見出し画像

私たちの暮らしそのもの、地方自治とは?ーPART1-

私たちのふだんの暮らしは、住んでいる地域社会に基づいています。

たとえば、東京都世田谷区に住んでいる人は、世田谷区の行政サービスを受けることになります。そこから、神奈川県の鎌倉市へ引っ越しをすると、こんどは鎌倉市の行政サービスを受けるようになります。

行政サービスは、「住民票」を置いている市区町村で受けるのが基本です。

なので、たとえば住宅ローンの関係で、住民票だけ先に引越し先に移すケース。
実際の引っ越しはまだ先であっても、住民票を移した時点で、引っ越し先の国民健康保険や、医療費助成を受けるということになります。

そして、それらの行政サービスは、地方自治の一部です。

私自身、妊娠〜出産〜子育て〜引っ越しを経験してみて、地方自治とは、私たちの生活そのものなのかもしれない、と思うようになりました。
そこで、まずは「地方自治」について、一般的に言われていることをまとめてみたいと思います。

そもそも地方自治ってなんだろう?

「地方自治」とは、「都道府県・市区町村など、その地方や地域の運営について、その住民が自主的に政治を行うこと」とあります。

地方自治を行うのが、「地方自治体」。地域の法律である「条例」を定めたり、学校や道路などの生活にかかせない基盤を整備するのは、地方自治体の仕事です。

地方自治体の仕事の内容と権限は、法律に違反しないかぎり、自治体の判断にゆだねられています。
つまり、地方自治体は地域の状況にあった施策を、自分たちの責任で行うことができます。

地方自治体の種類

地方自治体=いわゆる役所(市役所、区役所、町役場etc)というイメージでおおかた間違いではないと思います。
地方自治体は、「普通地方公共団体」と、「特別地方公共団体」の大きく2つに分けられます。

今回、話をしていくのは、上の図のピンク色の部分(普通地方公共団体)です。
ちなみに、特別地方公共団体の中にある、「特別区」とは、みなさんもご存じの東京23区のこと。特別地方公共団体については、もう少し勉強をする必要があるので、今回はスキップいたします。

普通地方公共団体の中には、都道府県と市町村があります。
都道府県は、1都1道2府43県のこと。
市町村は、2023年6月時点で、日本全国に1,718市町村あるそうです。市792、町743、村183という内訳です。(総務省HPより)
市町村は、さらに市・政令指定都市・中核市・町村に分けられます。

こちらのアカウントで主に取り上げていく地方自治は、この中の「市」がベースになるかなと思います。

市は、町村に比べると処理することのできる仕事の範囲が広くなっています。
たとえば、町村では、生活保護の仕事や児童福祉の仕事は県が行います。それに対して市は、これらの仕事を自ら実施することができます。

政令指定都市や中核市になると、市町村で行うことができる仕事の幅がさらに増えるメリットがあります。これについては、また追々、取り上げてみたいと思います。

ちなみに、神奈川県の市町村数は33。
市19、町13、村1という内訳です。
その中で、政令指定都市は、横浜市・川崎市・相模原市の3つ。1つの県に政令指定都市が3つもあるのは、全国で唯一神奈川県だけだそうです。

中核市は、神奈川県では、横須賀市のみとなっています。(2023年6月現在)

国、都道府県、市町村それぞれの役割は?

ここまでは、地方自治体の基本的な分類について書いてきました。
それでは、実際に、役割にはどのようなちがいがあるのでしょうか? 

国のおもな役割

まずは国のおもな役割について。

自分たちの生活に直結する部分ではないものも多いため、身近とはいいがたいです。

しかし、子育て世帯が支給されている「児童手当」や「児童扶養手当」、ほかにも生活保護などは国の事業です。
実際の手続は、各市町村が行っているため、気付きづらいのですが、じつは国の制度なんですね。

都道府県のおもな役割

つづいては、都道府県のおもな役割。
私はここが一番想像しづらかったです。

実際に住民とやりとりをする仕事ではないけれど、私たちの生活に繋がる部分を縁の下で支えてくれているイメージでしょうか。

飲食店や美容院、旅館などの営業許可などは県の管轄。事業をやっている方は、接する機会が多いのかもしれません。

市町村のおもな役割

さいごは市町村です。ここが私たちのイメージする「行政」の仕事ではないでしょうか。
引っ越し、結婚、出産etc何かと手続きに出向くのは、やっぱり市役所ですよね。

住民票などの交付業務だけでなく、私たちが安心して日常生活を送ることができるようなさまざまなサービスを行っているのが、市町村です。

子どもを病院に連れていくと無償で受診できる、決まった日にゴミ回収をしてもらえる、蛇口をひねると水が出るetc
日々の生活の「当たり前」を支えているのが、市町村のサービスだと感じました。

ここまで、地方自治とは何か、国・県・市町村の役割についておおまかに整理してみました。

PART2では、その中でも市町村がどんな仕事をになっているのか、掘り下げていこうと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

<参考文献>
これからの地方自治の教科書 〈著〉大森彌、大杉覚

●自治体クリップ「地方自治について知ろう!種類と役割」https://clip.zaigenkakuho.com/chiho_jichitai_shurui/

●総務省「地方自治制度」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/gaiyou.html

●NHK for school  アクティブ10公民
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/outline/?das_id=D0005120489_00000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?