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『たった1つのコトで、あなたの眠りは激変する グッスリ眠りスッキリ起きる快眠術』第1章・無料全文公開

3月31日発売の書籍『たった1つのコトで、あなたの眠りは激変する グッスリ眠りスッキリ起きる快眠術』より、第1章「私たちの生活を脅かす、さまざまな睡眠課題」を全文公開!

現代型不眠、睡眠負債、睡眠リズム障害––––いずれもここ数年で登場した言葉であり、過去にはなかった「眠り」にまつわるネガティブ・ワードです。
私たちの眠りは、洋の東西を問わず、全世界的に危機的な状況にあります。特定の年齢や階層に限ったことではなく、赤ちゃんから高齢者まで、まさに老若男女に及ぶ睡眠不調。量的にも(睡眠時間)、質的にも(眠りの深さ、寝付き、寝起きなど)、一朝一夕では改善できない問題として、私たちの日常生活を脅かす存在といえるでしょう。
第1章では、私たちのまわりにある、そして私たちの生活を脅かしかねない、さまざまな睡眠課題について見ていきます。

1.人類史上最悪の睡眠環境 ~現代型不眠の蔓延~

●「お天道様と一緒に起きて、眠る」から「24時間、眠らない街」へ

人間は元来、夜行性ではありません。太陽と共に、明るくなったら起き、暗くなったら眠る。私たちのDNAには、そういう睡眠リズムが刻まれています。しかし、現代社会はそうした生活を許してはくれません。

24時間営業の飲食店やコンビニ、深夜の長距離輸送が大きな役割を果たす物流産業。夜勤も含め、365日終日体制が当たり前の警察や救急・消防、病院や介護施設、警備会社など。テレビをはじめとした放送業界も、多チャンネル化と共に今や24時間放送が当たり前。インターネットの登場とスマホの普及により、世界中のネットワーク化が進み、人と社会は24時間365日、常に情報とつながってしまいました。

眠らない街、休まない世界。すなわちそれは、「眠れない生活、休めない社会」を意味します。

21世紀はまさに人類史上最悪の睡眠環境であり、現代型不眠の病を地球上に蔓延させているのです。そしてそれは、自然の摂理に逆らった人間への、天からのしっぺ返しのような気がしてなりません。

2.睡眠時間が世界一短い国・日本 ~実は睡眠の質も世界最悪?~

●「世界一眠れない国」から「快眠先進国」へ

WHO(世界保健機関)、OECD(経済協力開発機構)、その他さまざまな国際機関やグローバル企業が世界各国における睡眠時間を調査していて、どれをとっても日本人は睡眠時間が世界一短いようです。

超高齢化、スマホ依存率世界一など、睡眠の質を悪化させる加齢やスマホも、日本人の睡眠に大きな影を落としています。

睡眠時間=量的な問題だけでなく、睡眠の質に関しても、おそらく日本が世界最悪といっていいでしょう。

「健康日本21」を掲げ、21世紀における国民健康づくり運動をすすめる日本にとって、心身に大きな影響を及ぼす睡眠の改善は、国家をあげて取り組むべき課題です。

かつて第2次大戦後に、急速な高度経済成長による「経済大国」の仲間入りを果たした日本がこれから目指すべきは、「快眠先進国」ではないでしょうか。

3.ストレス社会が眠りを劣化させる ~ストレスチェックと人間関係~

●「24時間戦えますか。」から「ワークライフバランス」へ

「24時間戦えますか。」

この言葉は1980年代後半、バブル真っ只中の日本で、当時のビジネスマン向けに発売された栄養ドリンクのキャッチコピーです。今この言葉を会社側が社員に発したら、それ自体がもはやパワハラといわれても仕方がありません。

健康経営、働き方改革、ワークライフバランス……。個人の幸福をないがしろにして滅私奉公、バリバリ残業するモーレツ社員より、自分や家庭を大切にして、しっかり働きしっかり休む、そのほうが会社にも利益をもたらしてくれる。そういう価値観がようやく日本にも芽生えてきました。

2016年に経済産業省から発行された『健康経営ガイドブック』では、健康起因による欠勤を「アブセンティーイズム」、業務パフォーマンスの低下を「プレゼンティーイズム」という指標を用いて数値化しています。

