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暴れだす

 今日、ウルフルズの「暴れだす」を聴いた。いつ聴いても、心を揺さぶる歌だ。ウルフルズの曲の中でも、1番と言ってもいいほど好きかもしれない。娘との思い出の曲でもある。



 小学1年生の時、娘は学校に行きたくなくて、毎日のように泣いていた。小学校というものになかなか馴染めなかったのだと思う。先生から話を聞くと、学校についてからは、けろっとして、授業も受けるし、友達とも遊んでいるとのこと。でも、どうしても朝だけは、散歩を嫌がる犬のように足を踏ん張って行こうとしない。車で学校に送って行っても、車からなかなか出てこない。そんなことが日常だった。

 ストレスがたまっていただろう娘は、家に帰ると手のつけられない状態だった。泣き喚いて、私に当たり散らしていた。私もたまらなくて、何度も逃げたくなるほどだった。結局最後は、泣きながら私に抱きついて落ち着くのだが、その前にどうしてもひと暴れしないと気が済まないようだった。


 その当時の娘のお気に入りの曲が「暴れだす」だった。PVを繰り返し観ながら歌っていた。よく一緒に観た思い出がある。


 少し大きくなった頃、娘が言った。

「『暴れだす』は、私が初めて歌詞を覚えたいと思った曲なんだ。この曲、私みたいだな、と思ってた。あの時、こんな気持ちだったよ。どうしようもなく気持ちが暴れだすんだけど、お母さんにそばにいて欲しくて。お母さんに散々当たってたよね、ごめんね。へへへ。」


 小学1年生の娘にどれほど歌詞が理解できていたかは分からないが、自分を重ねて聴いていたんだろう。あの頃の娘、よくがんばった。小さい体で思いっきり自分の意思を表していたんだなあ。良くも悪くも、自由な子だった、今もだが…。どうにか折り合いをつけようと、もがいていたんだろう。学校では出せない分、家で大暴れしていたんだね。

 私は、「本当に何も わからないままで オトナになって やることやって ケガの数ほど 小さくなって」のところが特に好きだ。ケガの数ほど大きくなる、とかじゃないのがいい。オトナになっても、胸が暴れ出しそうな時はあるし、自信をなくしてしまうこともある。波のように押し寄せる感情はどこからくるんだろう。理由もわからず膨らんで膨らんで、はち切れそうになる時がある。そんな時に、聴きたくなる曲だ。


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