見出し画像

平均年齢65才!広島ひかり園の草木染めチームを紹介します

 色鮮やかな手袋、手の込んだ刺繍、そして旬の植物を使った入浴パック野ノ湯。どんな人が作っていると思いますか?実は、平均年齢65才!広島ひかり園の草木染めチームで人生の先輩方が作られているんです。皆さんの魅力をもっともっと知って欲しくて、広島県に緊急事態宣言が出されていた2021年9月中旬、LINEのビデオ通話を使って、手袋を染める様子をオンライン取材させていただきました。

画像1

社会福祉法人ひかり会 広島ひかり園
障害者当事者の皆さんの願いで1968年に開園。身体に不自由がある人の生活の場でもあり、仕事の場でもある障害者支援施設。
広島県廿日市市永原5-1
TEL: 0829-74-0057
FAX: 0829-74-1245
HP Instagram Facebook

画像2

 広島ひかり園では、長年、自動車整備工場に向けて軍手を作っています。機械で編み上げた軍手の手首の部分をミシンで縫ったり、納品するために結束したり。年齢を重ねて、なかなか軍手の作業に入るのが難しくなってきた利用者さんもいらっしゃいますが、「仕事をしたい!」という気持ちは年齢を重ねても変わりません。そんな利用者さんの声に応えるようにしてできたのが、草木染めの手袋。軍手じゃなくて「手袋」だから、口の部分はフリフリにして、選べる楽しさを味わってほしいから、色々な植物で染めてみて。

画像3

 草木染めには大きく6つの工程があります。(詳しくは、職員の山崎さんが書いてくれた説明書をご覧下さいね)今回見学させていただいたのは、一回目の「③染め」と「④媒染」の工程でした。

画像4

 今回の染めの材料は広島ひかり園の食堂の職員さんが持ってきてくれたイチジクの葉。材料はなるべく旬のものを、無理のない形で集めていらっしゃるそうです。

画像5

 職員の山崎さんが事前に作った染料を一人ひとり桶に入れて、軍手を入れて、箸でぐるぐる混ぜながら取材がスタート。「明日は取材があるからオシャレして来て下さいね」と山崎さんに言われた皆さんのファッションポイントと一緒に、お一人ずつご紹介させて下さい。

広兼勇さん

画像7

ファッションポイント:「パチンコ野郎」のTシャツ
最高齢の新人!広兼さんは、涼しげなグリーンを着ていたけれど、実はピンクが大好き。若い頃はピンクの背広も着ていたそうですが、80歳を超えた今は「恥ずかしくって着ちゃおれん」のだそうです。「パチンコ野郎」のTシャツを着ている広兼さんだけあって、ギャンブルが大好きだったそう。仕事の後は、園内で麻雀も嗜まれています。(もちろんお金は賭けません。笑)

田中勲さん

画像7

ファッションポイント:24時間テレビのTシャツ
普段は刺繍をしておられますが、この日はオンライン取材ということで草木染めチームに飛び入り参加!大好きな24時間テレビも「あんまり見よらん」ほど「刺繍ばっかりしよる」そうで、ご自身の部屋ののれんも手作りされています。

画像8

ベランダガーデニングも嗜まれていて、フウセンカズラ・オジギソウ・朝顔・ひまわり・紫蘇・サクランボ・かぼちゃ…ご自身で色々育てていらっしゃいます。

画像9

石田英則さん

画像10

ファッションポイント:特になし
ビデオ通話初体験だった石田さん。「ドラえもんの世界みたいだ」と大変驚かれていました。
石田さんの趣味は、るるぶやマップルを見ながら旅行の計画書をワープロで作ること。「中国地方と、四国地方と、福岡県で祭りがあって、観光する場所を書いてあげます。」とおっしゃってくれました。でも「半信半疑でいて下さい。」とも言っておられました。(笑)
そんな話をしていたら、タブレットを持っていた職員さんの指が滑って石田さんがウサギに!

画像11

石田さんも一緒になって、みんなで大笑い。ナイスキャラの石田さんです

河野敦也さん

画像12

ファッションポイント:パンダのTシャツ
ちょっとシャイな河野さん。この日ためにご自身で選んだのはお気に入りのパンダのTシャツでした。河野さんはアート活動もされていて、おもしろい作品をたくさん作っておられます。

湧広幹夫さん

画像13

ファッションポイント:今は亡き奥さまからのプレゼント、お酒のTシャツ
「ハロー」と陽気に挨拶してくれた湧広さんは、草木染めチーム歴10年の大ベテラン。好きな色は「赤」ということで、アカネで染めた手袋がお気に入りのようです。「仕事は楽しいですか?」と聞いてみると「おもしろくって楽しいですよ、みんなで和気あいあいやっています」と答えてくれました。この日はとっても元気に受け答えしてくれた湧広さんですが、実はこの夏、入院されていたそうです。「大変でしたね」とお声かけさせていただくと「早くここに帰ってきたかったよ」とおっしゃっていました。

藤原勝則さん

画像14

そしてもうお一方!後日、職員の山崎さんから「草木染め手袋のタグの絵を描いている大切な仲間がいるんです」とご紹介いただいたのが、かっちゃんこと藤原勝則さん。

画像15

かっちゃんの部屋の前の壁には、要らないウエスをもらって描いた絵が飾られているそうですよ。

画像16

さいごに

konkonでは時々、福祉サービス事業所とお客さまをつなぐZoomのお話し会を企画しています。お話し会の前、お客さまは「緊張します」「うまく話せるかな」と不安な気持ちを打ち明けて下さいます。でもね、何の心配もいらないんです。作り手のみなさんの懐の深さに身を任せてしまえば、とても楽しい時間を過ごせちゃうんです。今回のビデオ取材では「やっぱりそうなんだ」と再確認できました。広島ひかり園の草木染めチームの皆さんの懐の深さ、人としてのあたたかさ、そしておもしろみ、感じていただけたでしょうか?この記事が、広島ひかり園の商品をもっともっと愛しく思うきっかけになれば幸いです。

画像17

konkon
障害のある"人の魅力"を伝えるために①障害福祉サービスの商品販売、②作品展企画、③常富芳香さんマネジメント等広島を拠点に行っています。
ひとりでも多くの方に「こんこん」と気軽にノックしてもらえますように。
Online Store Instagram Facebook

お知り合いにご関心のある方がいらっしゃいましたら、こちらの記事を紹介していただけると、とてもうれしいです😊