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3時間だけ見れる光景?東京・野川の桜ライトアップ

異次元空間は、世界のヘンテコを追う同人誌「異次元空間」のオンライン版で、風変わりな場所と構造物の紹介がメインです。

日本の春を彩る代表的な花といえば桜であろう。薄紅色の可憐な花と散るさまの美しさもあって盛んに植えられた桜は、日本各地に花見の名所を作り出した。桜が多く植えられた場所では、花見に適した期間には夜桜見物のためにライトアップが行われていることもある。そんな中、1年のうちたった3時間だけのライトアップが東京の郊外で行われているという。

今回の異次元空間では、東京・野川の桜ライトアップを紹介する。

場所は東京の調布市。ライトアップされる野川は、最寄りの駅でいえば京王線の布田または国領である。いずれの駅からも少し歩く必要がある。

Google Mapには地点として登録されているが、実際には約630 mほどの区間がライトアップされる。

百聞は一見にしかず。これが野川の桜ライトアップである。野川沿いに植えられた桜に沿って配置された照明機材により、桜が美しく演出されている。

桜の頂部まで照らされているおかげで水面に映る桜も美しい。

橋のシルエットと満開の桜。当日は区間内の一部の橋が封鎖され、地域住民の往来を除いて通行できなくなる。

さて、この桜ライトアップの面白いところは二つある。一つは桜の状況と天気の状況をみて2日前に日時が開催が決定されるところ。もう一つは、会社の花見のために勝手にライトアップしていたのが始まりということだ。

旧社屋、野川に咲く一本の桜を従業員の花見用にライトアップしたのが全てのはじまりでした。
株式会社アーク・システムでは、一年に一度、地域住民の方々への感謝の気持ちを込めて、調布に流れる野川の両岸に咲く桜並木の約630mをライトアップ。
闇夜に照らされる桜は幻想的で、今では地域の一大イベントになっており、桜のライトアップを通して照明の素晴らしさを伝えることに加え、地域住民の方との交流も行っています。
株式会社アーク・システム ウェブサイトより

株式会社アーク・システム自体は TVCM、PV、映画撮影等の照明機材レンタル及び製作、販売・消耗品販売を行う会社だそうで、ライトアップのクオリティが段違いなのも納得である。

たった1日、それも日没後の3時間ではあるが、この突発的な桜ライトアップもSNS等で有名になりつつあり、当日の付近は見学者でかなり混雑する。

残念ながらご時世もあり2020年と2021年は中止されているものの、いつかまた美しい桜ライトアップの再開を期待したい。

日本にはまだ見ぬ不思議な光景があるものだ。

余談ながら、デジタルカメラ等で撮影する場合はホワイトバランスを変更することで写真の印象を変えることができる。上二つの写真は同じ箇所からホワイトバランスを赤み・青みの設定で撮影したものだ。

この記事に使用されている写真もホワイトバランスを変えて撮影しているため、肉眼で見る色とは異なることを留意されたい。


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