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アイマスのサブスクはいつ解禁されるのか?を調べてたらリアル765プロに辿り着いた

何故アイドルマスターの楽曲はサブスク配信されないのか?
Spotifyが日本でサービスを開始した16年9月からはや5年半、布教大好きなアイマスP達は長い間待ち続けてきたが、いまだに解禁の様子は見られない。
疑心暗鬼になったオタク達により、インターネット上では様々な説が跋扈している。

  • コロムビアが古い会社だからサブスクに反対してる説

  • 柏谷がハイレゾ音源に拘ってる説

  • 坂上がアイドルのCDというものを神格化してる説

  • ナムコ閥のアイマスはバンダイ閥のラブライブやアイカツに比べて社内で冷遇されてる説

  • サブスク配信するとアイマスのブランド力が落ちる説

  • なんかよくわからないけど多分JUNGOが悪い説

どれも噂の域を出ず、議論すること自体が無駄な気持ちになるですよ…
先日TwitterでP達が飽きずに小競り合いしていたのを見かけたので、レスバ参戦しようとエビデンスを集めてみたところ、バンナムのアイマスチームがプロジェクトXのような面白い事態になっていたので備忘録がてらに共有しておく。

※この怪文書はバンナムの公式ウェブサイト・プレスリリース・取材記事・Wikipediaなどを参考にしていますが、筆者の妄想が主な内容です。一切の信用をしないでください。
※筆者はデレステからアイマスに入ったデレ中心のPで、他ブランドはニワカです。途中ラブライブやアイカツや電音部にも触れていますが、ほぼ門外漢です。間違いや誤認識は多々あると思いますので、許容・ご指摘いただけると幸いです。

本投稿の概要

アイマスの楽曲がサブスク配信されないのは楽曲の権利関係に起因していると筆者は想像している。
そしてバンナム側もその状況を把握しており、改善のために動いていることが組織再編から読み取れた。

楽曲の権利とレスポンシビリティの分散

まず言いたいのは、コロムビア及び柏谷Pはサブスクというサービス自体には反対していないということだ。実際に柏谷チームがプロデュースしているプリコネの楽曲はサブスク配信されている
次に坂上Pだが、彼個人の感情はわからないが、それだけでプロジェクトの進行を妨げるようなことはしないだろうとは擁護しておきたい。そんな人間は大企業で出世できない。
ナムコ閥だから冷遇されているというのも主要因ではないと思う。バンナムに社内政治がないとは言い切れないが、それなりに稼いでいる巨大コンテンツに邪魔をするにはそれなりに根拠が必要だろう。
JUNGOが悪い?わかるわ

じゃあ他にどんな要因があるのか?と調べてみたところ、権利の分散により決断ができなくなっているのではないかという予想に辿り着いた。

各ブランドの音楽レーベル

まずアイマスの各ブランドの音楽レーベルを見ていこう。

765AS(無印)→日本コロムビア
DearlyStars(876)→日本コロムビア
シンデレラガールズ→日本コロムビア
ミリオンライブ!→Lantis
SideM→Lantis
シャイニーカラーズ→Lantis

ゲームや漫画の特典CDなど例外も一部あるが、基本的にはこの理解で良いだろう。
ある時点を境目に、コロムビアからランティスに切り替わっていることが見て取れる。
ランティスは2013年に旧バンダイビジュアルの完全子会社となっているため、ミリオン以降のブランドはレーベル移行していったようだ。
正確には13年以前から業務・資本提携は行なっているので、シンデレラガールズもランティスになっていて良さそうだが…社内の再編のタイミングの関係から、ASに続いてコロムビアに任せることになったのだろう。
更にシンデレラガールズではサイゲームスも関わってくるため、調整作業だけで膨大な工数を奪われることは想像に難くない。

他作品との比較

次に、同じバンナムの巨大アイドルコンテンツとして比較対象に挙げられることが多いラブライブ!シリーズの様子を見ていく。
ラブライブはアイマスと同じく複数ブランド(無印、サンシャイン、虹ヶ咲、スーパースター…etc)を展開しているが、基本的に音楽レーベルはランティス、アニメ製作はサンライズが担当している。(違ってたらすみません)
μ’sの発表は2010年なのでランティスの買収完了前ではあるが、当初からバンナムグループ内で完結することを念頭においたプロジェクトだったと見做して良いだろう。
そのためかラブライブはアイマスに比べて遥かにアニメ展開が早く楽曲もサブスク配信されており、「同じバンナムなのに何故…」とPの運営不信を強める要因になっている。
同じくバンナムのアイドルコンテンツであるアイカツ!シリーズもラブライブと同じくランティス&サンライズのタッグとなっており、こちらもサブスク配信されている。
アイマスもサンライズ&ランティスのタッグでアニメ作ればいいのに。なんならサンライズの得意なロボットアニメとかどうですか

