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転職エージェントが語るCxOとしてのキャリアルート/NewsPicksアカデミア徳谷ゼミDAY3

企業変革請負人、徳さんことエッグフォワード株式会社の徳谷智史氏が率いるNewsPicksアカデミアゼミ「次世代CxOへのキャリアルート」もいよいよ中盤!CxOを目指す受講生24名は圧倒的な成長を遂げるために全6回の講義とワーク、そして交流を通じてCxOに必要な資質やキャリアパス、そして自分自身に向き合い、次に踏み出す一歩を模索していきます。今回はそんな徳谷ゼミ第3回の模様を、ゼミ生のかんさんこと吉田寛さんがレポートします。

視点を外に

CxOとしての素養や自身の価値観・強みなどに目を向けてきたDAY1、DAY2でしたが、DAY3となる今回は視点を外に向け、実際にCxO向けの転職エージェントとしてご活躍されている方にゲストとしてご登壇いただき、CxOとしてのキャリアについて語り合っていただきました。

その前に、まずはテーブルごとにDAY2の振り返りを共有。徳谷ゼミでは、これなくして次への学びはありえません。自分がこの2週間でどんなことを感じ、どんな行動を起こしてきたかを共有し、DAY3での学びに繋げます。

振り返りを終えて、いよいよDAY3のメインテーマの始まりです。

今回ご登壇いただいたのは、「森本千賀子様」「高本尊通様」「岡本勇一様」。いずれもトップエージェントとして非常にご活躍されていらっしゃる方だと伺い、気が引き締まります。

今回は、ゼミ生から事前に質問を集めており、それらを大きく4つにまとめたものをテーマにディスカッションしていただきました。

<テーマ>
・CxOに求められる要素、価値の出せるCxOとは?
・CxOになるためのキャリアパスとは?
・CxO転職の失敗と成功
・CxOを目指す方に必要な思考・マインドセット、行動とは?

お話いただいた内容を全て載せたいところですが、あまりに濃密でここに掲載しきれないため、各テーマでポイントとなった点を抜粋してご紹介したいと思います。

CxOとは「世の中の課題に向き合い、やり切る覚悟を持った人」

最初のテーマ「CxOに求められる要素、価値の出せるCxOとは?」です。
まずは森本さんから、「何を見るか」という点を語っていただきました。

私が会ってきたCxOは、自分自身の市場価値ではなく、世の中にどういう価値を提供するかを見ています。多くのCxOはその想いを持つに至る原体験を持っています。

高本さんからは、ある社長を例に「覚悟」というワードが出されます。

その社長は、当時誰もが思い描いていなかった未来の世界像を描いていた。それを一世一代かけてやると宣言した。覚悟を持って徹底的に向き合い、それをやり切る人がCxO。

さらに、岡本さんからは「悩み事の深さ」という視点が語られました。

CxOは悩み事の深さが違う。どれだけ日本、社会の課題を考えているか。

自身の経験を通して味わった「この世の中のこんなところをどうにかしたい!」という強い想いを持っていることが、自身を動かし続ける原動力としていかに大切か伝わってきます。

管理職は足し算・CxOは掛け算

話の中で、「部長などの(いわゆる)管理職とCxOの違い」についても語っていただきました。

管理職は「~のプロ」自分の持ち場を全うする。
「~だけ詳しい」(特定の分野だけの知識を増やす考え方 = 足し算)
CxOが見ているのはゴール
他の専門分野をいくつか持っている(専門性の掛け算)
サッカーで例えると、攻めも守りもできて、メンバーの采配も考えられる。勝てるチームをつくるのがCxOの役割

多くの人を巻き込んで勝てるチームを作るには、異なる専門領域の人を説得して巻き込んでいかなければならず、そのためには複数の専門性を持っていることが必要とのこと。

DAY1、DAY2でも学んだ「人を巻き込む」と繋げて説明いただき、専門性を複数持つことの納得感が深まります。

CxOになるための一歩は「外に出て人と話す」

次のテーマ「CxOになるためのキャリアパスとは?」に移ります。

ここでは、ゲストの皆様から色々な切り口でお話いただきましたが、大きく2つの観点があったかと思います。

①声に出して言ってみる
自分たち(キャリアアドバイザー)と話す。
我々はキャリアのかかりつけ医。ミーハーでいいので、まずはCxOになりたいと言ってみる。
②外に身を置く
新しいところに飛び込むと、これまでと違う頭の筋肉を使う。
自分より視座の高い人5人で周りを固めると、おのずとそういう(高い視座の)思考になる。NPOなども学びがすごく多い。
今はサードプレイスをいくらでも持てる時代。外に身を置いてみる。

高本さんからは、転職という視点からこんなコメントもいただきました。

転職はしないで済むならそれがいい。しかし、転職活動はしておいた方がいい。その上で、受かった会社と現職を比べて、自分はどうしたいかを改めて考えることで、自分がそのとき大切にしているものが見えてくる。

さらに森本さんからも、外に身を置くことの重要性を偶然を必然に変えるという視点から語っていただきました。

キャリアの8割は偶発に起こったことでしかない。これを必然に変える出会いにすること。アクセラレータプログラムに参加して隣の席の人と話してみると、一緒に企業して数年後に上場しているケースもある。

このテーマでは、徳さんからも「言うことでしか始まらない」とのコメントがありました。

新しい場所に身をおき、声に出す。何か大きなアクションが必要なのではと思っていた人には意外だったかもしれませんが、できる行動からとにかくやってみる、というのが大事なのかもしれません。

