見出し画像

【Krush】日本が6勝1敗で中国との対抗戦に勝ち越し。大将・卜部弘嵩は復帰戦で判定勝ち。左右田泰臣、レオナ・ペタスが殊勲のKO勝利=7.22「Krush.90」

7月22日(日)後楽園ホールで「Krush.90 ~日本vs中国・7対7全面対抗戦~」が行われ、日本が6勝1敗で勝ち越した。今回の中国・武林風チームとは中国でも3度対抗戦を行っており、これまではすべて日本チームは負け越し。さらに昨年7月には大東翔クラブ勢を中心とした中国6選手が来日し、全面対抗戦を行ったが、ここでも日本勢は負け越しており、今回、日本がホームで初めて雪辱を果たしたことになる。

対抗戦で初黒星を喫した中国・武林風のユー・レイプロデューサーは閉会式で、「武林風にはもっと強いファイターがたくさんいます。もっと強いファイターを引き連れて来年も日本に乗り込んで、Krushとの対抗戦をやりたいと思います」と悔しさをにじませながら対抗戦継続の意向を示した。

メインでは、大将の卜部弘嵩がスーパーフェザー級から体重を下げて-58.5kg契約でシュエ・シェンジェンと対戦。KOは出来なかったものの、危なげなくシェンジェンを判定で下し、本格的なフェザー級(-57.5㎏)転向とK-1での同級王座獲得を目標に掲げた。

また、対抗戦中、左右田泰臣とレオナ・ペタスがKO勝利、いずれも試合後に独自のコメントを残し、存在感を示している。

▼第9試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・大将戦 -58.5kg契約 3分3R・延長1R
◯卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定3-0(30-29×2,30-28)]
×シュエ・シェンジェン(中国/一龍奥宇ジム/CFP)

卜部弘嵩は、前戦3月のK-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント1回戦で皇治に敗れており、今回が再起戦となる。スーパーフェザー級の-60kgから今回は-58.5kg契約で試合に臨む。今後のフェザー級(-57.5㎏)転向に向けた試金石となるか。

試合は、強い右を振るシェンジェンに卜部は左ミドルで応戦。シェンジェンが頭を下げてワンツーを振ってくると、卜部はカウンターのヒザも決める。徐々に踏み込みに慎重になるシェンジェンは遠間から右ロー。卜部は前足への蹴りを気にせず、左ボディ、さらにセコンドの「もっと蹴っていこう」の指示通り、左ミドルの連打で2Rにはシェンジェンに尻もちをつかせる。

互いに決定打は決められないものの、3Rには卜部が右ストレート、さらに右後ろ廻し蹴りをヒット! シェンジェンは右ローを返してゴング。判定は試合の主導権を握っていた卜部弘嵩が3-0勝利。対抗戦は日本の6勝1敗で、日中対抗戦初の日本チームの勝利となった。


試合後、リング上で卜部は「最後メインでKOで締められなくてすみません。見ているところは変わってなくて、今後の目標としてはK-1フェザー級のタイトルだけを、頂点目指して突っ走っていこうと思いますので期待してください。あと、個人的なことなんですけど、AbemaTVを見ている皆さん、『行列のできる法律相談所』をチェックしてください。また頑張ります」と挨拶。同番組で卜部が公開プロポーズしたタレントの高橋ユウもリングサイドで観戦し、婚約者のマイクに拍手を送った。会見後、卜部は高橋ユウに勝利者トロフィーを手渡し、笑顔を見せた。

■卜部弘嵩(試合後会見)

──試合を振り返って。

「復帰戦ということで固くなった部分もあったと思います。最低限の仕事はできたと思います」

──やりづらい相手でしたか。

「いえ、やってるときはちょっとKOまで繋げるイメージ、プロセスがちゃんとまとまっていない部分がありました。やりづらさというより、自分の動きが固かった。気負いすぎた部分はありましたね。復帰戦ということや大将戦ということもあったので。まあ、個人的なこともありましたし、いろんなことがあって固くなったと思います」

──体重を落としてみて動きはいかがでしたか。

「アップの時点から調子よかったです、動きやすくて。動きが軽いということはスピードがあるってことで、スピードがあるってことは相手にインパクトが伝わるってことなので。60kg、スーパー・フェザー級でやっていたときより動きやすいなって感じですね」

──今後の目標は?

「もう、この試合の前から決めていたのはK-1フェザー級のタイトル、そこしか見えないので。まずはなんとか(クリアできた)。復帰戦ということもあり、僕もキャリアがありますが気負ってしまったので、次はもっとのびのび戦いたいです。期待してもらえれば、と思います」

▼第8試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・副将戦 -64kg契約 3分3R・延長1R
◯佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定3-0(30-28×2,30-29)]
×ワン・ジーウェイ(中国/星武創新ジム/CFP)

※スーパーマンパンチ、バックハンドブロー、後ろ廻し蹴りと回転系も繰り出す剛腕のジーウェイに対し、危ないパンチは額で受けた佐々木は時に下がりながらも巧みなステップでかわす。時折スイッチを織り交ぜながら、佐々木はオーソから左ミドルも的確に当てて、磐石の判定勝ちを収めた。

▼第7試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・三将戦 Krushスーパー・ライト級 3分3R・延長1R

◯左右田泰臣(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)[2R 2分55秒 KO]
×モン・グォドン(中国/陝西問心ジム/CFP)