さまざまな生活習慣の中で、「睡眠による休養」に課題がある従業員が会社に与える損失リスクは、運動不足や飲酒・喫煙など、他の因子に比較して大きく、プレゼンティーイズムについては、1人あたり年間33万円近い損失があると算出されています。

従業員50人以上の職場では、「ストレスチェック」が法令義務付け化されました(2016年施行)。メンタルダウンする社員があとを絶たない日本において、メンタルヘルス対策は喫緊の課題です。

しかし一方で、「ストレスチェック」の結果に対して、産業医以外の介入が認められない企業側は、有効なソリューションを有していません。

我々の研究成果から、「ストレスチェック」と「睡眠アンケート」の結果には、大きな相関性があることが確認されました。あまりよく眠れない人はストレスが多く、快眠社員は「ストレスチェック」の結果も良好です。

睡眠改善を起点としたメンタルヘルスの向上や健康経営の実現は今後、企業・組織における重要なソリューションとなるでしょう。

4.増え続ける睡眠起因事故 ~運輸業界に根深くはびこる睡眠課題~

●「アルコールチェック」から「睡眠チェック」へ

トラック・タクシー・大型バスなど、緑ナンバーの「業務用自動車」を運転する、いわゆるプロドライバー。彼ら彼女らの乗務前点呼時における「睡眠チェック」が2018年6月から法令義務付け化されました。

実は私は2012年4月27日に、国土交通省自動車局安全政策課を訪れ、「一刻も早く睡眠チェックの義務付け化を!」と進言したことがあります。そして翌々日に、あの忌まわしい「関越道ツアーバス38名死傷事故」が起きてしまったのです。

2012年4月29日、ゴールデンウィークの初日となるこの日、関越自動車道で死者7名を含む乗員乗客38名全員が負傷したバス事故は、44歳の男性ドライバーの居眠り運転によるものでした。

その前年、2011年にプロドライバーの乗務前点呼時のアルコールチェックが法令義務付け化。運輸業界全体が飲酒運転事故撲滅に動いている最中で起こった、この事故。その後、飲酒を含む「運行管理」だけでなく、ドライバーの「健康管理」、さらには勤務状態の把握も含む「労務管理」まで。まさに、管理&監査で業界をがんじがらめにする動きへと発展するトリガーとなりました。

それから6年が経過した2018年に、睡眠チェックの義務化がようやく実現したわけですが、ではこれで居眠り運転をはじめとした睡眠起因事故(※1)が減るのかといえば、現実はそう単純でも容易でもありません。

※1 「睡眠起因事故」とは
運転中の居眠りによる居眠り運転だけでなく、睡眠不足や睡眠不調に起因する注意力や反応速度の低下により、本来であれば防げた交通事故がこれに該当する。
4時間睡眠を2日間連続した場合、「ドライバーの車両運転時反応速度は飲酒時に匹敵する」との実験結果もある。
トラックドライバーの事故の過半数は「直進定速走行時の追突事故」で、前方不注視や漫然運転など、「安全運転義務違反」に分類される事故の中には、睡眠起因事故がかなり含まれていると類推できる。アメリカの交通事故分析によると、事故の半数は睡眠起因であるとする報告もなされている。

過去10年間のプロドライバーの平均年齢推移は、毎年1歳ずつ加齢しており、運輸業界内の労働者における新陳代謝が進んでいないことがはっきりとわかります。

「加齢」は眠りの質を悪化させ、睡眠時無呼吸症候群も40~50代での発症率が高いので、睡眠起因事故リスクも当然増加してしまうのです。

慢性的な人手不足の運輸業界において、総務省の主要職種別月間超過実労働時間の比較データがさらに追い打ちをかけます。

男性49、女性48の計97職種中、トラック運転手・バス運転手の残業時間だけが40時間/月を超え、他の業種・職種と大きく水を開けた上位に位置しているのです。

先の労働力調査のグラフでも、1週間の就業時間が60時間超の割合が、運輸業界は18.3%と突出して高いことがわかります。

中小企業が96%を占める運送会社において、十分な睡眠時間が確保されていなくても、代替ドライバーなどほとんど確保できていない現実。すなわちそれは、せっかく法令義務付け化された「睡眠チェック」が有名無実のものと化し、ドライバーも運行管理者も暗黙の了解のうえで、「睡眠不足等の状況:○」と点呼記録簿に記入するしかない、という実態が目に浮かびます。

