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魔々勇々第18話感想&掲載順考察(ジャンプ8号)

この記事で掲載している画像は全て2024年週刊少年ジャンプ8号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次話はこちら

サブタイトルは「たゆんたゆん」
何事かと思ったらまんまたゆんたゆん。

やるって宣言してしまった掲載順考察は一番最後にします。

相変わらず場面がめまぐるしく動いて一話の情報量がすごい。
そしてどの場面も触れたいから長くなる。
面白いなー。そして期待してたモニカ、期待を超えるキャラだったなあ。

◆ラルフレッドvsエスカバ

いったん平和モードになったコルエリパートからの切り替わり。
柔らかい文字を壊すことで緊張感を取り戻すサブタイトルの使い方がおしゃれ。
柔らかいっていうかストレートにおっぱいのことだったんだけど。

エスカバの激昂した表情がめちゃくちゃ意外だった。
行き違いによる哀愁とか嘲りじゃなくて怒りとは。
表情が武器の漫画なのは知ってるんだけど、ここを強い怒りにすることで興味を惹くの本当にうまい。
今回エスカバ「ラルフレッド!!」しか言ってないのに全然キャラの印象変わったよ。
ここの因縁は明らかに練ってある様子。気になる。

そしてコルレオを思い出して対話を試みるエスカバがめちゃくちゃ熱い。
「悪を滅する」一辺倒だった男が仇を前にしてコルレオの顔を思い出すことで冷静に。
体に攻撃が刺さった状態で説得を開始するところまでコルレオリスペクト。
コルレオ…お前何人の人間をたらしこめば気が済むんだ。
魔々勇々ってそういうことなの?
魔王も勇者も男女問わずみんなコルレオに重い感情ぶつけてこいってことなの?

そしてメタ的に考えると、問うことに尺を割くということは姫の死には理由があるということ。
この行き違い方を見るに、互いを憎しみの対象とする形に仕組まれていたとしか考えられない。
一つの世界という次元を超えて、魔王と勇者を争わせようという何かしらの力が働いていることを予感させる。
グリシャの差し金の可能性もあるし、グリシャすらもっとでかい黒幕の掌の上の可能性もあるような。

◆「口説き落として 味方につけろ!!」

ついにモニカ登場!
前回ミネルヴァがコルレオに囁いたのはモニカ懐柔。
短期間でモニカの事情と性格を見抜いた上でコルレオに伝えたミネルヴァ有能すぎる。
それでも説得を自分じゃなくてコルレオに託すんだな。
コルレオの人格に対する味方チームの信頼感すごいな。

・がっつり騙されてる…

相変わらずツッコむときのコルレオは表情も台詞もキレッキレだしうんこ勇者は草。
林先生、うんこ出しとけば少年喜ぶって思ってるかもしれませんけどそれはコロコロコミックまでです!
って言いたいんだけどやっぱ俺うんこ好きなんだよな。
なんでうんこってこんなに面白いんだろうな。

さて、ここを見ても、魔王の立場で目指すのは「世界中がニコニコ」。
争いを目的としてはいない以上、魔王勇者間に本質的な対立要素はないはず。
他方で禁断ラブとか言ってることからすると、対立を煽る何かの力なり暗躍なりがあることは確定な気がする。

そんで頭の悪そうな子にだけ全く駆け引きなく完全な嘘で利用しようとしてるグリシャ本当にクソだな…

・やっと見つけた…モニカの居場所なのよ…!

こういうのがほんと好き。
やんちゃで話聞かない系のキャラってどうしても最初「めんどくせえ…」ってなりがちなところ、初めからかわいさで緩和しておいて、更にシンプルな孤独を描くことで行動に説得力を与える。

このコマで十分すぎる

何種類表情の引き出しあるんだろう。
紋章術抜いても獣要素がなくなってないことから、珍しい獣人って種族だったせいで迫害受けてたのかなとか想像してしまう。

・コルレオお前・・・

人たらしめ!
自覚のない奴が一番タチが悪い。

分かってやってない?

