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4年ぶり北村の風物詩 朝日山計仙麻神社 幸福と発展祈るみこし渡御

 朝日山計仙麻神社のみこし渡御が23日、石巻市北村地区で行われた。昭和28年に今のみこしができて70周年の節目であるほか、コロナ禍で4年ぶりの実施。法被姿の担ぎ手が主に集会所を巡って地域の幸福と発展を祈り、米俵を載せた子どもみこしも後に続いて活気づけた。

 県立自然公園旭山の山頂にある神社で出発式を行った後、ふもとの大鳥居から子どもみこしと共に地域へ繰り出した。みこし渡御は桜の季節の風物詩だが、開花の早かった今年は葉桜に見送られた。

葉桜の大鳥居を出るみこし。今のみこしになって70年の節目

 みこしは基本的に車の荷台に載せて移動。氏子青年会の約20人が車道から目的地まで短い距離を担ぎ、平和を願って市内在住のウクライナ人男性も参加した。各集会所では住民が待ち、みこしが到着すると、五穀豊穣や商売繁盛を祈願した。俵庭地区の中塩富士子さん(66)は「北村の一番大事な行事。人が少なくなっているが、皆の協力で盛り上げてもらった」と喜んだ。

米俵が新しくなった子どもみこし

 子どもみこしも4年ぶりで、大人たちが稲わらを編んで約30年にぶりに米俵を新しくした。それを北村小学校の4-6年生23人が交替で担ぎ、「じょーさい(除災)」の掛け声を響かせた。6年生は最初で最後で、窪田泉さん(11)は「見るのも担ぐのも初めて」と思い出にした。

 同神社は大同年間(西暦806-810年)の創建とされ、みこし渡御は春の例祭日(4月24日)前後の日曜に行われる。近年は地区を分けて2年で1周するが、今年は全体を巡回。感染症対策で担ぎ手をねぎらう飲食の提供は自粛した。

 氏子総代長の渡邊俊夫さん(72)は「北村の歳時記。農業の始まりに欠かせない」と伝統を誇りにしていた。【熊谷利勝】





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