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驚異の旧キット デストロイド・デイフェンダーを作った

 HGの1/100YF-19でマクロスキットが盛り上がっているが、無事予約できたYF-19を迎えるにあたってイマイのデストロイド・ディフェンダーを作った。
 イマイは倒産したメーカーで、現在金型と発売元はバンダイスピリッツに引き継がれている。

 パッケージデザインも当時品のものが踏襲されているが、再販にあたり40thロゴが入っている。

 パッケージを開けるとカーキ色のパーツ群が目に飛び込んでくる。
 旧キットなので当然色分けはない。まあ元々のディフェンダーもだいたいカーキ一色なので色分けの必要性があまりなく、ここは逆にありがたい。

 驚いたのはクリアパーツが入っていることだ。
 旧キットガンプラだとクリアランナーはだいたい入っていないので、ちゃんとクリア部分がパーツ分けされているのは本当にびっくりした。

 さて、マクロスキットといえば「ガンプラより難しそう」という印象が持たれがちだと思う。
 具体的にはデカール貼りと接着剤の使用が大きい。
 また、ガンプラのようにガシガシ動かしてポーズを取らせるという方向性はあまり洗練されていない印象がある。
 去年ハセガワのアーマードバルキリーを組んだのだが、旧キットのバトロイドバルキリーの上に新規パーツを増築したつくりのため関節がアーマーの重量に耐えられず、ちょっと重心がズレるとイナバウアーしだす難点があった。(造形は本当に素晴らしいと思います)
 その源流にある旧キットになると本当に組み立てが大変……だと思ったので今回はなるべく省エネで作る方針にした。
 成型色でいけるところは成型色でいき、関節の改造などはなしでストレートに組む。
 シタデルカラーやファレホ、ガンダムマーカーEX、ウェザリングマスターといった現代の文明の利器をフルに使って楽をしてお手軽に仕上げたい……というのが方針だ。

 本格的に組み上げ・塗装をする前に仮組みをしてみた。
 パーツの組み立て方はだいたい旧キットガンプラと同じで、ところどころ隙間が出来ていたりパーツとパーツの間の段差がエグかったりするが、造形は当時品とは思えないほどシャープだ。
 合わせ目を隠せば最新キットですと言っても通用するのではないかと思わせるくらい。
 カクカクとした体形と両腕の大砲、頭のタケコプターみたいなアンテナがどことなくユーモラスな印象を醸し出している。
 ズゴッグやアッガイもそうだが、モデル体型のすらっとしたメカよりもこういうどっしりとしてどこか愛嬌のあるプロポーションのメカが好きなんだなと気付かされた。

 ここから塗装・組み立て・デカール貼りまで終わらせたものがこれになる。
 元々のシャープなディテールを活かす方向で作ったので、墨入れとウェザリングをするとかなり化けた感がある。
 塗料はシタデルのアバドンブラックとファレホのリフレクティブグリーンを使用。
 上半身のモールド内部は、インストの作例写真だと黒に塗ってあるのだが、作っている最中に「ここの黒を塗るのはなんの意味があるんだろうか?」と思ってしまったためあえて塗っていない。黒を塗るのがだんだんめんどくさくなってきたからとか言わない。

 クリアパーツは裏側にガンダムマーカーEXのシャインシルバーを塗装したらすごく実感が出た。
 クリアパーツの接着はクリアパーツ用セメダインを使用し、パーツが曇らないよう本体部につや消しクリアーを吹いてから取り付けた。
 中央のレーダー部分はインストだと赤に塗ってあるが、やまと製キットやHi-METALRだとグリーンだったのでそれに倣うかたちに。

 合わせ目のスキマを溶かしたランナーで埋めようとしたら接着剤のつけすぎで白い筋が出来てしまったので、ウェザリングマスターでそれとなく隠している。
 それでもうっすらと見えてしまっているので、ここは一面塗って隠した方が良かったかもしれない。

 元々可動の余地がなさそうなキットではあるが、若干脚とももが曲がったり腰の捻りが出来たりするので旧キットとしてはかなり頑張った方といえるのではないだろうか。

 肩も軸可動だけでなく、ちょっとだけ横に動きます。

 今のキットからすると大変なのは間違いなかったが、旧キットとは思えない意外なポテンシャルの高さとそれをじゅうぶんに引き出せる現代のツールによって、ただはめ込んで終わりではないプラモデルの楽しみを味わうことが出来た。
 大方が成型色でOKなデザインであるため、細やかな塗装は要らないのもハードルを下げている。
 YF-19とは違ってショップに行くとまだ売っていると思うので、旧キットだからと尻込みせずにチャレンジしてみるといいだろう。

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