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ガッキー式!『逃げ恥』の超絶かわいい演技法。

今回の「でびノート☆彡」は「かわいいを演じる方法」について。

参考にするのはドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』での新垣結衣さん(ガッキー)のキュートな演技です。

『逃げ恥』放送当時、ガッキー可愛い!ガッキー可愛い!ってみんな言ってたじゃないですか。でもガッキーの何が可愛かったのか?どうすればガッキーのようにかわいく演じることが出来るのか?という話になると「だってガッキーだもん」とか急に話がボンヤリするんですよねーw。いやいや単に顔が可愛いってだけで日本中を魅了できたりしないですって。そこにはちゃんと理由があるはずなんです。

そう『逃げ恥』でのガッキーの超絶可愛さって未だ解析されてないんですよ。だからガッキー風のメイクをコピーしたタレントさんは出ても、ガッキー風の演技をコピーしたフォロワータレントさんがいない・・・ある意味最先端すぎてまだ誰もアレを会得できてないんだと思います。

さて『逃げ恥』でのガッキーの魅力が語られる時に必ず出てくるキーワード、それは「ムズキュン」です。たしかにガッキーと星野源のやり取りを見てるとムズムズキュンキュンしますよねw。ではその「ムズキュン」演技とは一体なんなのか?
みんなが大好きだったのに誰にもコピーされなかったガッキーの演技の秘密について、紐解いてゆきましょう。

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「かわいい」の演技法には大きく分けて2つの潮流があると思います。すごく乱暴な言い方をするとw・・・それは「石原さとみ系」と「ガッキー系」です。
「見せる系」と「見る系」と言い換えてもいいでしょう。

石原さとみさんは演じて「見せる」タイプの演技をします。
同じタイプには本田翼さん、松嶋菜々子さん、ローラ等々がいるのですが。彼女たち「見せる」タイプは自分自身の顔がどんな表情をしたらどういう風に見えて、それがどのように可愛いのかを研究しまくっています。その結果、超魅力的なキメ顔をいくつも持っていて、芝居の最中もものすごく精密に表情のコントロールをしながら演技することができる・・・だから絶妙にキュートな喜びの表情とか、絶妙にキュートな憂いのある表情とか、絶妙にキュートな怒りの表情とかができるんです。

きっとモデルさんみたいに、日々自宅で自分の顔を鏡で見たりスマホで自撮りしたりしながら表情の研究をしているんでしょう。研究と表情筋のトレーニング・・・ある意味かわいいのアスリート!!!最強ですよね。

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ところが「ガッキー系」のかわいい演技は、その最強な「石原さとみ系」のまさに真逆の方法で演じられています。石原さとみ系の「見せる演技」の真逆で・・・ガッキー系のムズキュン演技は「見る演技」で演じられているのです。

「見る演技」・・・ガッキーって『逃げ恥』でも星野源のことをじーっと見ている顔が印象的でしたけど、強烈に相手を観察しながら演技するんですよね。で、見て動揺するんです。心を揺り動かされる。「平匡さんが可愛すぎる件について―!」ですねw・・・その心が揺り動かされる姿が超キュートなんです。

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つまり表情筋をコントロールして顔の表情を「見せる/OUTPUTする」のではなく、相手を「見る/INPUTする」ことによって心が動いてしまう・・・これが「ガッキー系のかわいい」の演技法です。この無防備な「見る演技」が数々のムズキュンシーンを生んでいるんですね。

でもよく考えると・・・実際の恋愛の恋する人ってそっちですよね。
恋をすると、大好きな相手の様々なことが気になって気になって目が離せなくなるじゃないですか。で、その好きな相手の変わったところも普通のところも、も~いちいち可愛く感じられて、愛しく感じられて、キュンキュンし続けちゃうじゃないですか。
そんな風に本当にキュンキュンしてる時に、自分が今どんな表情してるか?なんかに意識が向きませんよね。もう100%相手に意識が行っちゃうじゃないですか。相手の一挙手一頭足に一喜一憂してしまう。 それを忠実に再現しているのが『逃げ恥』でのガッキーの演技なんです。

それに対して石原さとみ系は相手にキュンキュンしているシーンでも、自分の表情をモニター&コントロールしているから、じつはかなり自分自身に意識が行っています。 つまりたとえば同じように好きな人にキュンキュンするシーンでも、ガッキー系は芝居の中で「好きな人を全力で見て全力でキュンキュンしている」のに対して、石原さとみ系は「好きな人を見てキュンキュンしている私を全力で演じている」んです。

このベクトルの違いって正直カメラにハッキリ映っちゃうんですよね。相手に100%意識が行ってる人と、自分に100%意識が行ってる人・・・「ガッキー系」と「石原さとみ系」のかわいい演技は、ベクトルが真逆なんですから。

