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自己肯定感を育むSST(ソーシャルスキルトレーニング)

広島は蒸し暑い日が続いておりますが皆様の地域はいかがでしょうか?NPO法人日本インクルーシブ教育研究所の石井です。

さて、第7期学習・発達支援員養成講座4回目のテーマは『コミュニケーション』です。その動画視聴講座『自己肯定感を育むSST』が終わりましたのでお知らせいたします。講師は星槎大学総合キャリア支援センターカウンセラーで星槎国際高校 スクールカウンセラーの武隈智美先生にお願いいたしました。

受講生からの感想をまとめましたので紹介します。

・武隈先生のひとつひとつの言葉に、自分と子どもたち、自分とまわりの人たち…さまざまな出来事やそのときの気持ちを重ねて聞かせていただきました。場面に応じて対応できる、竹のようなしなやかな心を育むことは、今までの、そして、これからの自分の課題です。ソーシャルスキル=教える・できるようにする、という捉えが自分にはありました。学習して、経験の中で身につけていく、練習練習また、練習。その時、意識することができるように、意識してできていることを褒めること。その子どもにとって、さらにこれが有ればいい力をアセスメントして、もっと高めていき、自己肯定感のたねを育むことをこれからも大事にしていきたいです。「自分の状況が安定しているからこそ」わたしは?自分を振り返る時間でもありました。ありがとうございました。【教員】

・「自己肯定感を育む」ことは、子どもたちと日々接するうえで意識している事ですが、本講座を受講して改めて振り返ってみると、自分自身も教育現場においても見直すべきことがたくさんあるように感じます。支援・指導するうえでラポール関係(信頼関係)を築くことは最も重要でありベースになると感じます。実際、支援・指導が子どもに届くかどうかも、ラポール関係が出来ているかで大きく違うことは体験済です。何を言ったか・何を教えたかではなく、子どもに何が伝わったかが大事であることに、ハッとしました。共に社会で生きる人・一緒に学ぶ人でありたいです。【特別支援教育アシスタント】

・当たり前のように使っていた「自己肯定感」という言葉を改めて考える良い機会になりました。そして、子どもたちの自己肯定感を高めるには、自分自身の自己肯定感を高めることや私たちの子どもへのかかわりや表情も大切であることを学びました。今までの先生方から学んだアセスメントをしっかりすることやその子の10年後、20年後を保護者とともに考えていくことの大切さも改めて感じました。自分が尊敬する方のお話は興味をもって聞くのと同じように、SSTを行う前に自分が子どもから信頼されるような人になることがSSTを効果的に行えることにつながるのだと思いました。多くの学びをいただき、ありがとうございました。【教員】

・自己肯定感は「生きる力」の源で、自己肯定感を育てるにはレジリエンス(柔軟な心)が必要で、それをSSTでそれぞれの様々な場面に対して対応できる力をつける。これは誰にとっても大切なことで私自身も柔軟な心でありたいと日々思います。子どもにどのSSTが必要か、困っているのは誰か?状況を理解するための観察や傾聴、聴くための関係性を築くラポール技法はこれから意識して行おうと思います。家庭ではついつい子どもの話を遮ることがあり、気を付けねばと思いました。自分の自己肯定感も育んで「こうなりたい」と思える様な大人で在たいと思いました。【子育て支援センター職員】

・保護者の立場として、子供の会話に対して、無表情で受け答えをしていたことに気付きました。そういう時は、だいたい自分に余裕がない時であって、すごく反省しています。「ほめてあげる」ことが「自己肯定感を育む」であることは学んでいたのですが、まだまだ子供のできないところに目がいき叱責をしてしまうことがあります。子供は、自己肯定感が発芽段階中であることをわかり合い、いち保護者として支援員として、子供と寄り添い、伸ばしていきたいです。SSTというのは、私が今まで勉強してきた中で、様々な技法があって奥が深いと思いましたが、一番の方法は、「コミュニケーション」だと思います。子供ともっと会話のキャッチボールをしようと思いました。【ふれあい推進員、学習サポーター】

