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建築家、映画を語る。「東野英治郎」

古今東西の映画史上、私が一番好きな俳優は、三船でもデ・ニーロでもホッパーでもデュバルでもなく、東野英治郎である。

ひとたび東野英治郎が酔っ払ったら、そこには宇宙が発生する。

東野英治郎が酔っ払った瞬間、人生の悲哀、悦び、儚さ、デタラメさ、美しさ、が同時間的にスクリーンに立ち現れてくるのである。

例えば、一流の小説家が一冊かけて描く世界観を、酔っ払った東野英治郎は1分で持っていく。

人生とはどうしようもなく辛く、そして愛おしい。

すなわち人生とは、東野英治郎の酔っ払い姿そのものなのである。

気がついたら、オレも呑み屋のカウンターで東野英治郎になっている。

オレも東野英治郎、オマエも東野英治郎、オレとオマエと英治郎。

東野英治郎酔っ払い映画ベストスリーは、

小津安二郎『東京物語』、小津安二郎『秋刀魚の味』、そして、川島雄三監督『青べか物語』だ。

そして今宵も、東野英治郎に追いつけるようオレも全身全霊で酔っ払うのである。

『青べか物語』川島雄三監督


『秋刀魚の味』小津安二郎監督


『東京物語』小津安二郎監督


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