「市場性×希少性×再現性」を見極める

話はさらに進み「CxO転職の失敗と成功」というテーマに移ります。
ここで出てきたキーワードは「市場性×希少性×再現性」

市場性
・事業拡大しないと組織拡大もない。
・業界も、大きく見るだけでなく少しミクロで見る。
・年収(フロー)を求める人は失敗する。
・いけてるCxOはキャピタルゲイン(ストック)を求める。
希少性
・自分と同じような人が既にそこにいると、自分の活躍可能性がない。
 (自身の強みを生かせる場かどうか)
・創業者は変わらないので、そことの相性は見ておく。
再現性
・会社のフェーズが変わっても、成長し続けて変化できる人はCxOを続けられる。
・現場とのコミュニケーションも重要
 経営者とだけ話してそこのCxOになる人が多い。
 いざCxOになると現場がついてこないケースがある。
 レイヤーを下げた人とも十分コミュニケーションをとっておく。

自身の強みを生かして、社会への価値提供を広めること(事業拡大)にコミットする(その見返りにキャピタルゲインを求める)。それを単発で終わらせないために、自分も成長を続け専門性の掛け算を増やし、コミュニケーションを取って更に多くの人を巻き込んでいく。

ここまで話されていたことが線で繋がってきました。

CxOは執行者。自己と向き合い、期限を決めて動く

最後のテーマ「CxOを目指す方に必要な思考・マインドセット、行動とは?」について語っていただきました。

森本さん
「CxOは手段。自分は何者か。何をやりたいのか。時間を忘れて夢中になれるものは辛くてもやり抜ける。自分と向き合う。何をやるのか、誰とそれをやるのか。」

高本さん
「まず、今の会社でその道はないかを考える。ステップアップやジョイントベンチャーなどに、アンテナを高くしておく。今はすごくいい時期。景気がいいので。時期を逃すとつらい。」

岡本さん
「そもそもCxOのキャリアとは何か。
 CxOはエグゼクティブ=執行力。キャリアとは生き方・生き様のこと。
 この2つを考える。」

ちなみに、森本さんは、いつも寝る前の15分(1日の1%の時間)に禅をやって自分と向き合う時間にしているとのこと。ポジティブな気持ちで寝ると、朝起きたときハッピーでいられて、直感的に自分がワクワクする方を選ぶようになるのだとか。是非自分も取り入れてみたいと思いました。

このテーマでも、一貫して「何のためにCxOをやるのか」を問われ続けましたが、「期限」の視点が加わったことは興味深かったです。

徳さんも「いつかやりたいは、いつまでもやらない。期限を切ってやること」とコメントをされていました。

**

女性のCxOへのキャリアのつくり方
「自分から手を上げてマイノリティを経験していくことで道を拓く」**

4つのテーマについてディスカッションが終わった後、ゼミ生から女性のキャリアについて質問がありました。

「日本の大企業では女性が管理職へのキャリアをつくっていくことが難しいと感じる。転職した方がいいのかと考えることもあるが、どう思うか」

これについて、森本さんから以下のご回答をいただきました。

女性こそ、CxOを目指すべき。

今は世の中的見てに女性に対して追い風。日本の女性エグゼクティブは0.2%しかいない。逆に女性で管理職を経験していると、どこでもやっていける。

女性の心をいかに掴むかが鍵となるようなモノ・サービスがあふれている。そうなると、女性の視点を生かさない手はない。

男子学生に会社選びで重視していることを聞くと「女性管理職がいるかどうか」と答えてくる。何故かと聞くと、「女性が活躍している、イキイキしている会社は、社員を大事にしているから」と。

今、女性で管理職をやりたい人は全体の8%しかいない。これは、女性が新しいことをやることに躊躇する思考回路になっていることもある。この8%の人も特別な努力ではなくたまたま背中を押されたというのがほとんど。

社外取締役をやるなど、CxOの経験があるかないかは会社の中で管理職になる上でも大きなアドバンテージ。自分で手をあげていくのがいいと思う。

まとめ

2時間半があっという間に過ぎましたが、かなりの情報量でした。
ゼミ生も、いつにも増して前のめりで話に耳を傾けていたと思います。

ご登壇いただいたゲストの皆様は、真剣に語っていただきながらも、終始和やかにお話くださり、場を和ませていただきました。

お話を聞いていて、CxOとしてキャリアを築いていくときに「何故それを自分がやるのか」を自身に問うことが大事だと感じました。この問いに自分の言葉で答えられるようになることが、CxOとしての覚悟を持つための一歩なのかもしれません。

次回は、現在CxOを務められている方をゲストにお呼びして、ゼミ生の色々な質問にお答えいただきます。現役CxOの刺激を受けて、ゼミの場がさらにどう変化していくのか楽しみです!

執筆:吉田寛

💡プロフェッサープロフィール

エッグフォワード株式会社 代表取締役社長
徳谷智史
企業変革請負人。組織・人財開発のプロフェッショナル。
大手戦略コンサル入社後、アジアオフィス代表を経て、人の可能性を最大化するべく、「世界唯一の人財開発企業」を目指し、エッグフォワードを設立。UZABASE、NewsPicks経営陣へのコーチングやコンサルティング支援をはじめ、戦略コンサル、総合商社、リクルートグループなど、業界トップ企業数百社に人財・組織開発やマネジメント強化のコンサルティング・トレーニングを幅広く手がける。同時に、キャリアの専門家として2万人を超えるビジネスパーソンの意思決定・成長支援を実施。東洋経済オンライン連載。著書に「いま、決める力-ワクワクする未来をつかむ決断筋の鍛え方」(日本実業出版社)など。


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