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自画像について

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多くの作家が自画像を描き、自分の内面を見つめてきました。そんな自画像に関する記事を集めてみました。
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#立てる自画像

久保田寛子さんによる屹立する人物像の考察〜松本竣介および佐伯祐三の自画像との相同性

表題画像は、岡山市北区金山にある養蜂施設の花畑です。一面ブルーの花畑の中に、一株だけで突き抜けて咲いている花がありました。 この花の立ち姿に、既視感を覚えました。それは、久保田寛子さんによる屹立する人物の絵です。 愛らしい感じの人物が、少し緊張した面持ちで、地を踏みしめて、すくと立っています。 この作品から、松本竣介の「立てる像」が思い出されました。 松本竣介は、その短かった生涯のなかで、戦中・戦後の間(はざま)に画業に取り組みました。困難な社会・生活環境のなかで、洋

もしも・・佐伯祐三の世界が、ヤマイチ アツコ・ワールドだったら・・

大阪中之島美術館では、開館1周年を記念して、「佐伯祐三ー自画像としての風景」(2023.4.15~6.25)が開催され、重要作品が日本全国から一堂に集められています。 佐伯祐三(1898~1928)は、学生時代から死の直前まで多くの自画像を描き、自分の内面を見つめてきました。 唐突ですが、そんな佐伯の自画像の世界が、もしも、ヤマイチ アツコ・ワールドだったら・・と急に妄想しました。 日本人は古来より、神や霊の来訪を、来訪者の姿を真似して演じてもてなし、祝いました。ヤマイ