・現在働いている療育施設がマンツーマンでの指導のため、SST、レジリエンス等取り入れています。私自身がこの2つに力を入れたいと思っていたため、今回の講義はとても勉強になりました。自己肯定感を育むための大切な5つを聞き、今までの自分の指導法では確実にできていたのか…と考えさせられました。それと、『何を言ったかではなく、何が伝わったか』。この言葉に、はっとさせられました。自分はその子に、このように指導した…と思ってはいても、ではその子にどのように伝わっているのかまで、確認ができていなかったように思います。SSTを行う上での基本中の基本を今回たくさん教えていただき、さっそく自分の指導法を改め、取り組んでいけたらよいなと思っております。武隈先生のお話がとても分かりやすく、大変よかったです。もし可能ならば、個人的にSST、レジリエンスに力を入れたいと思って取り組んでいるので、おすすめの書籍等有れば教えていただけたら嬉しく思います。【児童指導員】

・今日の講義は非常にわかりやすく、考える時間も確保され、ソーシャルスキルトレーニングについて改めてその意義を学び直すことができました。支援者としてどんな立ち位置で向かうべきか基本的な姿勢を学びました。SSTには、それぞれの子どもに応じて、アプローチや提示するモデルや方法も違います。SSTを行う支援者として、スキルトレーニングにばかり意識が向かいがちになり、改善を急ぎすぎてティーチングに走りやすい自らの傾向に気づきました。支援者の自己満足は自己肯定感につながらないという指摘が胸に刺さりました。SSTが自己満足でとどまらないよう、常に、対象者のエンパワメントを高めていく結果につながる関わりを大切にし、相手の反応をしっかり観察することや、何が受け止められたのかの反応を探ること、事後の行動化の変化をタイムリーにキャッチすることなど。時間をかけてじっくり見ていく息の長い取り組みだと思います。支援者自身がSSTの結果に対しての評価や振り返る視点をもたなければならないと思いました。対象者が何に困り、できない背景に何があるのかをじっくり対話できる関係性が何より重要だと思いました。相手との信頼関係づくりには、日常の観察や言葉かけが重要で、その延長線上に、SSTの効果がより発揮されるのではないかと思います。支援者が対象者をまるごと受け止めて敬意を払い尊重しているかということが問われています。同じ社会で生きる人として、大人であっても、自分の足りなさがあるということ、自分の自尊感情をどんな風に育もうとしているのか、日々悩みながら自らのエンパワメント力を高めていこう、成長していこうとしている思いや願いが話せる支援者でありたいと思いました。わかりやすい資料やお話しの進め方でした。この講座は、やはり自分の概念を問い直し、学び直す意味合いが強く、最新の考え方であったり、研究の流れをお聞きできることがとても有意義だと感じています。SSTの具体例や参考文献などご紹介いただくとありがたいです。次回もよろしくお願いいたします。【不登校支援センタースタッフ】

・柔らかい言葉でわかりやすく教えていただきました。子供の理解を深めていきながら子どものアイデンティティにあわせて、子どもに寄り添いこどもの良い種を発揮してもらえるようにしなやかな支援に努めていこうとおもいます。ありがとうございました。【保育士、教育支援員】

・子どもの為の支援のはずが、保護者の意見を真っ先に聞いて取り入れたり、こちら側がやってもらいたいこと(学んでほしいこと)の強要かのようなSSTをしてしまっていたんではないか、と強く反省しました。ひとりひとりがいま望んでいることに対してアプローチをし、褒めることで自己肯定感のUPに繋がっていくような支援をしていきたいと感じました。また、指導員ともよく話し合い共通認識を深めたいと思いました。【児童デイサービス、児童発達支援管理責任者】

・武隈先生の優しくゆったりとした声に心地よく授業を聞くことができました。先生と関われる子供は幸せだなと感じ、まさに私のこうなりたいと思える大人の方でした。自己肯定感を育むには言葉より経験、体験の中で生きる力の基になると話され、子供の良い所を見逃さず、プラス伸びしろを評価するとも言われてました。良かった所を台無しにする声かけ...ドキっとしました。何を言ったではなく何が伝わったか。1番大事なことだと思います。シャワーのように一方的に話さずキャッチボールでなければいけないとの言葉に納得です。私は自己肯定感はここにいて良いと思える居場所作りだと思います。そのためにはしっかり認めてあげることだと思いました。【保育士、補助員】

・児童に関わる中で自分は「支援をする、教える」立場だという思いがあったと気付きました。伝えたいことがある時、自分がいかに話すか、より、相手が何を伝えようとしているか、どのように感じているかについて考えたいと思います。同じ社会の仲間として、ラポールを形成することができるようになりたいです。【放課後児童支援員】