各社の立場から見た意思決定

何故ランティスはサブスクOKなのにコロムビアはNGなのか?それはランティスと違い、サブスク解禁しても日本コロムビア社にメリットがないからだ。

ラブライブの空白期間とランティスの判断

先述のラブライブの例を見ていこう。音楽サブスクサービスの代表格であるSpotifyが日本でサービスを開始したのが16年9月で、その後AWA、Apple Music、Amazon music、LINE musicなども参戦し爆発的に普及した。
しかしラブライブのサブスク配信開始は18年11月なのである。アイマスPからすると羨ましいが、当時のラブライバーはそこそこ長く待たされたと感じたのではないだろうか。
バンナム内で完結していて、強力な推進力を持つはずのラブライブの空白期間はなんだろうか?

サブスクについて、「無名のアーティストでもサブスクでヒットすれば、視聴者の一部がファンになってライブチケットやグッズを購入してくれるチャンスがある」という話を聞いたことはないだろうか。
アーティスト目線ではサブスクでの収入は雀の涙だが、宣伝の場として強力だから配信しているということだ。

しかし二次元アイドルコンテンツではその宣伝の恩恵に預かれるのはコンテンツ管理企業、ラブライブで言えばバンナムエンターテインメント社だ。たとえラブライブ全体にはプラスになったとしても、ランティス社としては赤字を垂れ流してサブスクで配信することは承服できなかったのだろう。

ランティスがバンダイビジュアルの子会社になったのは13年4月だが、完全に合併してバンダイナムコアーツ、現バンナムミュージックライブとなったのは18年4月だ。(現在はランティスという企業は存在せず、バンナムミュージックライブのレーベルとして名前を残している。サンライズも似たような感じ)
そこから約半年をかけて関係者への調整と権利関係の契約を繰り返し、ようやくサブスク配信に至れた…と筆者は想像している。

22/4/15追記
もしかすると順序が逆で、すぐにラブライブ等の楽曲をサブスク配信しようとしたものの、ランティスの許可が降りず吸収合併へのモチベーションの1つになったのかもしれない。
その辺りの仮説強化のためには他のバンナムのコンテンツの配信開始時期も確認すべきかもしれない…どちらにしても権利問題の解決に相当な工数を割いていることは変わりない。
ラブライブは最初の配信開始時(18/11)にネット販売している楽曲を一斉配信していたので、やはり各ブランドの足並みを揃える必要があり、それが大変なのだろう。

日本コロムビアの立場

アイマスにおける日本コロムビアの立場はランティス以上に複雑だ。
日本コロムビアの主要株主を見ると、「フェイス」という謎の企業が50%以上を占めている。まったく知らなかったが、コロムビアは17年にフェイスに買収されて上場廃止しているらしい。

フェイスの事業内容を見てみると、ガラケーでの着メロ配信サービスを行っていた企業のようだ。現在はサブスクサービスにインディーズアーティストが楽曲を登録できるソリューションを提供しているようだが、はっきり言ってアイマスがサブスク登録することでそれに見合う利益を享受できる事業ではないだろう。
日本コロムビアの思想や拘りのせいではなく、事業の形態上動くことができないのだ。

Pが拗らせすぎ

じゃあミリオン以降だけでもランティス権限でサブスク配信しちゃえばいいじゃんと思ってしまうが、そうなると「それなら765ASとシンデレラもやってよ」「アイマスがサブスク解禁されないのはコロムビアのせいなんじゃないの」とP達が騒ぎ始めて、立場上動くことのできないコロムビア側に迷惑がかかることは容易に想定できるだろう。
最悪なのが「ASがサブスク解禁されてないのに、たかが派生作品のミリオンやSideMが先駆けとは何事だ!」と拗らせまくった過激派アイマスP内での争いが激化する可能性が否定できないということだ。
じゃあ同じ美少女アイドルコンテンツのラ!やアイカツ!に注力した方がいいよね、となるのは営利団体として当然の合理的判断だろう。
色々と犯人捜しがされているが、結局一番の原因はP自身なんじゃないのと筆者は思っている。もう終わりだよこのコンテンツ

