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日々是紅茶⑥「バター茶のためのバター」

先日、世界仮想旅行社主催の「世界のティータイム」のオンラインツアーに参加した。
この企画、旅好きな人はもちろん、紅茶好きの人も食いしん坊の人も楽しめるとってもおすすめのオンラインツアーだ。

現地にまつわるお茶を独自にアレンジしたレシピをセイロンティー専門店の「MITSUTEA」さんが提供もしている。

日本で作られている現地の郷土お菓子も事前に届き、一緒に紅茶の実習を交えて楽しむことができる。
今回は、ブータンとドイツのティータイムにまつわる内容だった。

どちらも素敵なティータイムだったけれど、特に今回個人的に気になったのが、ブータンで飲まれているバター茶。

バター茶なるものがブータンやチベットで飲まれていることは知っていたけど、気になりつつもなぜか実際に味わう機会を今まで通り過ぎてきた。

チベット密教のイベントで護国寺に行った時も、高輪のレッサムフィリリに行った時もメニューにはあったのに。なんだか、すごくハードルが高いように勝手に感じていた。

そして今回、そのことを思い出した。とてもいい機会となった。

バター茶ってどうやって作って、どのように飲まれているのだろう。

そもそもバター茶はブータンの人にとっても、特別なもののようだ。

その日紹介されていた「ハ族」の村の人達は、一日に何回もお茶を飲むけれど、普段はそのほとんどが紅茶で作るミルクティーで、朝ごはんのときにだけバター茶を飲むそうだ。

そして、お祝いや祭事など何か大切な行事の時には必ず「バター茶」を振舞うそうだ。

普段のお茶は、輸入された紅茶葉を使ったミルクティーだが、朝ごはんのときのバター茶は、「バター茶専用」の茶葉なのだそうだ。現地ブータンの中でも標高の低い地域で栽培製茶される国産の茶葉。

そのバター茶用茶葉をお鍋でぐつぐつと煮出して、真っ黒に近いくらい濃く煮出したお茶にたっぷりのバターと塩を加えて混ぜて作る。

その時の道具や作り方がまた興味深いのだけど、とりあえず「バター茶」の材料は、お茶、バター、塩というシンプルながらに、贅沢な飲み物だった。

このバター茶を作るために大切に牛やヤクを飼う家庭が今でも存在していて、自家製のバターを作っている。

このシンプルで豊かなこと。

そういえば、ほぼ10年前にセレクトショップの本棚で目に留まり、手に取った本のことを想った。

かわしまよう子さんの著書「ブータンが教えてくれたこと」

本棚から引っ張り出してきて、久しぶりにじっくり目を通した。

大好きな本のひとつ。当時何度も読み返して、でも自分の当時の暮らしとあまりにも遠く感じて、この本の節々にある要素がいつも心にあって希求している感覚があった。

この本で感じたことを忘れないようにまた別で書こう。

この本、著者の繊細な感性とブータンの人達の聡明さに触れられるとてもうつくしい本なので、おすすめしたい。

話がそれてしまった。

オンラインツアーも、いよいよバター茶を作る工程に入り、ライブ感にドキドキしつつ、見慣れぬ道具や作り方、食べ方のレクチャーを受けて楽しんだ。

バター茶をつくる道具やその作り方を見ていて私は、あることに気付いてしまったのだ。なんだか楽しい以上に感動してるのは何でだろう?

次回につづく・・・






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