・自分自身のありのままにOKを出せていますか?という問いが印象に残りました。自分自身の考える、ここまでできたらOKに到達していないと、できなかったと思いがちで、自分にもそして、周りの人にもそれを求めてしまうことで、しんどくなっていたことに気づきました。相手の中にあることを引き出すために、相手の言葉や伝えたいことを受け取ることに意識を向けること、アドバイスを与えることがラポールには繋がらないというところも印象に残りました。また、最後の人は大人になっても発達し続けている途中であるという言葉から、自分自身の力(できることもできないことも)認めること、周りの人を信じて関わることをやめない、関わり続けていくことを心がけようと思いました。【行政職員】

・改めて、オーダーメイドのSSTが必要だと思いました。早期療育が必要と支援側が獲得させたいスキルを指導書通りに教授してしまったことが、学生ではOKだったが、社会ではNGになってしまったという話を思い出し、各々の捉え方に合わせて、段階を追って獲得していけるよう、じっくり関係性をGOODNESSの状態でいれるよう日々邁進していこうと思いました。【保護者】

・「しなやかの竹のように流せる力」「社会の変化に耐えていく力」という言葉が印象的でした。受け入れられて、自分の事も相手の事も認め合えたら、少しずつ自己肯定感が育ち、生きていく力が身に付いていくのだろうと思います。今までの自分の経験してきた自分目線の常識や一方的な支援の押し付けではなく、大人も子どもも同じ社会で生きる仲間として、一緒に学び合っていく関係になれたら、もっと楽しくなりそうです。子ども達のロールモデルになれているのか?傾聴できているのか?日々振り返りながら、支援していきたいです。【放課後児童支援員】

・自己肯定感の話の中の、「ありがとう」と感謝される、笑顔をもらう体験が、存在意義となり、キャリア教育につながるということと、笑顔でありがとうを言うことは今すぐにも心がけたいと思いました。自分が常日頃どれだけ相手に笑顔を向けているだろうかと考えさせられました。自分の在り方はどうか、何が伝わったのか、そのスキルは必要か、本人がそうできるようになりたいと思っているか、相手に意識を向け聴けているか、、、つい、課題や何かができるようになること(スキル)に目が行きがちですが(達成したことが分かりやすいので)、まず本人ができるようになりたいと思っているか、が出発点だと忘れないようにしたいと思います。【保護者】

・新しい学びがあったと思います。褒めるにしても心から褒めるのがなかなか難しい。クラスで問題行動を起こす生徒は自己肯定感が低い。それは分かってはいるが、手を焼く分、心から褒めることが難しい。よく観察すべきだということも分かるが、なかなか観察しても良いところを見つけることが難しい。もし次に機会があったらこのような生徒の接し方について学びたいです。【教員】

・自己肯定感については知ってはいましたが、今一度考える機会をいただけてアップデート出来たなと思いました。自分自信、笑顔で接することができていたか?鏡の前に立って練習してみました。支援員の仕事は奥が深いなと改めて思いました。子供達のモデルになっているか?外に意識を向け相手の反応を受け取っているか?色々と考えさせられる学習ができました。高校生や大学生などの例など分かりやすい丁寧に教えて頂き今日も有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント】

・SSTにおけるフィードバックでは、良かったところを7割、さらなる改善点を1~2割の割合で提示し、子供が自分で更にやってみようと思う余白が必要とのことだったが、やはりこれまでの臨床においては「もっとこうしたらもっと良くなるよ」という部分を強調する傾向にあったなと反省しました。また、「言うべきことを伝えること」で頭がいっぱいになってしまい、相手に「伝わったかどうか」をしっかり見極めることも出来ていなかったように思います。子供にとって「こうなりたいと思える大人」であることは本当に難しいと感じました。先生が最後に「私たちは子供たちを支援する仲間です。一緒に頑張りましょう」と声をかけて下さったことが心強かったです。【言語聴覚士】

・これまではSSTの方法などを研修する機会はありましたが 支援員が自分の自身を振り返ることの大事さを感じました。対象の子どもとの距離感にかかわらず 支援をしつづけることが大切だと思いました。つい支援員とその子どもとの関係性の悪化などで関わり方が変わってしまうことがみられることがあるのですが 支援を継続し続けていきたいと想いました。【フリースクールスタッフ】

