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鷺沼兄弟の巣立ち、そして今後の川崎フロンターレ。その1(兄カオル編)

川崎市宮前区鷺沼で育った1歳違いの2人の川崎フロンターレユース生え抜きの選手が川崎から海外へ移籍した。

三笘薫と田中碧の二人は「鷺沼兄弟」と呼ばれ、小学校の低学年から二人は一緒のチームで切磋琢磨しあい、川崎フロンターレだけでなくオリンピック代表においても欠かせない日本においてのビッグプレーヤーへと成長した。

川崎フロンターレは現在Jリーグにおいて無敗を継続しているが、チームの中核であった三笘とアオの離脱によって大きく戦力ダウンしてしまった現状がチームの課題としてある。

私は二人の海外移籍は想定内であり、喜ばしいことであると同時に大きな喪失感を感じている。
他の川崎サポーターも同じ心境であることは間違いない。

①三苫薫
②田中碧
③川崎フロンターレ

これらについて今回は3回にわたって書いていきたい。

まずは鷺沼兄弟の兄、三笘薫から。

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三笘はプレミアリーグのブライトンへの移籍だが、労働ビザの関係上まずはベルギー1部のユニオン・サン・ジロワーズで戦うことになる。

ベルギーで圧倒的な成績を残し、いち早くプレミアの舞台で見てみたい。

私はアーセナルサポーターなので、宮市亮(現在は横浜マリノス所属)がプレミアリーグにおいて苦戦した姿をみてきた。

宮市は三笘と同じ左サイドを主戦場とし、スピードに乗ったドリブルを期待されていた。

宮市は高校卒業後、プロ一年目からプレミアリーグのアーセナルと契約した画期的な選手だった。

一年目はオランダのフェイエノールトで50m5秒台の俊足を活かしたドリブルで無双していたことを覚えている。


しかし、いざアーセナルに戻りプレミアリーグが始まると激しいフィジカルに適応できず、何度も怪我で長期離脱を繰り返し、当初の思い切ったドリブルも影をひそめてしまいアーセナルから契約解除されてしまった。

その後、宮市はドイツ・ブンデスリーガ2部のFCザンクトパウリに移籍したが、2015年に左膝の前十字靭帯を断裂し、なんと2017年に右膝前十字靭帯も断裂するという苦難のサッカー人生を歩んでいた。

そんな宮市も怪我に挫けずザンクトパウリで活躍できるようになり、今年Jリーグ復帰をはたした。

何があるかわからないのが人生であるが、サッカー選手は特に怪我という不確定要素に日々さらされる。
プロサッカー人生は能力だけでなく運という要素にも左右されることを宮市選手を見守りながら、いつも感じていた。

余談だが、、
私はサッカーゲームにて宮市をアーセナルで使用し、仮想空間において宮市を世界的ビッグプレーヤーとして活躍させていた。

三笘の話に戻る。
三笘と宮市はプレースタイルが一見似ているようで、違うタイプの選手である。

宮市は純粋にスプリントで勝負するタイプであり、最高速度に乗ったあとの急激な切り返しで相手を置き去りにする。
トップスピードを止める動きというのが一番筋肉に負担がかかるという。
そういうプレースタイルにより怪我のリスクが高まっていたことは否めない。
宮市はフィジカル的なスピードで勝負する選手であった。

しかし、三笘はテクニカルかつスピードをかね備えたドリブラーである。
基本は利き足の右足でボールを持つが、持ち方が独特である。
常にボールを後ろに置きながらドリブルをする。
そして、体が前傾姿勢をとっているために相手ディフェンダーは容易にボールにアタックできない。

このように後ろ足にボールをおいてドリブルする選手ではネイマールが代表的な選手である。

単純なフィジカルやスピード勝負ではプレミアのディフェンダーは攻略できない。

しかし、三笘がJリーグでみせてくれていたように独特の間合いからスピードのギアをあげて、細かいタッチを駆使したドリブルはプレミアでも通用すると期待している。

ブライトンで活躍し、アーセナルに移籍する三笘という夢を私は抱き続けている。

今季プレーするベルギーリーグのユニオン・サン・ジロワーズはツートップシステムを採用しており、三笘のポジションは左ウィングバックになりそうだ。

ウィングバックでは守備のタスクが必要になってくるが、プレミアでスタメンをとるためには守備意識も必要になるため良い経験になるであろう。

しかしながらゴール、アシストととにかく数字にこだわって欲しい。
三笘は海外助っ人選手であり、数字で結果を出すことが先決だ。
多少強引なプレーでもベルギーリーグレベルでは通用すると思う。

フロンターレ時代によくみせていた縦に突破してゴールライン付近において右足アウトサイドでアシストするシーンがある。

この場面において必ずダミアンがニアゾーンに、家長がファーサイドのマイナス位置に入ることによって三苫のパス選択肢が増え、相手のディフェンスがついていけずゴールを奪っていた。

オリンピック代表でも同じシーンが数多くみられたが、ゴール前に入っていく人数が多くても、皆ゴール前に行き過ぎてしまい三苫の選択肢がなくなる場面が多々あった。

三笘の課題はコミュニケーションの所だと感じる。

自分がゴールライン深く突破した際にはダミアンと家長のように、ニアとマイナスの位置どりをして欲しいことを仲間に徹底して周知するようなコミュニケーションをベルギーではとって欲しい。

そうすれば縦への突破からのアシストも増え、相手が縦を警戒すれば、カットインしてゴールも量産できる。

ベルギーリーグはDAZNで中継されるため、三笘の大ファンである妻と観戦するのが今から楽しみである。

次回は鷺沼兄弟の弟、田中碧について書きたいと思う。


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