その結果、もし睡眠起因事故が起こっても、会社側は「問題なし」の点呼記録簿に守られ、虚偽の報告をしたドライバーだけが法的・社会的・経済的に大きな責任を背負わされることになります。

Eコマースによるネットショッピングの急速な普及で宅配需要が増える一方、プロドライバーのなり手がいない現実。女性や外国人労働者をプロドライバーとして育成するなど、運輸業界でも、さまざまな取り組みがなされています。しかし、アルコールチェックや睡眠チェックといった管理・監査体制を強化するだけでは、根本的な解決にはいたりません。

国や会社に管理されるのではなく、ドライバー自らが飲酒や睡眠、そして健康状態を管理し、健康・睡眠起因の交通事故リスクを軽減させていく。そうなるためには「健康運転教育」の場が必要でしょうし、自動運転や倉庫の入荷・出荷の自動化など、人手不足の解消に向けた社会インフラの整備も必須でしょう。

プロドライバーの皆さんが、自分たちこそ運転の「プロフェッショナル」だ、という自覚と誇りを胸に、運転技術だけでなく「健康運転」のお手本となるべく、ハンドルを握っていただきたいと切に願っています。

また、一般ドライバーの皆さんにとっても、睡眠起因事故は一瞬にして人生を台無しにしてしまうことを肝に銘じて、運転していただきたいと思います。 

5.超高齢化社会における睡眠 ~加齢による眠りの悪化~

●「長寿大国」から「健康寿命延伸」へ

加齢に伴い、睡眠の質は著しく劣化します。年をとると速く走れなくなるように、深く眠れなくなるのです。夜間頻尿などによる中途覚醒も多発します。

膝関節の痛みによる「ロコモティブ・シンドローム」や、筋力減少に伴う「フレイル」は、日中の外出から高齢者を遠ざけ、太陽光の十分な被曝や活動量を減少させてしまうのです。その結果、「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの生成が抑制され、身体疲労による深い睡眠の獲得が阻害されてしまいます。

独居老人における閉じこもりや、外界との接触過少による精神面での問題へと、事態は負の連鎖、悪循環をくりかえし、孤独死や自死へのリスクを拡大していくのです。

「長寿大国」といわれる日本ですが、寝たきり老人もそれに応じて多く、要介護レベル5(自立した生活が困難)の期間は、男性で8年、女性で10年ともいわれています。

医学の進歩、治療技術の向上で延命はできても、幸せを実感できない「生」の意味・意義はあまりにも悲しい。寝たきりになることなく、自立して暮らせる高齢者を増やすために、私たちは何をすべきかを、今一度考える時期なのではないでしょうか。

近年、認知症発症リスクである脳内物質「アミロイドβ」が深睡眠をしっかりとることで軽減される、といった研究成果が発表されました。深く眠ることが認知症リスクを軽減するということです。

超高齢化で世界の先陣を切っている日本において、高齢者の睡眠改善は、健康寿命の延伸と幸せな終末期を両立させ、国家予算を圧迫している医療費や介護費の大幅な軽減にも貢献します。

ところが高齢者の多くが、それまでに培ってきた自分自身の生活習慣をなかなか改善できません。健康によいと思って続けてきたことが逆効果だったりするような誤解もままあります。地域社会との交流にも消極的になりがちで、心身のインプットとアウトプットが萎縮してしまうのです。

家事労働の代替も、過干渉になると認知症を助長してしまいます。

適度な運動や思考機会の確保が重要で、それが結果として睡眠を改善してくれることにもつながるのです。ご隠居生活を送るより、生涯現役、命ある限り働くほうが健康寿命の延伸につながるといっても過言ではないでしょう。

高齢者の労働機会の創出は、65歳未満の労働人口が大幅な減少傾向にある日本において、一挙両得の施策となりうるのです。

あえて申し上げれば「ピンピンコロリ」を目指して!