22/4/15追記
一応アイマスの括りとして、ゼノグラシアとKRの楽曲はサブスク配信されていることが確認できた。
ゼノグラシアはランティス、KRは韓国ドラマを中心とした映像配信をしているインタラクティブメディアミックスという会社が担当していた。
コロムビアのようなレコード会社ではないとはいえ、これらの楽曲がサブスク配信できたのはコンテンツが完結しており「メインブランドではないので他ブランドのPが怒らないから」というのが筆者の仮説だ。
インタラクティブメディアミックスはKRの映像版権も保有しているため、サブスクが入口になり利益を見込める算段があるのではないかとも予想できる。

バンナムの再編とアイマスの未来

じゃあそのままサブスク解禁もせず、指を加えて先細りするのを待つだけかというとそうでもないぞ、というのがこの記事の論旨である。
まずは2022年4月1日のバンナムグループの組織情報を見ていこう。

本年度の再編の目玉はバンダイナムコアーツやサンライズなどに別れていたメディアコンテンツ事業の、音楽事業を行うバンナムミュージックライブ/アニメ製作など映像事業を行うバンナムフィルムワークスの2社への集約だ。
更にライブ事業のバンナムライブクリエイティブ、映像配信のバンナムライツマーケティング(バンナムチャンネル)を吸収させることで、ラブライブの時のようなねじれ現象を予防できると考えられる。
これによりアイマスのように権利や発注関係の手続きや管理の分散がなくなり、よりスピード感のあるコンテンツ提供を続けることができる。

「余計に他コンテンツとアイマスの差が開いていく…」と絶望感が強くなってしまうが、もう少し我慢してほしい。アイマスは更に上を行こうとしていることがわかる。

「765プロダクション」という新部署

見てほしいのがアイマスなどのIP管理事業の中核を担っているとされる、バンナムエンターテインメントの組織図だ。第3IP事業ディビジョンという事業部に、「765プロダクション」という東証1部プライム上場グループの中核企業とは思えないふざけた、胡散臭い名前の部署が新設されていることがわかる。

この手の大企業では新規事業の立ち上げや既存事業の立て直しを行うやや特殊な部が存在することは少なくないが、それにしても名前が浮きすぎている

2/17の人事発表によると、この部署のリーダーは波多野公士という人物のようだ。

前役職はニュービジネスプロダクション クロスメディア課長、通称未来研の人らしい

彼の名前を検索するとインタビュー記事が出てきたのでリンクを貼っておく。

とても大企業の部長とは思えない。絵本描いてクラウドファウンディングやってそう

部署名に留まらず身なりまで胡散臭すぎる…容姿で人を判断したくないが、外見は内面の一番外側と言わざるを得ない。
元バンドマンという経歴も面白いが、それ以上に目を引くのが年齢だ。2009年入社、Taku Inoueと同期である(イノタクはバンナムスタジオ入社だが)。仮に波多野GMが学部卒で浪人留年無しの新卒入社だとすると今年で36歳だ。36歳で部長…わかちこPや高山P、北島Pの若さにも驚かされたが、波多野GMは彼らを超えるやり手ということだろう。

波多野GMの実績

このプペル顔の男の部長就任が、なぜアイマスPにとって朗報なのか?
彼の実績と昨年までの第3IP事業ディビジョン、ニュービジネスプロダクションの仕事から紐解いていこう。

波多野GMはアイマスやテイルズのイベント事業を中心にやってきたらしく、バンナムフェス、Pにとっては悪名高きアソビストアやAsobistage、更にはMIRAIKEN studioの立ち上げにも関与してきたようだ。

「アイドスマスター」の衝撃。巴Pなのだろうか

Asobistage、アソビストアはP目線ではプレミアムでもロクにチケットが取れず、余計なペンライト演出のせいで有料配信でも頻繁に鯖落ちするよわよわプラットフォームだが、調べてみると思ったより色々な事業を行なっていて面白い。

アソビ…という言葉で思い出されるのはまず電音部だろう。やはり波多野GMも関わっているらしく、公式サイトにクレジットされていた。

リードプロデューサーって何だよ

謎のレーベル「Asobinotes」

さてここで、大元のサブスクとレーベルの問題に話を戻そう。
電音部の音楽レーベルは「Asobinotes」という謎のレーベルである。これは22年度の再編で旧ランティスとサンライズミュージックが合流したバンナムミュージックライブ社の主要レーベル一覧に掲載されていない

