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アニポケ神回「ただいま、はじめましてアローラ!」が、現代の生き方を示してくれた

いちポケモンファンとして、きょう(2020年9月13日OA)で示してくれたアニポケ(アニメのポケモン)の話にめちゃくちゃ感動しました。

もはや感動という言葉では言い表せないくらい「現代において学ぶべきことってそれだよね!!」の思いが溢れてたまりません。
もはや、現代を生き抜くための教科書にしたいくらい示唆が富んでいました。
アニメを作ってくれた方々、携わって下さった方々、本当にありがとうございます。

もしかしたら、今放送の話がしたいがために、今回のアニメが放送当初から「ポケットモンスター ソード・シールド」ではなく、全ての地方を横断する「ポケットモンスター」にしたのでは??と思うくらい、サトシだけでなく、共同主人公のゴウにとってもターニングポイントになった話なのではないかと分析しました。


あらすじ

アニメ「ポケットモンスター」のサトシの夢と言えば「ポケモンマスター」になること。
つまり、ポケモンとポケモンとのバトルをして、どちらが強いか勝負を重ねた上で、誰よりも強いトレーナーになりたい!というのがサトシの夢です。

一方、今回のアニメ「ポケットモンスター」はダブル主人公になっていまして、もう一人の主人公・ゴウがいます。ゴウの夢は「全てのポケモンをゲットして、最終的にミュウをゲットすること」。
連想されるのは「ポケモンGO」のGO。つまりゴウとしては、バトルはあくまでも手段として、ポケモンのことをとことん知り尽くしたい!という思いがあります。


アローラ地方(サン&ムーン)へ

そして、アニポケ今シーズン37話にして迎えた「初アローラ」。

アローラ地方とは、前回の「ポケットモンスター サン&ムーン」の舞台です。
ファンとしては「リーリエのお父さんって結局どこにいるの?」など様々な疑問を残しつつ、最終的にはサトシのリーグ初優勝もあり、大団円を迎えたアニメシリーズでした。

主要キャラクターの一人は「カキ」
バクガメス・リザードン・アローラガラガラといった炎系が得意な、サトシの親友=“ライバル”です。

今回、「ポケモンマスターになりたい」サトシと、どうパートナーシップを築くかについて、旧"ライバル"であるカキと、現"パートナー"であるゴウの会話が大変興味深かったので記載いたします。

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カキ VS ゴウ

カキとゴウの初対面。
ゴウがサトシの親友だと知ったカキは、こう迫ります。

カキ -- どっちが強いんだ? ポケモンバトル。サトシといつも一緒にいるんだろ?ってことはバトルもするんだよな??

サン&ムーンを知るものとしては当然です。
カキがいたからサトシは強くなれたし、リーグ初優勝ができた一因にはカキがいたから、と言っても過言ではありません。

しかし、ゴウのリアクションは違いました、

ゴウ -- ああ、たまには、ね。
カキ -- !? たまには、だと!? たまにってのは聞き捨てならない。お前がどれだけあいつらを鍛えているか!

カキとしては、かつてスキルを競い合った自分がそばに居られない悔しさを、ゴウに肩代わりして欲しいという、ある種身勝手な思いがあるわけです。
でも、どうやらゴウはサトシのライバルではないと知ってしまいます。

カキ -- ゴウがサトシのライバルとして相応しいヤツかどうか見極める! サトシの一番そばにいるヤツは、サトシの夢を手助けできるくらい強いヤツじゃないとダメなんだ!!
ゴウ -- 分かった。。 そこまで言われたら、やるっきゃないっしょ。オレにだって意地がある!

カキに挑発されたとはいえ、バトルを決意するゴウ。
バトル途中で、カキはアローラ最強の技「Z技」を繰り出すことを宣言します。

その後のゴウの発言が痺れます。

カキ -- それでこそサトシのライバルだ!
ゴウ -- さっきからライバルって。。 お前は間違っている!!
カキ -- 何っ!?
ゴウ -- オレはサトシのライバルじゃない! それに俺、サトシの夢を手助けする気なんてさらさらないから。大体、夢っていうのは、自分の力で辿り着くものだろ!? 俺の夢は…、未来は俺の手の中にある!! サトシだって同じだ!!