・発達支援員として「自分の在り方は子どもたちに見られている」という言葉にドキッとしました。ついつい子どものできない所に目がいって、「この子のため」と改善点ばかり伝えがちですが、それでは良いフィードバックにはならないですよね。フィードバックの方法についても「指導ではない」、「まずは相手を見る力・気づく力が大切だ」ということを肝に銘じておこうと思いました。相手をエンパワメントできるような支援員になれるよう、これからもしっかりと学んでいきたいと思います。SSTを”自己肯定感”という切り口で話していただき、とてもわかりやすく、勉強になりました。【保護者】

・伝えました、を言いがち。これはまさに現場職員のクセとしてそうだと思います。なにが伝わったのかをもう一歩踏み込んで確認する、チームの中でも確認し合うことでチームとしてこどもへの言葉かけや観察力が高まると思いました。SSTというと、トレーニングの仕方を学ぶものだと思っていましたが、もっと広い意味での土台の認識ができました。生きる力の源が、自己肯定感。そのことを心に留めて子供たちと向き合いたいです。【学童スタッフ】

・相手を肯定的に認める。具体的に褒める。支援してあげるのではなく「共に生きる」。難しいことです。ついつい、支援してあげたい。という思いが出て、こうしたらいいよ。と言ってしまう自分がいます。今回受講することで、再度自分を見直すことができました。【地方公務員】

・前回の講座でSSTをやることで逆にトラブルにつながることもあると習ったので、今回の講座でそういう話も聞けるかと楽しみにしていました。SSTを私が体験したことがないので、具体的なトレーニング内容をイメージすることが難しかったです。トレーニングを受ける機会があればぜひ受けてみたいです。【保護者】

・子どもたちの「モデル」になれるか、と問われると「いやいや出来ません」と答えると思うのですが、出来ないなりにも、改めて、子ども達にどう生きて欲しいかを考えた上での支援員としての立ち振る舞い・言動を見直さなければいけないと思いました。また、相手の受け止め方に合わせた伝え方が出来てたか、という点では出来ていなかった場面が思い出され悔やまれます。「今」ではなく長い軸で見ること、当たり前なんだけれども、本人を正確に観察・評価し、個にあった対応を考えていきます。「一緒に生きていく仲間として」の支援、大事にしたいと思います。【児童デイサービス】

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感想の中に、SSTやレジリエンスの具体例や書籍、参考文献、SSTのトレーニング方法について知りたいとの要望がありましたので、講師の武隈先生にお伺いしたところ、詳しく教えてくださいましたので紹介します。

SSTのおすすめ文献・書籍について
SSTに関する書籍はたくさんでており、最近のものはすみませんが追えておりません。(LD学会から出ている定期書籍は読んでいます)まずは、対象者にとって何が必要かのアセスメントを行い、それに必要な項目を探すということで絞られてくるのではないかと思います。SSTのステップは基本同じですが 相手の年齢と状況に合わせて行うことが求められると思います。私自身は、SSTを広島県立障害者療育支援センターわかば療育園で研修、実践にて関わらせていただき学ばせていただきました。個別療育の中の一つのトピックとして行っているものです。実際にプログラムに参加されたりするのも学び方法としてよいのかと思います。実践することで体得できるものがあると思います。ともあれ対象者にあっているのかということがあるかと思います。学会発表もされているので、検索をすると出てくるのではないかと思います。