でも居場所がなくて嘘に怯えているモニカに対してはこれが正解なんだよな。
目線を合わせるために膝立ちになってるのもいい。
幼い子なのはもちろん、獣的な性質に対しても、怯えを解消するのに目線を合わせるというのは効果的。
その上で、飾らない言葉で必要な存在だと伝えてもらうというモニカにとっての一番の正解を、理屈じゃなく導き出せるのがコルレオ。
自分だってモニカに近づいたのは打算なんだから、理屈だと説得できないんだよな。モニカ視点、自分を利用しようとしているのは同じなんだから。
コルレオの異常な善者性が光る。
ミネルヴァがコルレオに託したのは英断。

そしてコルレオめっちゃ強くなったな!
宿儺さんレベルの斬撃の切れ味出してるじゃないか。
これでも斬れない氷の竜出してたクプトゥラめっちゃ強かったんだな。
※追記
…と思ってたんだけど、コルレオが一番強い力出すのは守るときだということに気付いた。
クプトゥラ戦は説得の過程ということに加え、エリシアから「悲しい魔王」と聞いてたことから考えると、相手を倒すことに強い目的意識を持てなかった可能性が。
今回、「モニカを守るため」って目的意識に加えて、相手が倒すのに躊躇のいらないエンドのコピーだったことで最大出力が出たのかも。
いずれにせよ成長の早さが明らかに別格で、グリシャもそりゃ欲しがるなと。

・モニカ総評

表情がころころ変わる獣系キャラというのが林先生の作風にかみ合いすぎている。
寂しげな表情もほだされた表情もムッとした表情も最高。
キャラを追うのが楽しいこの漫画で感情表現豊かな味方が増えるのは嬉しい。
相手と対面したときの熱いセリフはたくさん見られたけど、実は味方同士の会話は今のところそんなに多くないので、次回以降モニカを起点にいろんなキャラの会話が見られると思うと期待しかない。

◆グリシャミネルヴァパート

相変わらず頼もしいミネルヴァ。
どっかにやったんじゃねーか?のコマの表情を見るとやっぱりチームから離れてしまったのが寂しいけど。
というかそのコマ、髪に目がついてません?
エンドに既に取り込まれつつある?
※追記
目がついてるの檻でした。第一話でエヴァンが言ってた「仕掛けのある牢」ですね。

・答え合わせ

前回の予想は完全に外れて、グリシャの目的はミネルヴァをエヴァンの憑代にすること。
これは…どういうことだ?
単なる蘇生だと紋章の効果は復活しないところ、魔王か勇者を媒体にすれば紋章の効果ごと蘇生できるって感じかな?
うっかりミネルヴァに受胎させる説をXで見てしまったけどあまりにも恐ろしすぎるから見なかったことにする。

エヴァンが復活するとして、ミネルヴァの外見で中身がエヴァンになるのかとか、グリシャの思うままに操作されてしまうのかとか妄想はつきないが、今の段階ではちょっと確定的な予想は難しい。
コルレオの中にもエヴァンの人格的なものが残ってる描写もあったしなあ。

◆まとめ

今回も濃密な1話だった!
この漫画においてキャラが増えるのは単純に強力な武器が増えるということに他ならない。
この状態で伏線をちりばめた世界観にしっかり切り込んでいけば、キャラの魅力にファンタジー要素の魅力も加わって無敵の漫画になると思う。
1話で世界観をチラ見せし、以降はキャラ立てにシフトしていただけで、魔々勇々は相当奥深い世界感が練ってあると思っている。
ミネルヴァ奪還に向け、味方チームがそろった状態からどう物語が動くのか本当に楽しみ。
でも、1話くらいずっと味方だけで会話してる話をはさんでもいいんですよ!