高齢者が生き生きと働き、自らの経験や知恵を後世に伝えていける社会は、現代日本が目指すべき「持続可能な社会を具現化する」理想的な姿です。

同居家族がいる場合は周囲のサポートも期待できますが、独居老人や老老介護の場合は、行動変容のトリガー(きっかけ)やモメンタム(弾み)が存在しません。

この閉塞感を打開するためには、遠隔地居住家族のICTを活用した積極的かつ情緒的な関与や、ボランティアをはじめとした地域社会の絆の再構築が必要です。

そして、そうした社会システムをつくり上げるためには、自治体のリーダーシップと、それを求める市民の声こそが重要な役割を果たすことになるでしょう。

今は高齢者でなくとも、長生きすれば、みんな高齢者になるのです。高齢者が生き生きと暮らせる社会は、障がいをもった方やケガ・病気の方、幼児や育児中の方にとっても暮らしやすい、バリアフリーですべての人にやさしい世界です。

日本が高齢化社会のベストベンチマークになる日を、世界一幸せな国になる日を、願ってやみません。

6.子どもも睡眠不足で悲鳴をあげている ~心・脳・体を蝕む子どもたちの眠りの実態~

●子は親の鏡。それは眠りについても同じ

親が睡眠不足なのに、子どもはしっかり寝ている。そういった家庭は稀でしょう。子は親の鏡。大人の眠りは子どもの眠りにも大きな影響を与えます。自己管理能力を考慮すれば、むしろ、子どもたちの眠りのほうが外部から、よりダイレクトな刺激を受けている、といっていいのかもしれません。

成績と睡眠時間とのあいだには、高い相関性が認められていて、大人でいえば仕事の成果にも通じる話でしょう。ここでは子どもと睡眠の関係について解説していきます。

●「四当五落」から「七当六落」へ

 「東京大学に合格するなら4時間睡眠。5時間以上寝ていたら落第だ」

かつてはこのような言葉が当たり前のように流布されていましたが、さて、今どきの受験生はどうなのでしょう。東大合格生を多数輩出するカリスマ予備校教師の某氏がテレビ番組で、このようなことを言っていました。

「いえいえ、今の子どもたちは7時間以上しっかり寝て、脳のパフォーマンスを最大限に発揮しないと、東大には受かりませんよ」

うさぎ跳びで足腰を鍛える。喉が渇いても運動中は水を飲ませない。ピッチャーが投球後に肩を冷やすなんて、もってのほかだ……。スポーツも学習もスパルタ式や根性論が幅を利かせていた昭和~平成。それらの効用のすべてを否定するわけではありませんが、かつて常識だった非論理的なメソッドは、現代科学の論理的なソリューションの前に大きな見直しを迫られています。それは睡眠についても同様です。

次のようなデータがあります。

小学生にとって、「就寝時刻が早い=長く眠ること」を意味します。

このグラフを見ると、早く床に就く子のほうが授業中の集中力が高く、テスト結果も就寝時刻が早ければ早いほど、明らかに成績がよくなっていますよね。テストの成績と就寝時刻とのあいだに、高い相関性が認められているのです。遅くまで勉強し、寝不足の状態で授業を受けても、よい結果にはつながりません。

そしてこの結果は、おそらく小学生に限らず、社会人になってからも変わらないでしょう。すなわち、遅くまで残業しても、よい成果にはつながらない可能性が高いのです。

東京都教育委員会が今から十数年前に、大変興味深い健康調査を行いました。過去1か月における、小中高校生の不健康愁訴の結果です。「眠

い」「なかなか眠れない」「朝、眠くて起きられない」……。「眠り」に関する不満は、もはや大人だけの問題ではありません。

この表にある他の項目も、身体・脳・心に関する愁訴で、私がとくに気になったのは、「大声で暴れまわりたい」。すなわち「破壊衝動」についてです。小学生の20%、中学生の30%、高校生の3人に1人が破壊衝動を有しているのです。睡眠不足や睡眠不調は「イライラ」感を助長し、子どもたちを「我慢できない」性格に変えてしまいます。犯罪の低年齢化や悪質化、いじめの一因として、睡眠が関与していると考えざるを得ません。

残念ながら、同調査はその後に打ち切られてしまい、直近の結果は入手できませんでした。しかし、スマホの普及や社会の夜型化がいっそう進む中で、子どもたちの睡眠や健康に関する数値が、この10年でさらに悪化していることは、想像に難くありません。

