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【E.O.Uインタビュー】抽象思考のピュアネス――岡崎出身「音ギャング」による、遊びとしての音楽

※この記事は2023年11月をもって閉鎖した音楽メディア・Soundmainからの再掲記事です。連載企画「エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて」では、2021年10月から2023年6月にわたり、DAWを主要機材として先鋭的な音楽制作に取り組む若手アーティスト全17名(番外編含め全18回)にインタビューを行いました。主に作り手に向けて、詳細なDTM Tipsを取り上げる企画ですが、音楽的な原体験や制作哲学なども含め、ほぼ毎回1時間強お話を伺っています。
今回は、Boiler RoomのDJプレイでも話題を集めたトラックメイカー・DJのE.O.Uさんの記事を再掲します。

(初出:2022.10.13)

連載企画【エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて】。この連載では、エレクトロニック・ミュージックシーンの先端で刺激的なサウンドを探求するアーティストにインタビューし、そのサウンド作りの心得やテクニックを明らかにしていく。

第11回のインタビューは、2000年生まれ、愛知県岡崎市育ちのトラックメイカー・DJであるE.O.U。京都を拠点に音楽活動を行い、2021年には自身のレーベル〈PAL.Sounds〉よりミックステープEP『E21』をリリース。また、アムステルダム在住アーティスト・Golinのジャパンツアーやラッパー・Tohjiの『t-mix』リリースツアーにも帯同し、クラブ・レイヴシーンにおいても注目されている。また、2022年9月にはアルバムサイズのミックステープ『estream』が配信された。

ピュアな電子音を用いて超自然的なサウンドスケープを構築するE.O.Uには、同郷の巨匠・冨田勲の影響がある。エレクトロニック・サウンドの先端を追求するこの連載にて、電子音楽黎明期に活躍した冨田の名が挙がることには、ある種の驚きとともに不思議な納得感があった。デジタルに出力される「音」そのものを見つめ直すべく、E.O.Uの足跡から現在のクラブシーンについて、また「音ギャング」と自称するその流儀について、話を伺った。


岡崎で出会った音の遊び場と冨田勲

―最初に音楽を作ろうと思ったきっかけについて教えてください。

岡崎にいた頃、高校の友達がEDMとかヒップホップとかが好きで、DJやプロデューサーもしていたんです。それでいろいろ教えてもらって。家やカラオケに機材を全部持っていって爆音で遊んでました。あとは川ですね。岡崎市の中心には川が流れているんですよ。めっちゃ開放的で大好きな場所なんですけど、そこでも夜に音を流して遊んでいて。

だから、本当にコミュニケーションとして音楽があったというか。そのコミュニティも同じ高校だけじゃなくて、別の学校の人も含めて、いろんな人達が複層的に混ざっていたんですよね。

―レイヴのようなことを高校生の時からやっていたと。その遊びの中ではどんな音楽が流れていたんですか?

NulbarichやSuchmos、あとはceroとか、そういうバイブスでしたね。あとはDJの友達がMadeonやPorter Robinsonなどを聴いていて。自分が初めてDAWを手にしたのもMadeonの影響です。「Pop Culture」という39の楽曲をリアルタイムにマッシュアップする動画で、Ableton LiveとLaunchpadを使っているんです。

―今のE.O.Uさんの音楽性からすると、すごく意外なチョイスだと思いました。

こういった雑多な要素が自分のいいところかなって(笑)。川で友達と遊んでいる一方で、家の中で「フューチャーベース最高だな」ってずっと思って聴いていたんですよね。

それに今考えると、実は大学に入るまで音楽への関心は薄かったんです。ちゃんと曲作りに集中し始めたのが大学に行ってから、18歳ぐらいで。大きな転換になったのはSOPHIEと出会ったことでした。ベッドルームで。

シンプルにブチくらったんですよね。音から感情が伝わってくる感じがして。SOPHIEを聞いた頃からもっと深層に入っていくようになって。SoundCloudからナイトコア【※1】とかにめっちゃハマって、どんどんのめり込んでいった感じです。

