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沖縄県の花市場 沖縄県花卉卸売市場

沖縄県の中央卸売市場は浦添市にあります。ここでは二社二市場が営業していて、石垣島や宮古島など沖縄離島も含め、沖縄県全土のお花屋さんが仕入れに来ています。離島の方のほとんどは仲卸を通して注文して荷物を配送しています。


セリは週三日。月・水・金の午後4時から。
沖縄県以外の地域では、ほとんどがセリは午前中。
「午後4時のセリ」の理由は、県内だけでは花の量が足りないからです。
沖縄県は、菊の大産地ではありますが、その他の品目に関しては、東京、大阪、福岡などの都市にある卸売市場から荷物を送ってもらっています。それらの荷物を待ってセリがスタートします。同じ鮮度の花をその日のうちにセリにかけるとなると、どうしても午後になってしまうのです。

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株式会社沖縄県花卉卸売市場の兼島學社長にお話を伺いました。

沖縄県花卉は、昭和52年創業。花屋と生産組合(花卉生産園芸組合)で花の市場を発足させました。兼島社長はもともと花屋。
花屋として設立に携わり定款作りもした発足メンバーのひとり。
昨年7月社長に就任しました。


はじめた頃はみんな情熱に満ちていた…。
でも、実際にはしんどかったと言います。
「いつ潰れるかという不安を抱えながらの日々でした」
沖縄で花を出荷し始めたばかりなので、正直どんなかたちで出荷すればよいのかわかなかった。
何を作ればいいのかから始まり、作ったものが売れるのかどうか。
また、沖縄県は台風被害が多いのも悩みのひとつ。苗を植えては台風でやられて12月に全滅したり、辛い経験をしていました。
生産量が伸びてくると、今度は輸送力が足りなくなった。
「県にお願いして、飛行機のチャーター機を導入しました。それでも足りなくなって、今度は、アメリカの物資を運ぶ船会社のコンテナがあったので、それを利用させてもらい船で輸送しました」
苦難を繰り返し成長して来た。
「昔は色々ありましたが楽しかったです。今も問題が山積みですが楽しいですよ」

残念なことに沖縄県は、花の消費が全国最下位。
これは、周年通して身近に花があることも理由のひとつといえる。
「花屋に行かなくてもハイビスカスが咲いていたり、なんらかの花が身近に花が咲いていることも理由の一つではないかと思います」


沖縄県産には、多種多様な花がある。
「トルコギキョウは3年前から比べると、ずいぶん増えました。ダリアも増えて来ています。菊作りをやめた生産者に声をかけて新しい品目の生産を提案しているところです」
沖縄は冬も暖かいので、ほとんど無加温で生産することができます。環境を生かした花作りで県内需要、地産地消を意識して、沖縄県産生花をどんどん増やしていきたいと考えているそうです。


「輸送費の高騰や人手不足から、荷物が全て東京、大阪など大都市に集中していて、それが逆流するようなことがある。そうなると、倍の物流費用がかかります。できれば、九州など近隣に呼びかけて荷物をシェアできるようになったら良いですね」


時代に吹く風を敏感にとらえ、「花卉物流」はもとより、斬新な発想に基く「情報の安定供給」を目指し、花をメディアとして、「心豊かな人の暮らし」の実現に寄与すべく邁進。
                       沖縄県花卉ホームページより


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