話を伺いました。

—初めに自己紹介をお願いします。

髙𣘺さん:出身は秋田県です。都会への憧れもあり、保育士になるために埼玉県の大学に入学しました。卒業後は地元へは戻らず、埼玉県内の保育所に令和5年までの4年間勤めました。

しかし、その間に都会での暮らしに疲れてしまい、のんびりした環境で働きたいという気持ちが芽生えてきました。また、いつかは沖縄に住んでみたいという思いがあったため、秋田県にUターンするという選択はせず、沖縄県の那覇市で行われた保育士合同説明会に参加しました。

ー最初は沖縄のどこかで選ぶというイメージだったんですね。

髙𣘺さん:はい。でも、説明会に参加した時点では、粟国村で働きたいという具体的な希望があったわけではなく「沖縄のどこかで」という漠然としたイメージだったんです。説明会では色々な幼稚園や保育所の説明を受けましたが、そのなかの1つに粟国村のブースがありました。

行ったこともあり、「粟国村であれば住めそう」と直感的に思いましたし、ブースに貼られていた海の写真がとても魅力的に見えたんですね。それで直感的に、粟国村とのフィーリングが合っていると感じ受験し、平成31年4月に入庁しました。

—最初はフィーリングだったんですね!では、仕事内容について教えてください。

髙𣘺さん:現在保育所には1歳半~2歳児の2名が在籍していて、職員も2名です。入庁した4年前は園児12名に職員3名という体制でしたので、毎年ばらつきがある感じですね。

勤務体制は、早番遅番どちらかの勤務で約8時間労働です。運動会などの行事の前は忙しくなることもありますが、ストレスは感じていません。預かり保育は早番遅番で対応していて、早番は16時45分、遅番は17時15分までとなっています。

3歳児以上は幼稚園の管轄となり、預かり保育は17時30分までです。17名の園児が在籍し、2名の職員で対応しています。親御さんの仕事の影響で、預かり保育の時間を超えて保育をすることは、年に数回程度ですね。

ー今までと違う部分はありますか?

髙𣘺さん:粟国村の保育所は小規模で働き方も柔軟なため、前の職場と比べると子供ひとりひとりと向き合える時間が多いです。都会の保育所は規模も大きく、周囲にあわせることもあります。だからこそ、もっと自分の保育観を出していきたいと感じることもありました。

今は、私の保育のモットーとして「なんでも1度は経験としてやらせてあげよう」という気持ちを持って取り組んでいます。

なお、粟国村の保育所の特徴としては用務員がいないので、デスクワークはもちろん雑務も全て自分たちで行い、保育と交代制で担当しています。週交代なので、保育に全く関わらない週もありますよ。

あと、事務作業で取り扱う書類は全て手書きなので、アナログ文化が残っていますね。役所の申請手続きもすべて書面なため、今後ペーパーレスが進んだらいいな、と思うことはあります。

—では、粟国村の暮らしについても教えてください。どのように移住されたのですか?

髙𣘺さん:粟国村には移住支援などの制度は利用していませんが、住居探しは役場の方に手伝ってもらいました。最初に引っ越した村営住宅は家賃が高かったので、現在は空き家だった一軒家を借り、時間に追われず心穏やかな生活を送っています。

移住後間もない時は慣れなかったですが、野菜をくれたり、島内のことを教えてくれたりするなど、優しい人々との交流も増えてきました20代の同世代は少ないですが、近所の方とは仲良しですし、人間関係も濃すぎることもなく丁度良い関係性です。島内の移動はバイクを使っていますが、歩いてどこにでも回ることができますよ。

ー島外へ出ることもあるんですか?

髙𣘺さん:島内から出る手段はフェリーか飛行機のどちらかです。フェリーは1日1往復ですが、粟国村から那覇方面へ行く時は到着が夕方になるため本島に1泊しなければならず、その点では不便を感じることもあります。私の場合はホテルに泊まりますが、家族や友人が那覇にいて、そこに泊まる方も多いですね。

飛行機は週3便と臨時便があり、那覇空港までたったの20分で到着しますが、料金は高く運べる荷物も限られてしまうので、買い物をする際は片道2時間のフェリーをよく使っています。

歯医者以外の医療機関や、美容院もないので、そのときも那覇まで出なければいけません。台風が来るときには、フェリーが1週間ほど止まることもあるので、引っ越し当初はとくに食料調達に困りました。それでも、普段は島内にある3つの商店で事足りますし、本島に買い出しに行くのも月に1度程度です。

—生活は大きく変わったんですね。

髙𣘺さん:はい、あとは粟国村にはファストフード店がないので、自炊をする機会が増え、結果的にバランスのよい食事が取れ健康的な生活が送れています。自炊する手間は増えますが、残業は少ないので自分のための時間は十分に取れますし。

前の職場では早番・遅番によらず朝7時から夜7時までの最低12時間は職場にいる必要がありましたが、現在は年に数回程度の残業です。ほぼ定時に退社できるので、転職前と比べ就業環境は断然良くなりました。

粟国村での暮らしはお金が掛からないので給与に合った生活ができます。家賃は平均相場が数万円ですし、レジャー費もかかりません。

また、沖縄ではアクティビティをされる方も多く、最近では若い方の移住も少しずつ増えています。有名なダイビングスポットもたくさんあり、自然豊かな粟国村に憧れて移住される方も多いです。

ちなみに私は、のんびりとした粟国村の雰囲気に魅了されました。粟国村のポスターにもなった長浜ビーチまでの朝散歩がお気に入りで、休みの日には日の出を見に行くこともありますし、癒しスポットがたくさんあります。粟国村、本当に良いところですよ。

ー本日はありがとうございました。

この記事は2023年10月3日にパブリックコネクトに掲載された記事です。
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