ちなみに、このあたりの演技法については『ディカプリオの「見せる演技」と、ブラピの「見る演技」。』の回で一度書いているんですが、あれと構造的にはほぼ同じです。そこで書いたんですが「見せる演技」が古めの演技法で、「見る演技」が最新型の現代的な演技法になります。

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ガッキーは相手を「見て心を動かす」方法で演じている・・・それは恋愛の演技だけでなく、じつはその他のすべてのシーンでもそうなっています。

たとえば古田新太と大谷亮平が2人の新居に遊びに来た回で、古田新太が寝室を覗こうとしてガッキーが凄い勢いでそれを阻止するコミカルなシーンがあるんですが、普通だったら隠し事のあるガッキーはそのやましさから、古田新太から目をそらしたり、目をつぶってしながら言い訳をする演技をしたりすると思うんですが(石原さとみ系ならそうするでしょう、超キュートに)・・・ガッキーはこのくだりを古田新太のことをガン見したまま演じているんです。古田が一回あきらめたと見せかけてもう一度戻ってきた時もガッキーはもう一度ビューンと飛んできて古田新太をガン見します(笑)

この演技はつまり「寝室を見られそうになって困っている可哀想な私」を視聴者に向かって演じて見せているわけではなく、古田新太と「寝室を見せる/見せない」というガチの勝負をやっている・・・狡猾な古田新太のありとあらゆる行動に反撃するために、全力で古田新太を観察しているんですw。これは演技として正しいし、なによりも可愛かった!

この時もガッキーの口元には笑顔が貼りついているんですがw・・・この貼りついた笑顔、俳優が視聴者に向けて見せている笑顔じゃないんですよね、あくまでガッキー演じるみくりの古田新太に対して向けられた「その場のコミュニケーション」の笑顔なんです。そう、徹底的に相手に100%意識がいっているんですね。

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どうでしょう?「ガッキー系のかわいいの演技法」、だいたい理解できましたでしょうか?チャレンジしてみたりできそうでしょうか?

ところでさっきからガッキー系ガッキー系って書いてるけど、ガッキー「系」って、ガッキー以外にそのガッキーみたいな「見る」演技をして、ガッキーと同じようにムズキュン力を発揮している人って誰なんだ?って話なんですけど。ガッキー系の代表的なタレントさん、それはたとえば のんさん、そして・・・ビックリするかもしれませんが・・・壇蜜さんです。

壇蜜さんがバラエティ番組に出てる時が顕著なんですけど、司会者からひな壇の芸人からコメンテーターの皆さんに至るまで、みんながなぜか壇蜜さんと話をしたくなって、最終的には全員が壇蜜さんのファンになってしまうんですよねw。あれはなぜか?

壇蜜さんってセクシーなんですけど、特にセクシーに「見せる」ための動作や表情を演じているわけじゃないんですよね。ただ相手の男性タレントさんをしっかり「見て」、相手の話に強く興味を持って「聞いて」、その話に心を動かしてウィットに富んだ受け答えをしているだけなんです。それがその相手にとって無上の喜びになる、そしてテレビの前で見ている視聴者の喜びにもなる・・・壇蜜さんってじつは「見る演技」「聞く演技」の達人なんですよ。
この件に関しての詳細は壇蜜回としてまた別のブログで書きたいと思いますが・・・それが構造的にはガッキーの魅力の構造とひじょうに似ているんです。

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さああなたは「ガッキー系」?それとも「石原さとみ系」?どちらの女優さんになりたいですか?

あ、もちろん男性の俳優さんもオッケーですよ、ブラピはまた乱暴に分類すると「ガッキー系」ですから(笑)。「石原さとみ系」の男性俳優はディカプリオ、そしてジョニー・デップとかですよねー。『パイレーツ・オブ・カリビアン』『チャーリーとチョコレート工場』とかでのジョニー・デップの「石原さとみ系」の演技は世界を魅了しましたよねー。

その俳優さんがどちらの演技をやるべきかは、もちろん向き不向きもあります。努力の方向性がまったく違いますから。「石原さとみ系」はアスリート並みの孤独な鍛錬が必要ですし、「ガッキー系」は腹を据えて相手とガチで深いコミュニケーションする覚悟が必要になります。どちらか自分にとって抵抗の少ない方を選んで努力してみるのがいいかもしれませんね。すべては「世界を魅了するかわいい」に辿り着くために!

この「ガッキー系のかわいいの演技法」について、今後何回かこのブログでそのやり方などを書いてゆきたいと思ってます。このテーマでワークショップもやりたいなあ。ではまた!

小林でび <でびノート☆彡>




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