【※1】波形編集ソフトを用いて原曲のテンポを高速化させ、場合によっては意図的にピッチも上げて作られたリミックス音楽のスタイル。

FNMNLのメールインタビューでは同郷の先達である冨田勲からの影響についても言及されていましたね。

自分の通った中学の校歌を作っていたことが興味を持つきっかけになって、当時よく調べたんですけど、一旦そこで離れちゃったんですよね。それから18歳の時、SOPHIEに出会ったりクラブでDJを始めた頃……つまり狂ったように音楽を作りまくっていた頃なんですけど(笑)、冨田勲と再会しました。

18歳の頃、自分の生まれてきた街のことなどアイデンティティに繋がる情報を収集していて。それで知ったのが、1987年、地方博というものが流行っていた時代なんですけど、岡崎市の市制70周年を記念した「葵博(あおいエキスポ)」という小さい万博が開かれていたことでした。ビジュアルプロデューサーが手塚治虫で、サウンドプロデューサーが冨田勲という座組。自分は手塚治虫と藤子・F・不二雄にもめっちゃ影響を受けているんです。

そういった経緯で興味が再燃して、東京に向かう夜行バスの中で『惑星』の「水星」という曲を聴いたんです。で、「あーーーヤバすぎ」と。自分はデカい音像を一番大事にしているんですけど、冨田勲はシンプルに音像に注意を向けているアーティストだと思っていて。音像に流れとか、有機的な動きがあって。SOPHIEを聴いて食らったものと、自分の中のクラシカルな要素がパチンと合わさったのがこの時でした。

―冨田勲もSOPHIEも徹底して音像にこだわるアーティストだと思いますが、ある意味、ゼロから音を組み立てる冨田勲と、既に構築された音楽を解体するSOPHIEがE.O.Uさんの中で接続されたというのは非常に面白いなと思います。

自分も音を作るときは、構築と解体を繰り返して作っていますね。作って、ぶっ壊すという「遊び」なんです。彫刻みたいに作ることもできるんですけど、整えたり、ぐちゃっと潰したり、パンッとまとめたりを繰り返して。「チャンス・オペレーション」とも言われますが、遊びから偶然性を取り入れることを大事にしています。

カオスでピュアな2020年代クラブシーン

―作曲については後ほど詳しく伺いますね。E.O.UさんはDJとしても精力的に活動されていますが、さきほど「コミュニケーションとして音楽があった」というお話をされていて、DJはまさにコミュニケーションなんじゃないかなと思いました。

名古屋とか岡崎とか京都の、地方の小箱みたいなところで、それこそ遊びみたいな感じでDJをやっていて。やっぱりクラブで遊んで踊ることはめっちゃ好きで。不特定多数の人とコミュニケーションをすることも、自分の情報をあんまり与えなくてもいいことも好きなんですよね。そのサードプレイスみたいな機能性が自分にとって大事だったと思います。

そういったクラブだと、DJとフロアで踊っている人の境界線って薄いように思っていて。それって岡崎の川で遊んでたことの延長線上かなって……好きな音楽でぶち上がるっていう、ただそれだけ、みたいな。

―DJをすることと作曲をすることの両者をどう分別していますか?

自分的には、DJも作曲も、どっちも音を使った遊びみたいな感じで。あまり分けて考えていないですね。

言ってみれば、曲作りは参照点が音そのものに向かっていると思っていて。対してDJは音楽を参照している。たとえば作曲だと、サンプリングするか楽器を弾いてデータを作るじゃないですか。自分の脳やサンプルから引っ張ってきて曲にするというのが作曲で。DJは、自分のライブラリに収めたこの世の既存のあらゆるデータを引っ張ってきて、コラージュしていくっていう。

―どちらも「遊び」であると。

音楽は何でもありだというのが自分の考えというか。DJでもYouTubeのサンプルからタイプビートまで何でも流すんですよ。それはパンデミック以降、家にこもった生活を経ていろいろ吹っ切れたからというのもあって。

あと、自分にとってエポックだったのは、2021年の6月頃にclub asiaで開かれた〈Local World〉と〈ether〉というクルーのコラボイベント《Local World x ether》です。いろんな日本のアーティストが今までにないレベルで交差した瞬間だったと思っていて。吹っ切れた後の自分を最大限にアウトプットできたし、本当に衝撃的な日でした。

―交差したというのは?