SSTの実際
自身が実施していたSSTとしては、コミュニケーションスキルがメインです。今回の講座ではSSTの具体的な話まではできませんでしたが、例えば・・・(武隈の個人実践)、過去、集団場面で、高校生向けの授業の中で行うSSTをテーマにしたゼミでおこなっていました。コミュニケーション心理学のNLP(神経言語プログラミング)を元にして、ラポールの取り方、相手の話を聴いていることがわかるようにするには?(相手から見える自分を知る)、自分の受け止め方(自分の認知 コミュニケーションパターンを知る)を学ぶことや、まずは、相手ではなく、自分を知るということに焦点を当てて、自己理解として実施していました。自分の受け止め方(認知パターン)を知る→ 話をする(スピーチ)→ 会話をする(トーク) と段階に分けて行っていました。メンバーによって会話まではなかなか到達しないこともあります。(授業で行うので統制されたメンバーではない分、難しいこともありました)学生には、聴いてもらえた体験を積んでから 会話とできるだけ段階を分けて行っています。訪問支援を行っていた時は、私はあなた(対象者)と仲良くなるために、一緒にコミュニケーションをとっていきたいという目的で、訪問した際の挨拶の声、雑談練習(テーマを決めて、順番に話をする)ここでも集団と同じで、語る、聞いてもらえた体験、経験→ 会話をする などしていました。現在では、個別面談の中で、SSTの要素を取り入れて関わっています。例えば、遅れて面談に来た学生がいたときに、私(相手)の受け止めていることを言語化して伝える(現状を共有)、「今日は面談〇時だったけど、どうしたの? 来ないから心配したんだよ(Iメッセージ)」や「連絡がなく、遅れてくると、相手は何かあったのかと心配をするんだよね」と伝える→それから、「何か対応ができないかな」(課題の提案)とすると、相手は、メール?電話といろいろ自分で考える場面を設定します。案がない場合は方法を提案したりします(他の学生が対応している方法を例に出して、モデルを提示します。議論する、方法を一緒に会話して考える)。次回連絡して遅れてくるなどができたときは、それに対応できるようになった(連絡を取れたということ)をまずはOKとして、遅刻について問い詰めたりしません。他に、寝坊や、忘れ物が出てきたら、それに次回はどうしたらよいか?と課題を細かく分けます。日常の中でこれができたら、相手との関係性がさらに良くなることを一緒に考えて決めていっています。うまくいかなかったときも、どこまでできたのか、経過を聞き取るようにしています。間違いを責めるのではなく、ここでは学べる。失敗ではなく気づける場にするようにしていています。なぜそのスキルが必要かというところを丁寧にやりとりするようにしています。そのほか、対人関係スキルとして、学生が困っていることが起きているときや、他責になる場合は、嫌だった気持ちは伝わったことを返しつつ、本人の肯定的意図 「本当はこうしたいのに」の気持ちを具体化していくようにします。 対人関係がうまくいかないという主訴で話を聴くと、行動、言動の裏にある肯定的な意図を確認、受け取り、例えば、「本当は仲良くなりたい」というために、今、何ができるか、仲良くなったとどうやってわかるのか、など、SSTの目的や効果を明確にしてから取り組むことを意識しています。できないところに焦点化しやすい学生さんには、現在できていること、例えば、こうやって、今、カウンセラーと落ちついて話ができていること、さっきのあなたの話し方はとても伝わるし、わかりやすいよ、と具体的にできているところ返していきます(フィードバック)。他にもうまくいくために、本人なりに工夫をしていることを無意識でできていることをこちらから問いかけることを通して、意識化して自信につながるように会話をしています。(自分のリソースに、自分で気づける声かけ)細かい話になってますが、日々のやりとりの中にSSTの要素を組み込んでいます。グループ指導や、SSTを目的とした場面だと、さらに構造化して準備(アセスメントを含む)で支援員と協働して行えるかと思います。何より、本人がこれを学べて、良かったと思えること、対象者の日常生活に活かせることを大事にしております。

レジリエンスについて

これは、発達障害に関わらず、心身症、二次的なつらさを持った対象の方とのやりとりの中にも重要だと考えています。子育ての中で行き詰った保護者・家族、支援の中で行き詰った我々支援する者、あらゆるところに 心の健康を考えたときに必要だと考えております。兵庫県で活動をしていた時に、精神神経科医師 髙宮靜男先生に、「ねぎらい療法」として、家族、関係機関とのつながりをご教示いただいておりました。先生と一緒に摂食障害の子どもや、震災後の子どものケアを考える中で、この言葉に出会いました。直接の文献にはなるかは分かりませんが、以下2つ紹介します。
『子どものメンタルヘルスと心身症』
『学校で知っておきたい 精神医学ハンドブック』
参考になれば、スキルとしてではなく、本人の強みとなる資源として学んでいただけたら幸いです。

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私達大人が子ども達への見方をちょっと変えるだけで、子ども達は学校が楽しくなります。そして、学校がちょっと変わるだけで、子ども達は学校を好きになります。そんなあたたかいお話を前・世田谷区桜丘中学校校長の西郷孝彦先生にしていただきました。視聴期間9/3~9/9の動画視聴講座です。詳細はホームページからご覧ください。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

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