夢を持つことは、あくまでも「個」にあり、不可侵であること。
また、「個」は誰にも批判されるものではなく、自分自身の中にあることを「未来は俺の手の中にある」と、昔からゴウは常々表現してきました。

では、得意でないバトルを避けるかというと、そこは違います。

ゴウ -- ライバルじゃないけど、オレはサトシとリサーチフェローのパートナーで、、「友達」だ!! 友達だから、サトシの前では、恥ずかしくないバトルをしたい!!

ゴウの心意気を全身で感じたカキ。
バクガメスと共に、全力のZ技をゴウ&ラビフットに浴びせます。
結果、カキの機転によってきぜつはしなかったものの、バトルでは完敗するゴウ。

カキがゴウに、優しく手を伸ばしました。

カキ  -- ゴウ、サトシを頼むな。

ゴウの反応は意外なものでした。

ゴウ -- カキ、、。ライバルじゃないけど、頼まれてやる。
カキ -- あはっ(笑)ガンコだな、お前
ゴウ -- カキもだろ!?

おそらく、ゴウが言いたかったこととは、「バトルでは負けたものの、自分の意思には全く影響がない」という表明なのではないでしょうか。

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現代社会とポケットモンスター

ポケモンのアニメが始まって約20年。
現在、放送開始当初では予想できなかったような困難が、日本の現実社会を襲っており、「正解がない時代」と言ってもいいのではないでしょうか。

政府や自治体のコロナ対策については、昨日・今日・明日で価値観が変わる日々。
今日までの正解が明日の正解かは分からないという事実は、かつてなかった困難のように思います。

そんなとき、ゴウのセリフがこだまします。

ゴウ -- 夢っていうのは、自分の力で辿り着くものだろ!? 俺の夢は…、未来は俺の手の中にある!! サトシだって同じだ!!

サトシやカキが、「ポケモンマスター」としてバトルを極めようとしているように、ゴウには「全てのポケモンをゲットして、ミュウにたどり着く」という夢があります。

「全てのポケモンをゲットする」は、途方もない目標です。
ポケモンの世界には、世界中に1体しかいないような伝説のポケモンがたくさんいて、一部のポケモンには出会うことすら困難です。その上で、幻とされているミュウをゲットするとなると、とてつもない労力が要ることが想像できます。

つまりゴウは、「二兎を追う」ことすら難しい状況の中で、「二兎はもちろん、全兎追う」と決意したクレイジーな10歳であると言えます。

そのクレイジーさは、ポケモンの世界において、はっきり言って無謀です。
おそらくゴウの周囲は「死ぬまで絶対に無理」「がんばって7割くらいに留めておけば?」「ミュウに会えるわけがない」など、多くが非難したのではないでしょうか。

その環境下で、今回のセリフが身に染みます。

今回のアニポケ「ポケットモンスター」で、ゴウが何度も繰り返したセリフ「未来は、俺の手に中にあるっしょ!」が、ここにきて効いてきます。

つまり、どんなに世界が、環境が変ろうとも、「俺の夢」は変わらない、とゴウは言っているわけです。

ゴウの言う「未来」とは、自分の力で変えられるものであり、努力で叶うものと、とことん信じ切っています。

世界の価値観がコロコロ変わる中で、「ゴウの考えは甘い」と言うのは簡単です。
しかしながら、自らの力で夢にたどり着こうとしているゴウの姿を、誰が否定できるでしょうか?

前を向く限り、ゴウの未来に幸あれ!と祈ってしまうのは、視聴者の我々だけではないはずです。正解のない今だからこそ、ゴウの確かな信念が輝かしく見えたOAでした。

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