DJパーティーって、どんどん細分化していくんですよ、面白いことに。特に東京はその傾向が激しくて、細かく分かれながら島宇宙状態でそれぞれ進化していくんです。でも、《Local World x ether》は異なる文脈がぐちゃっと合わさるムーブメントの起点になったと僕は思っていて。

たとえばSTAR KIDSYokai Jakiみたいなクラブ・オルタナティブといえる新しいアーティストって、これまで演る場所がなかったと思うんです。ハイパーポップって言葉に象徴されますけど、ジャンルというかムーブメントとして、いろんな要素がそのまま存在するような流れがクラブシーンでは《Local World x ether》以降生まれたなと。ヒップホップの要素がある人も、クィアネスをブチ上げる人も、みんなが一気に集まったタイミングだと思うんです。

―《Local World x ether》に参加したことでE.O.Uさんにどのような影響がありましたか?

自分はナイトコアの声にエンパワーメントを感じるんですよね。ベッドルームでしか聴いていこなかったナイトコアが現場で流れているということにブチ上がるんです。そういった、好きな音楽をピュアに表現できる土壌が整ったということが、すごく影響があったと思います。

―それからDJの活動としてはTohjiの『t-mix』のツアーにも参加されていますね。Tohjiとの出会いについても教えてください。

2021年の3月頃、Tohjiが参加していた大阪のイベントのアフターパーティに遊びに行ったんです。普段から京都で遊ぶ〈CYK〉【※2】のKotsuくんやUltrademonが出演していたんですけど、めちゃめちゃピークタイムの時に、出演者が手違いで出演できなくなってしまったと聞いて。なので許可を取らずに勝手にDJをやって、Lil Texasを流したら、ボン! って爆発するくらいブチ上がって。それで、Tohjiとなんかこう……「よろしく」って(笑)。それから大切な友達であり、仕事仲間という感じです。

【※2】2016年に結成されたDJコレクティブ。Webメディア「i-D」による、下記のインタビューも参照。
https://i-d.vice.com/ja/article/zmk7yw/tokyo-collective-new-wave-cyk-intervew

「閾値」を超える音を目指して

―新作の『estream』はオフビートな曲も多く、アンビエントの要素が強いですよね。それこそDJの現場での「コミュニケーション」の要素とは距離があるんじゃないかと思ったのですが、どうでしょうか?

そうですね。ソロのリリースはずっと内省的というか、自分のセット以外のDJではあまり流さないですね。基本的には、雑多なサウンドのアーカイブがアルバムサイズに収まっていて、「これ、全部いい音です」という作品というイメージです。アンビエントというのはまさにそうで、換気扇って「サーーー……」ってずっと音が鳴っていますけど、鳴りっぱなしだと気にならなくなるじゃないですか。あと、ラジオ。形がなくても波動として存在している安心感というのを、今回は意識的に取り組んでいます。

昔、配信サービスの「Ustream」ってあったじゃないですか。ウェザーニュースがずっと流れていたり、Goose houseが生配信でカバーソングを歌っていたり。あの温度感、ゆったりした流れみたいなものに、今回フィールしました。だからアルバムタイトルも『estream』と名付けました。

―どういったシチュエーションで聞いてほしいという考えはありますか?

特にないですね。朝起きた時も、夜寝る前も、落ち着いた時も、落ち着いていない時も。コンセプチュアルなアルバムではないので、好きに楽しんでもらえれば、ということに全振りしているというか。

―野外で爆音で流したら最高だろうなと感じました。

ですよね。自分がベッドルーム・アーティストと違うなと思っているのは、とにかくデカい音がめっちゃ好きなところで。もう、デカければデカいほどいいんですよ。スタジアムでバーンって鳴らしてみたくて……イヤホンの中でめっちゃデカく鳴らすのも、その中で音をブチ割るのも好きですけど、物理的にデカければデカい方がいい。で、デカい音で鳴らすことを突き詰めていったら、今回の音になったという感じで。だからアンビエントと言いつつもパワーのある、「パワー・アンビエント」という言葉がしっくりくる感じなんですよね。

―デカい音を追求した結果の音像であると。サウンドについても詳しく教えていただけますか。

今回のアルバムが前回と違うところは、サンプリング・コラージュがメインの軸になってるというところで。ほぼ全て、最初からサンプリングで作っているんですよ。それで、メロディの中心を感じられるような音素材を選んで、そこに「遊び」を加えていくという手法です。素材になった音の粒子を遊びながらコントロールして、有機性を加えるっていう。

―音の粒子のコントロールというのは、つまりどういうことでしょう?