サウスポーから左フック、左ミドル強打はグォドン。左右田は奥足ロー、左右ボディヒザ蹴りで腹を効かせていくと、顔面フックにも繋ぐ。最後は左右フックを放つグォドンモンに、詰めた左右田が強烈な左ボディブロー! グォドンを悶絶KOに降した。

勝利後、すぐにセコンドにマスクを求めた左右田は、リング上で、「これで4勝ということは、僕が日本の勝ち越しを決めたってことで3つ言わせてください」とマイクアピール。

続けて「1つ、初めて日本が中国に勝ち越すことが出来ました。2つ、この対抗戦の会見で僕は髪切りマッチを提案しましたが、1~2カ月待たされた末に、残念ながら却下されました。楽しみにされていた方にこの場を借りて、宮田プロデュサーとともにお詫び申し上げます。3つ、最後に、8月5日にここで試合をする塚越(仁志)選手(vs 木村“フィリップ”ミノル)に締めてもらいます」と、マイクを残して早々にリングを降りてしまう。

セコンドの塚越は苦笑しながらも「左右田さんが髪の毛を守ったので、僕もベルトを守りたいと思います」と見事にまとめ、Krushウェルター級(-67.5kg)王座防衛をファンに約束した。

▼第6試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・中堅戦 -79kg契約 3分3R・延長1R
×高木健太(リバーサルジム川口REDIPS)
[1R 1分18秒 KO]
◯フー・ガオフォン(中国/明輝ジム/CFP)

※ガオフォンのパンチが見えていない高木は、コーナーに詰まり右アッパーから左右フックを浴びて3ダウンKO。

▼第5試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・五将戦 Krushスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R
◯レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS)
[2R 2分49秒 KO]
×ジャオ・チョンヤン(中国)

3月の武林風でハビエル・エルナンデスを1R KOに降し、5月にはセクサンにも勝利している強豪ジャオ・チョンヤン。対するレオナ・ペタスは、2016年「英雄伝説」アジア-60kg級トーナメント優勝の実績を誇る。

左ジャブ、左ボディストレートと一発一発が強打のチョンヤン。さらに右振り前進のチョンヤンは頭から突っ込みバッティングも。レオナは出入りから右ヒザを合わせ、打ち合いのなかでも細かく出入りし、自身は大きくは被弾せず。チョンヤンに追わせて入ってきたところに掴まないヒザ、テンカオを巧みに突き、内側を貫く右ストレート! さらに右フックでチョンヤンをKOに降した。

レオナは試合後、リング上で「日中対抗戦で日本の応援に来てくれた皆さん、ありがとうございます。僕以外にタイトルに挑戦するヤツはいないと思います」と王座挑戦をアピール。しかし、その前哨戦として、「でも、その前に一人、倒さないといけない選手がいます。僕がやられた選手と9月30日、もう1回やりたいと思います」とかつて敗れた相手へのリヴェンジを誓った。

▼第4試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・次鋒戦 -64kg契約 3分3R・延長1R
◯鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)
[判定3-0(30-27×2,30-28)]
×ジン・イン(中国/鄭州順遠ジム/CFP)

※サウスポー鈴木は長い左の蹴り。ジンインは後ろ廻し蹴りや右の強打も、3R鈴木の左ミドルにジンインは後退。さらに鈴木は3R、左ヒザでダウンも奪取。

▼第3試合 日本vs中国・7対7全面対抗戦・先鋒戦 Krushスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R
◯山本直樹(優弥道場)
[判定1-0(30-29,29-29×2)延長判定3-0(10-9×3)]
×ワン・ジュンユー(中国)

※右の蹴り上下打ち分ける山本は、右の蹴りをそのまま前方に着地させ左ストレートも当てる。ジュンユーは左ストレートを返すが、延長R、山本は前蹴り、左ジャブ、右アッパー当て、接戦を制す。

▼第2試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R・延長1R
◯松下大紀(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)
[2R 2分13秒 KO]
×ジョージ(CLUB-E.D.O)

※左右フック連打のジョージに松下は左ヒザ蹴り連打。最後はヒザ蹴りから右ストレートを打ち下ろしてKO。

▼第1試合 Krushライト級 3分3R・延長1R
◯瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)
[判定3-0(29-28,29-27,30-28)]
×中野滉太(62.4kg/POWER OF DREAM)

※左ボディ、左フックのダブルは中野。2R、瓦田は右STでダウン奪う。

▼プレリミナリーファイト第3試合 Krushフェザー級 3分3R
◯三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定2-0(29-28,28-28,30-28)]
×安達元貴(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)

※3R三輪はバックフィストでダウン奪取

▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushライト級 3分3R
◯関川和将(DTS GYM)
[判定3-0(30-29×2,29-28)]
×山下和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)

※前に出てくるサウスポーの山下に対し、前足を蹴って行く関川は左回りで左ボディ、右ストレートをヒット。

▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushウェルター級 3分3R
◯加藤虎於奈(TEAM TOP ZEROS)
[1R 1分29秒 KO]※3ダウン
×竹腰一麻(Club TOSHI)

※まずは左に構えたレオナ・ペタスの実弟・加藤虎於奈。サウスポーから左ミドル、左ストレートで最初のダウンを奪うと、左ミドルから右フックで2度目のダウン。最後は左右ラッシュでKO勝利。

◆Krush.90 2018.7.22 後楽園ホール 濃縮編集版をAbemaTVが放送
7月25日(水) 21:00~7月26日(木) 00:00


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?