睡眠改善は、これらの不健康愁訴のほぼすべてを改善させる力をもっています。

子どもにとっての働き方改革、すなわち「学び方・遊び方・過ごし方改革」や「健康学習」の機会も必要でしょう。「寝る子は育つ」––––どうやらこのことわざは古今東西を問わず、理にかなった格言のようです。

神奈川県立横浜緑ケ丘高等学校では、2021年4月~2022年3月にかけて、1年生278名全生徒を対象に、「総合的な探究の時間」において、「睡眠」をテーマとした探究的な学習が実施されました。

1年間を通じて35時間の授業、および夏休みを利用した睡眠記録や家庭学習など。7クラス、各40名の生徒が1チーム8名前後に分かれて、全35チームでのグループワークを中心に、睡眠と「心」「体」「脳」「社会」に関して、さまざまな考察が行われました。

当探究授業には、当社ビオスピクシス株式会社をはじめ、「神奈川県未病産業研究会・睡眠分科会」が全面的に協力&サポート。寝具メーカーのパラマウントベッド株式会社は睡眠センサーを貸出し、客観的睡眠評価環境を提供。当社は「睡眠分析MAP」(詳しくは第2章にて)で278名のクラス別睡眠状況を見える化しました。

「授業中の居眠りについて」「体型と睡眠の関係」「目覚めやすい音楽」「睡眠時間とテスト結果への影響」など、高校生らしいテーマで瑞々しい発想と大胆な行動力を発揮して、大変興味深い「探究の成果」を得られました。

その中でも、母校の中学校の生徒たちに対して実施した「睡眠時間とケガに関する探究」は、示唆に富む内容でした。

高校側に掲載の許可を得ていますので、その成果の一部をご紹介しましょう。

「12分睡眠時間を延伸するだけで、ケガのリスクが大幅に減る」

アンケート結果や詳細な分析データは、残念ながら掲載できません。しかし、この刺激的な結論は、医学的根拠も科学的分析も不十分ではありますが、実態としては十分な相関性が確認されたのです。

そして、この結果が生徒たちの心を動かし、「そうか、12分長く眠るだけでいいのか!」と行動変容を促す、素晴らしいアウトプットでした。

発表の中には、睡眠改善のために「音楽を処方箋にする」といった革新的な提案もあり、睡眠分科会のメンバーも感心する内容が多数ありました。

私は35チームすべての発表を見ました。多くの発表者が「皆さん、睡眠は大変大事です。寝床でゲームなどせずに、ちゃんと寝るようにしましょう」と自分の言葉としてクラスメートに訴えかけた姿が、とても印象的でした。

学校教育における「健康教育」の必要性と有効性を強く感じる、大変よい機会となりました。

自らの学びから得た気づきは、行動を変える原動力になります。あなたも本書を通じて、ぜひ「眠り」について学び、新たな気づきを得ていただければと思います。

7.一流アスリートが超一流になれる秘訣 ~良質な眠りから得られる最高のパフォーマンス~

●「寝具依存型」から「スリープマネジメント」へ

2011年2月某日、フィギュアスケートの国際大会に向かう浅田真央さんの手の甲には、「マットレス」と書かれていました。

それを目ざとく見つけた記者が「真央ちゃん、手に何か書いてあるけど、なんですか?」と質問。すっかりそのことを忘れていた彼女は、恥ずかし気に「あ、睡眠が大切だから、マットレス忘れないようにって、手に書いたの。消すの忘れてた~」と。まだ某マットレスメーカーと広告契約を結ぶ前のことですから、商業主義的プロモーションではなく、浅田さんの天然キャラが炸裂した、ほのぼのしい出来事でした。

このハプニングを知ってか知らずか、のちに彼女を広告キャラクターに起用したエアウィーヴ社は、快眠マットレスのトップブランドに急成長。まさに浅田サマサマのヒット商品になったようです。

アスリートの睡眠は、身体的パフォーマンスを発揮するうえで非常に重要であり、一流アスリートの睡眠を分析すると、その深さやリズムの素晴らしさに驚かされます。

プロアスリートの眠りはすごいとは、逆にいえば、しっかり眠れないアスリートは一流になれない、という証左なのかもしれません。

アスリートの食事・栄養・運動に関しては、管理栄養士がついたり、専門的な知識を有するコンディショニング・トレーナーなどが参画して、かなり細やかな管理が行われています。近年ではメンタルトレーナーの導入も、徐々に増えてきているようですね。