音の粒子というものがあって。たとえば“パッパッパッパッ”という風に粒が配置されているものを、“パッパパパッッッ”とするように、いろんなエフェクトを使ってコントロールするんですよ。そのタイミングと流れをコントロールできるんですよ、僕。

そのプロセスを経ると、生きている音みたいに感じる瞬間があって。偶然性にまかせてカオスになるか、有機性を得るのか、という「遊び」を繰り返すんです。それで、生きている音になったら完成というイメージで。

―生きているか生きていないか、それを隔てるポイントは何なんでしょう?

閾値があるんですよね。エモーションの振動が「いいな!」ってなる閾値が。DJの場合、ディグって人の作ったデータを聴く中で、閾値を定量的に理解できると思っていて。ある種、一般性に向かっていくところがあるというか。サウンドだと定量化はできないけど、自分が「いい音だな」と思えるポイントがある。誰でも備わっている感覚だと思うんですけどね。

―(編集S)横からすみません。音が生きていると感じる「閾値」に到達するまで、遊び、もしくは偶然性のゆらぎをサウンドに与えていく……そうしたプロセスを先ほど「できる」と仰っていましたが、それはE.O.Uさんが特殊な技術を身につけているということですか?

いや、というより、バイブスに則って“バーン”とか“ピューン”とか音を作っていって、その上でエフェクターの数値を超微調整していくっていうプロセスなんですけど、それは遊びという体験を通して「できる」ようになっていくもので。少なくとも、自分はそうだなって。

―(編集S)つまり、身体に基づいた感覚とインターフェース上の数値の間にあるものが、やっていくうちにわかるようになる……といったことでしょうか? 久保田晃弘さんという、多摩美術大学でメディアアートを教えている人がそういう話をしているんですけど。

クリティカル!

―(編集S)よかった(笑)。ちなみにそのプロセスの中でよく使うプラグインはありますか?

今回のアルバムだと、ArturiaのEfx Fragmentsというエフェクトをめっちゃ使っていて。Fragmentsっていう名前の通り、音のかけらをコントロールするようなもので。わかりやすく言うと(Ableton Liveのエフェクトの)Grain Delayみたいなもので、音の反復の流れやタイミングを微調整できるんです。「あ、あ、あ、あ、あ」を複製して「アアアアア」に変換して、それらを組み合わせる、みたいなことをして、有機的な流れを作っています。あとはAbleton Live11に入っている基本的なエフェクトを超微調整してますね。

抽象思考を抽象思考のまま表現する

―制作環境について教えていただけますか。

MacBook Proの2020年のM1モデルを使っていて、DAWはAbletone Live 11です。モニタースピーカーはGENELECで、オーディオインターフェースはAUDIENTのiD4。それだけですね。シンプルに作っています。

―音作りに関してはどのように学んだのでしょう?

独学ですね。YouTubeの「how to make ◯◯」みたいな動画も、もちろん見るんですけど、全部頭から流れちゃうというか。やっぱり楽しめるかどうかが一番なので。だからDAWの中のプリセットを全部知り尽くすくらい、ずっとDAWをいじりまくっていますね。

―自分で楽しんで実験をすることが、一番の学びになると。

それと、音を聞くこと。この世の音楽とか音を、全部聞くっていう態度ですね。ご飯が好きな人ってめっちゃ食うじゃないですか。そんな感じで、音が好きだからずっと音を聞いている、みたいな。

―そういった意味では、フィールドレコーディングなどはしないんですか?

あんまり関心ないんですよね。自分の中で、フィールドレコーディングがフェイクか否かみたいな議論があって。録れた良い音と、Spliceにある既存の環境音でも、フィールできたらどっちでも関係ないなと思っていて。

―録音の背景など関係なく、音そのものにだけ注意が向いている……音ギークですね。

もはや音ギャングです。

―(笑)。実際の世の中の音に関して、何かフィールしたものはありましたか?

今年海に入って、海水に触れながら波の音を聞いたんですけど、なにか今までと違ってちょっとヤバすぎたんですよ。サウナに入った後に水風呂に入ると、血流がグワーってなって血の巡りを感じることができるように、海に入って自然の流れをそのまま感じることができたんです。

―それこそ冨田勲もずっと宇宙や自然の神秘をテーマにしていた作家だと思います。自分としてはE.O.Uさんの楽曲を聴くと強くスピリチュアリティを感じるのですが、やはりそういったものに関心があり、音楽として表現したい意欲があるのですか?

