罵倒語なんて使わないに越したことはなく、良いも悪いもないだろう、とは思うのだけど、人生にはどうしても許しがたく、心の平安を保つために何か言葉として自分の中のドロドロを吐き出さなくてはならない時がある。

そんな時、できればその用途以外の不要な人々への余計な攻撃は避けたいわけで。平たく言えば、使うだけで関係ない一定の人を攻撃してしまう言葉があるので、その辺りをウッカリ使って誤爆しないように、一回整理しておこう、という試みです。

調べてみたら意外な罵倒語が意外な語源だったりして、軽い気持ちで調べ始めたら案外面白かった、という。

これをもっとちゃんと調べて、夏休みの自由研究にいかがでしょうか。先生からの評価は別れるかもしれませんので、取り組むなら自己責任で。

調べ終えて、今後は「トンチンカン」や「バカ」（関東在住ゆえ）を積極的に使っていく方向で行こうと思いました。ツヨポンはノリツッコミでいつも正しい罵倒語を使っていたんだな…。

挙げた以外にも良さげな？罵倒語がもしあればご紹介ください。あと私が良い（誤爆の心配がない）とした中に、思わぬ地雷が隠れていた場合にも、ぜひ教えてください。

〈良い罵倒語〉
上から順に安全性？が高いものとなっています。あくまで私の私見ですが。

・トンチンカン（鍛冶などで師が鉄を打つ間に弟子が槌を入れるため、ずれて響く音の「トンチンカン」を模した擬音語であった。 音が揃わないことから、ちぐはぐなことを意味するように）

・あんぽんたん（阿呆と愚か者の意味のだらすけが複合された「あほだら」や「あほんだら」がそのまま転じたとする説と、そこから更に反魂丹（はんごんたん）や萬金丹（まんきんたん）といった薬の名前をもじったとする説がある。友人から寄せられ追記）

ポンコツ（古くは、拳骨（ゲンコツ）で殴ることを意味する言葉。 拳骨で殴る意味から「大きなハンマー」を意味するようにもなり、自動車をハンマーで解体することから老朽化した自動車を「ポンコツ車」と呼ぶようになったのだとか。思い出し追記）

・タワケ（田分けと書き、子どもの数で田んぼを分けると、孫の代ひ孫の代と受け継がれていくうちに、それぞれの面積は狭くなって少量の収穫しか入らず家系が衰退する。そのような愚かな事をする者、の意。友人から寄せられ追記）

・マヌケ（テンポが合わないこと）

・アホ（使うなら関西人限定。秦の始皇帝が異常に大きな宮殿「阿房宮」を建てたことからとする説と、中国江南地方で「おばかさん」を意味する方言「阿呆（アータイ）」から転じたとする説がある）

・バカ（使うなら関東人限定。語源は意外と高尚で、サンスクリット語で「無知」や「迷妄」を意味する「baka」とする説と、『史記（秦始皇本紀）』の故事「鹿をさして馬となす」からという説がある）

・クソ（排泄物。ウ◯コさんのことである。英語圏ではハローと並ぶ頻出語。運動が苦手な人のことをウ◯チと呼ぶのは運動音痴の略称であり実はウ◯コさんは関係ない）

・アッカンベー（赤目が訛ったもの。実はベロは必ずしも出さなくても良いんですな。チコちゃんの番組でやっていたそうですが）

・オタンコナス（佐々木倫子さんの漫画のタイトルにもなったことから最も安全な罵倒語かと思いきや、語源は実は下ネタで、下に紹介する悪い罵倒語＝差別用語①に該当しますが、現代ではその意味が失われているのでギリギリセーフ？として良い罵倒語に）

・スットコドッコイ（語源は裸同然のボロボロの格好でウロウロする者の意味で、詳しく辿れば下の差別用語③に当たるが現代では意味が失われry）

・コンチクショー（グレーゾーン。畜生＝動物を悪く扱っているという点ではアウトかもしれない）

・ウッカリ八兵衛（グレーゾーン。八兵衛さんが聞いたら気分を害するかもしれない）

〈悪い罵倒語〉
気分が悪くなるので同系統のものは省き、とりあえず３系列。解説を書いていて気づいたが、どれも差別用語なんだな。さらに追加で２例。

・◯ゲ（①身体的特徴を使った差別系列。例は関西だとわりとカジュアルに使ってしまう罵倒語。使う対象が実際に◯ゲている必要はなく、むしろ罵倒語としてはフサフサの相手に使わないと成立しないという不可思議な罵倒語でもある。デ◯、ブ◯、ブ◯イクなども同系列だが、心のブ◯を扱うDJあおいさんの罵倒は差別的に響かない不思議。）

・シ◯タイ（②能力的特徴を使った差別系列。例は身体障害者の略。略称すら用いず「アイツ障◯者じゃね？」とストレートに使う輩もいる。自分が理解できない相手に「頭おかしい」などと使う類型もある。他にノ◯マ、グ◯、ボ◯など）

・バカ◯ョン（③人種・社会的立場・貧困等の差別系列。例はバカと朝鮮関係の方を並列にした罵倒語。昔写ルンです等のインスタントカメラをこう呼んでいる時代があった。同系列にク◯ンボや◯ジキなどがある。オ◯マなどはここなのか②なのか？）

・ボケナス（ナスというのは、環境の良すぎるところで育てると実を付けなくなる性質があり、何不自由なく環境の良すぎるところで育つと自分では何もできないお坊ちゃんお嬢ちゃんになる、ということを揶揄した語。良い罵倒語か悪いのか迷ったのだけど、子孫を残さないものを役立たずとする価値観が現代的にアレな気がするので…系統的には差別用語②の仲間かな？類義語にドテカボチャがある）

・お前の母ちゃんデベソ（グレーゾーン。母ちゃんが巻き込まれる。兄弟喧嘩でこれをやられると被害者は母のみである←経験済み。あ、あとデベソの人が悲しむ。差別用語①）