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全国の郷土ずし紹介・9月号 高知県の「かいさまずし」

 これ、何のすしだかわかりますか?

かいさまずし
かいさまずし

 答えはタチウオ。日本では9月に旬を迎える魚です。外見は鋭い歯が特徴的で、一見、ハモに似ていますね。  タチウオ…。不思議な名前です。その名前のおこりは、細長い体が銀色に輝き、まるで「太刀」に似ているからだ、という説と、朝夕の薄暗い時に、獲物を狙って立ち泳ぎをするからだ、という説と2通りあります。どちらが本当なのかわかりませんが、「和字(漢字ではなく、日本で作られたもの)」では「太刀魚」「魛」と書きます。  タチウオは塩焼きや煮魚として最高ですが、ここ高知や和歌山ではすしの魚としても人気があります。「へぇ、あの銀ピカの魚を写真のようになるまでするなんて、大変そう…」なんて声が聞こえてきそうですが、さにあらず。銀ピカの皮はそのままで(と言っても、この魚、ウロコがないんですが)、裏向きに貼ってあるのです。  タチウオに限らず小ダイやボウゼなどでも、同じことをします。裏向きにすることを高知では「かいさまにする」。したがってこの種のすしを「かいさまずし」と呼ぶのです。

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