しかし、こと睡眠に関しては、さまざまなスポーツ団体やプロチームにおいても、ほとんど手つかずの状態です。カスタマイズ枕や快眠マットレスなど、寝具に依存気味の快眠策も気がかりです。

今後は選手たちの心身のパフォーマンスを高めるために、ウェアラブル・デバイスを常時装着し、活動量なども記録しながら、睡眠時間や睡眠状態も把握していくことが当たり前になるかもしれません。

眠りを「守り・測り・育てる」=「スリープマネジメント」の導入は、アスリートやプロスポーツチームから社会に広がっていくことになるでしょう。

寝具メーカー各社の広告キャラクターも、前述の浅田真央さんを皮切りに、錦織圭さん、カズ(三浦知良)さん、髙梨沙羅さん、大谷翔平さん……と、枚挙に暇がありません。

「憧れの○○さんがやっていることだから、私も取り組んでみようかな」

そうしたことがきっかけでも、皆さんの眠りがよりよくなってくれるのであれば、睡眠改善のオピニオンリーダーとして有名アスリートは重要な存在ですね。

*   *   *

第1章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子ストアにて3月31日より随時発売になります。ぜひお買い求めください。
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書籍『たった1つのコトで、あなたの眠りは激変する グッスリ眠りスッキリ起きる快眠術』

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うまく眠れず、睡眠に悩むすべての人へ、睡眠タイプや睡眠不調の違いに応じて一人ひとりにカスタマイズした睡眠改善ソリューションを提供します。

睡眠不調の症状はさまざま、その原因も千差万別。
不規則な生活、運動不足、飲酒・喫煙、ストレスなど、人によって違います。
眠りは日々の行動や出来事から複合的・多層的に影響を受け、身体・心・脳に多種多様な影響を及ぼしているのです。

本書は、「睡眠アンケート」による主観評価や睡眠計による客観評価を事例として、十人十色、一人十色の睡眠を見える化すると共に、睡眠阻害要因とケース別の改善策をわかりやすく解説。
重要なことは、日々の眠りをしっかり見つめなおし、自分の眠りに大きな影響を与えている「たった1つのコト」を見つけ出すこと。そして、その一点を徹底的に改善できれば、あなたの眠りは激変します!

日々の生活習慣や睡眠環境を改善し、よりよい眠りが得られれば、病気になりにくい心と身体になります。さらには、ストレス耐性の向上、認知症の予防、健康寿命の延伸、延いては医療費や介護費の軽減にも大きく寄与することでしょう。
本書を通じて、自分自身の眠りをよく理解して、今日からできる、あなたに適した快眠技術を身につけ、眠りを変えていきましょう!

【目次】

第1章 私たちの生活を脅かす、さまざまな睡眠課題
第2章 あなたの眠りを劇的に変える、たった1つのコト
第3章 あなたの眠りを知り、邪魔している原因を突き止める
第4章 業種や職種で異なる、眠りの問題
第5章 今日からできるお手軽快眠術10か条
第6章 睡眠は幸せのバロメーター

■著者プロフィール

仙波 修

ビオスピクシス株式会社代表取締役、一般社団法人日本スリープマネジメント協会代表理事、睡眠改善コンサルタント
2009年にヘルスケア系ITベンチャー、ビオスピクシス株式会社を設立。医療・健康情報の融合を目指す中、運輸業界における健康・睡眠起因事故に注目。睡眠改善インストラクターの資格を取得し、運輸業界向けの研修、講演を多数行なう。2015年以降は健康経営におけるメンタルヘルス対策として、一般企業向け講演のほか、「スリープマネジメントプログラム」により、1万人の眠りを見える化、行動変容推進型健康教育システムを確立。睡眠改善を基軸として、老若男女における心身の健康維持増進を使命とし、職種や職場環境、聴講者の属性や生活習慣にカスタマイズした「睡眠改善&メンタルヘルスセミナー」には「眠くならない快眠セミナー」との定評がある。

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