そもそも、自分とはなんなのか、宇宙とはなんなのか、時間とはなんなのか、音とはなんなのか……ということをずっと考えていて。今は自然と人間の関わりというものを一番考えているんですけど。関心があるっていうのはバイブスの部分でそうですね。

でも、音とはなんなのかっていう関心は、文化としての音楽と切り離したところにあるのかなと思います。スピリチュアルというより、実際的な運動としての波動が気になっていて。

―E.O.Uさんにとっての音楽制作は、実際的な音という波の運動への疑問を探るものになっているのですか?

というより、遊びを通した実践で、疑問に立ち向かっているという感じではないですね。無邪気に遊んでみた結果、みたいな。それに日記的な要素もあると思っていて、その時の自分を映し出した鏡であるという。だからその時考えていた疑問も当然反映されますよね。

でも、音楽を作る時って実際にはバイブスで情報処理をしているから、人に伝えるのがめっちゃ難しい部分があるんですよね。抽象思考を抽象思考で処理することが音楽だと思っていて、言語化を通らないんです。感覚と直結しているというか。音はそのまま音だし、その遊びが面白い。だからすごく無邪気に「みんな音楽をやったほうがいい」と思っています。

「音は最高」の精神で

―最近ディグった曲を教えていただけますか?

最近は00年代のエレクトロニカを聞き直したりしていますね。あと、「nina protocol」という海外のプラットフォームのリリース群を聴き漁っています。

あとは、とにかく他人のDJでガチ踊りして、フィールできた曲をバンバンShazamするのが音ギャングとしての日課ですね。

―親しく交流してるアーティストというと誰が挙がりますか?

マジでいっぱいいて。京都のPAL.Soundsのみんなはマイメンですし、えーと……いっぱいいますね。まあ、音で遊ぶことは「ジョブじゃねえ」みたいな部分はありますから、競争ではないし、優劣もないと思っていて。誰が作っても、音楽ってヤバいと思うんですよね。だから、フィールできたらマイメンです。

―これからの活動について、なにか展望はありますか?

とりあえず、デカい音をブチ鳴らしていきたい。

―(笑)。

あと、コンセプチュアルなアルバムを作ってみたいし、一番ヤバいトラップを作りたいといったプロデューサー的な思考もあるし、マルチアウトプットを基本として、いろんなフォーマットで出していきたいですね。音は最高、みたいな。

―それこそ、デカい音を出すんだとしたらイベントの主催とかも考えていますか?

今回のアルバムのリリースパーティーとして、10月24日に渋谷のWWWでイベントを開く予定があります。自分がキュレーションして、〈melting bot〉【※4】に協力してもらって。アルバムの中で重視したこととして、流れと安心感、温かみといったことを言いましたけど、焚き火の要素も自分にとってあるんですよね。キャンプファイヤーみたいな。あの、人工の焚き火を映像に映すカルチャーがバカでかいって話、知っていますか?

【※4】解放新平(SlyAngle)が2011年より運営する、「レーベル / ディストリビュター / プロモーションとして、フレッシュな電子音楽、ダンス・ミュージック、その時折のレフトフィールドな音楽を発信する東京拠点の音楽プラットフォーム」(公式サイトより)

―いえ、知らないです。

海外のラグジュアリーな家とかって、火を見るためのディスプレイみたいなものがあるんですよ。焚き火というか、暖炉というか、それを視覚的に見る装置のマーケットがあって、それがバカでかいらしいんですけど。そういった火のイメージを演出しようと思っています。

あと、護摩壇ってあるじゃないですか。夜に火をくべてお経を唱えまくって。実際、それでトランスになっちゃうんですよね。陶酔しちゃってヤバいらしいですよ、キツネの伝説とか生まれちゃうくらい。

まあそんな感じで、座りながらゆっくり遊べるようなイベントです。自分もステージじゃなくてフロアに機材を広げて演奏するので。ゆっくりしに来てほしいな。

―なるほど。しっかり告知しておきますので。本日はありがとうございました!

あざす!

E.O.Uプロフィール

2000年生まれのアーティスト。音で表現される様々な事象を楽曲、DJ、Live Setを通して表現する。
京都市在住。

取材・文:namahoge
ツイッター(新:X)ブログ最近読んだ異世界転生系漫画

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