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◆全国の郷土ずし紹介 10月号 福岡県筑前地方の「柿の葉ずし」◆

- 柿の葉ずしは福岡県のあちこちで見られますが、不思議なことに福岡市や北九州市では見られませんし、 都市化の進んだ地方にもありません。 農村地帯のものですね。 - 誤解を解いておきたいのは、柿の葉ずしといっても有名な奈良県のそれとは違うことです。 まず中に包んでいるのは、奈良の柿の葉ずしがサバやサケなど生魚の握りずしであるのに対し、 こちらの方は精進の混ぜずし、すなわちちらしずしなのです。 葉っぱはてかっている方を外に向けてありまして、葉っぱの赤い色がよく目立つようにしています。 - 筑前地方の柿の葉ずしは奈良県のようにすしをキッチリ包み込むのではなく、ざっくりと巻いてある程度。 もっとも箱に入れて軽く押しますから、一見、似たような恰好をしてますが、 このあたりの柿の葉は、ご飯が手にくっつかないために用いているのですかね。 - 作る時期は「おくんち」。どこでもある(あった)豊作祭りのことで、今はおおむね10月の半ばに行われています。 この時には柿の葉も赤く色づいてきます。 昔は、よその「おくんち」に行って、このすしと小豆餡の入った大きな餅をもらってくるのが楽しみだったといいます。 -


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