・掲載順考察

さて、最後に掲載順考察。
最初に言っておくと、ファンが掲載順を気にすることは作者に何のプラスにもならないと思っている。
100時間掲載順について考えるより1分で魔々勇々にアンケ入れたほうが作品のためになることなんて火を見るより明らか。
なので、ここから先を読んでくださるような方は、まず魔々勇々にアンケを入れてから読んでいただければ嬉しいです。

アンケ入れましたね?では続きです。

気にしてもしょうがないとはいえ、やっぱり「絶対打ち切られてほしくない!」という思いがある以上、掲載順はどうしても気になってしまう。
そして、海外の方からすら質問がくる以上、ニーズがある話題なんだろうってことで今回に限り個人的な考えを長めに書くことにします。

最後尾になってしまうこともある以上、ファンとはいえ楽観視はとてもできない魔々勇々の掲載順。
しかし、結論からいうと巻き返しは可能だと思っている。

この記事を見る限り、4話で人気が芳しくなかった呪術廻戦、10話まで人気が取れなかった銀魂も、そこで打ち切りの判断はされていない。
一方で、この記事にはないけれど「ジガ -ZIGA-」は3話で打ち切りを宣告された…という噂がある。

これらから何が分かるかというと、掲載順だけでは推測材料が足りないということ。
上記記事の空知先生のコメントに誇張がないのであれば、連載陣の中で人気最下位だった銀魂が打ち切られないのはジガとの整合性が取れない。
そして、掲載順の最下位というのは、相当頻度で入れ替わるため、1回の掲載順だけでは人気が最下位なのかは判断がつかない。
そうすると、掲載順が最下位だからといって人気が最下位とは限らない上、最下位でも順位だけを基準にすぐに打ち切られるわけではないということになる。

時期によってはさっさと打ち切りを決めなければいけないことがあるのか、連載陣の中での順位だけでなく得票数も判断基準になるのか、それは分からないが、掲載順からだけでは読み取れない要素も加味して打ち切りは決められている。当然のことだが。

一つ客観的な情報としていえるのは、魔々勇々、カグラバチ、ツーオンアイスのいわゆる手塚賞受賞組は、センターカラーを最初の2話以外で複数回もらっており、コミックスの発売も連載開始から遠い日付であるということ。
この3作品の現在までの掲載順は、通常なら複数回カラーをもらえるような順位ではない。
そうなると、コミックス発売の遅さと合わせて、打ち切るかどうかの判断に多少の期間的余裕を持つ方針が初めからあったのではないかという推測ができる(あくまで推測だが。)。
だって、言葉を選ばずにいえば、魔々勇々とツーオンアイスの掲載順は、14話で打ち切られてもおかしくない推移をたどっているし、カグラバチですら複数回カラーをもらえるような推移ではないのだ。

そうであれば、今から人気が出た(もしくは今人気が出つつある)としても間に合う。
銀魂パターンである。
自分の記事のビュー数の推移を見ても、9話を境に平均的な閲覧数が明らかに伸びているので、人気が伸びつつあるのは自分のような超弱小noteからも読み取れる(一時期書いていたすごいスマホの感想は回を追うごとに閲覧数が減っていた。)。
これに加えてコミックスの発売が追い風になれば巻き返しは十分可能。

他方、アニメ化プロテクトもかかった中堅~上位陣をすぐに超えるのは難しいため、当面は今のような状態で下位グループで最下位を順番に回す状況は変わらないと思う。鵺の陰陽師はすごいよ本当に。
でも、この状態に一喜一憂せずにアンケートを入れていけば下位作品グループの争いには生き残っていけるし、ヒロアカ等の看板勢が円満終了する頃にはしっかりしたファン層がついて、スロースタートになってしまった現状を十分覆せるというのが自分の考えである。
一度はまったら逃げられない魅力がこの漫画にはある。ファンは増えることはあっても減らない。

あと、展開から打ち切りを予想するのは野暮だけど、打ち切り宣告されてたら今週の伏線の広げ方は明らかにおかしいというのも一応ポジティブな要因ではある。

ということで、結局全部希望的観測でした!
アンケート入れて応援しましょう!
そして何より作品を楽しみましょう!
掲載順を気にして作品を楽しめないことほど悲しいことはないですから、この希望的観測を信じて今後は内容に集中しましょう!
考察終わり!

◆過去話感想

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◆特別編 魔々勇々の魅力


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