Asobinotesについて調べてもイマイチ何やってるのかよくわからないのだが、公式Twitterによるとこういうことらしい。

バンダイナムコエンターテインメントの「オト」で「アソブ」事業である 「サウンドエンターテインメント事業」が展開するレーベル
https://mobile.twitter.com/asobinotes876?s=21&t=9V9WZ9wmypLoJuWSmiTS2w
自己紹介欄とWebサイト欄に同じリンク書いてるの無能くさくないか

どうやらバンナムミュージックライブ社のレーベルではなく、音楽を中心とした総合エンタメを一体感をもって提供するためにバンダイナムコエンターテインメント社内に立ち上げたレーベルのようだ。
先述の通りバンナムグループ内では効率化のために分業と再編を繰り返してきたが、それでも別法人となれば各社での利益の最大化を図ることになる。業務の効率化はできるだろうが、結果としてコンテンツが縮小する判断にも繋がり得るだろう。
そこでコンテンツ単位での意思決定を最適化するために、ビジネスの企画からプロマネ、運営、出版、配信プラットフォームまで自分達でまかない、グループの潮流に敢えて逆行しているのがAsobinotesチームのようだ。
ちなみにAsobinotesはテイルズの25周年オーケストラコンサートのCDも出版していた。(20周年コンサートはワーナーミュージック)
電音部などニュービジネスプロダクション管轄のコンテンツのみならず、既存コンテンツのCD出版を行う可能性もあるようだ。

Amazonではインディーズレーベルになってました…🥺

そして波多野GMが昨年度まで所属していたのが、Asobinotesの責任部署であろう第3IP事業ディビジョンのニュービジネスプロダクションである。

バンナムはアイマスの改革を行おうとしている

昨年までの第3ディビジョンはニュービジネスプロダクションと権利関係の調整を行うライセンスプロダクションの2つだけで、既存コンテンツIPに特化した事業をしてこなかった。
(ちなみにライセンスプロダクションの社員を検索してもアイマス関連の記事しか出てこない…それだけアイマス関係のライセンス調整に苦労してきたということだろう)

2021年度の組織図。アイマスは第1、第2IP事業ディビジョンのどこかのプロダクションが担当していたと思われる。数年前には坂上Pが第1ディビジョン内で部長職をしてたようです

そこに2022年度の再編で、第1or第2事業部から飛び込んできたのが765プロダクションである。
これが何を意味するか、ここまで読んでくれた暇人は理解できると思う。
増築を繰り返して梅田駅地下街のようになったアイマスの版権整理と、より強力なコンテンツ供給を可能にする体制づくりが彼らのミッションだ。

界隈では「ラブライブやアイカツと比べて明らかに供給が遅い。バンナムはアイマスを見捨てて畳もうとしているのでは…」といった悲観的な予想も散見された。
しかしバンナム側も我々と同じく、アイマスのがんじがらめっぷりに「あまりにも勿体ない、もっとできるコンテンツなのに」と焦ったい感情を抱いていたのだ。

結論。765プロダクションを推します

この投稿のような内容を筆者のような拗らせオタクが嗅ぎ付けることは、バンナム側も重々予想していただろう。(調べると2月時点で反応しているPさんが何人かいました)
それでもアイマスの責任部署であることを明確にした名前の部署を設立した。それだけ波多野GM率いる新生アイマスチーム「765プロダクション」に熱意と自信があるということだ。

波多野GMがアイマスの配信に出てこないことも好感度が高い。
従来のアイマスチームなら新しいトップをいち早く「アイマスおじさん」の一員として取り上げていたはずだ。
波多野GMのベンチャー起業家のようなビジュアル、元バンドマンという肩書き、新規事業を行ってきた経歴からも、彼がオレンジの変態のような出たがりな性格の持ち主であることは予想できる。
にもかかわらずGM就任直後のシンデレラ10thFinal公演に集中してもらうために姿を隠し、その後も出しゃばらずにアイマスの業務KAIZENに全力を注ぎ込んでいる…これは推すしかないでしょ。
波多野GMが一日僕を意識してくれる権利をクラファンしたら迷わず購入します。

きっと大きな改革になるので、今までになかった問題が起きることもあるだろう。Pとして悲しくなるようなこと、たまらずお気持ち表明したくなることも起きるだろう。
それでも、バンナムがアイマスを諦めずにいてくれたことが理解できて嬉しいし、不安以上に期待感をもって応援したいと思う。

波多野GM、765プロダクションの皆さん、がんばれーー!!

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