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『アイドルマスター シンデレラガールズ After20』連載終了に寄せて。

2023年12月8日本日、『アイドルマスター シンデレラガールズ After20』サイコミでの連載が終了した。
2017年11月19日に開催された『アイドルマスター シンデレラガールズ 6th Anniversary Memorial Party』にて発表されたスピンオフ漫画で、2017年12月23日より連載を開始、漫画は半二合(はん にごう)先生、料理監修はT.I.Planning
連載開始当初は隔週掲載だったが2019年5月25日より毎週掲載となった。
作中に登場する酒や料理は実在の物が使われ、酒をメインと位置づけてはいるが、グルメ漫画としての性質も強い。

私は連載開始と同時に毎週アプリ内コインを使って先読みし、加えて約3年半ほど前から半二合先生のTwitter(現X)に感想を送ることをライフワークとしていた。
先生はただの一読者に過ぎない私にも毎回とても丁寧な返信をしてくださり、そのやり取りは私の毎週の心の拠り所となっていた。
今となっては「なぜ第1話(第1杯目)からそれをしなかったのか」と後悔することしきりだが、過去は修正できない以上1回でも多く先生の心に響く感想を届けられたことを願うばかりだ。

この作品は毎週金曜日更新で(当初は土曜日だったが)、私にとってはそれが非常に良かった。
私は月~金出勤なのだが、金曜日の午前0時の更新とともに最新話を読み、「よし、これで今週最後の一日をなんとか乗り切って週末を迎えよう!」というモチベーションになってくれていたものだ。
それが来週からはもうないとは……こうなったら毎週1話ずつ読み返してセルフ供給するしかない。

Afeter20の魅力は豊富過ぎてこんな所で語り尽くせるものではないが、スピンオフという点を除外しても、そもそもが漫画として非常に優れていることを特記したい。
料理に箸などを通した時やアイドルたちが食した時に発せられる独特のSEやオノマトペ。一見突飛なのだが、一度それを目にするともうその表現こそベストなものだとしか思えなくなる。
まるで実写のような料理の描き込みがすごい。なんともお恥ずかしい話だが、私はかなり長い間本気で実写を取り込んで使用していると思い込んでいた。それほどどれもこれもあれもそれもリアルで美味しそうなのだ。
デフォルメの手法も特筆すべきだ。パッと見、てるてる坊主レベルにまで簡略化されたアイドルがそこに描かれていても、一発でそれが誰かが分かる。特徴の掴み方のセンスが尋常ではないのだ。
作画テクニックの目立つ点だけでもこれだけあるのに、それが『アイドルマスターシンデレラガールズ』という世界観を完璧に踏襲した上で心に響く人間ドラマを展開し、毎話最後には我々読者の気持ちを温かくさせてくれる。
半二合先生の溢れるアイマス愛が強力な下地となり、優れた漫画的手法を以てシンデレラガールズのアイドルたちの日常が描かれる、まさに料理のような総合芸術作品であったのだ。

この作品と半二合先生とのやり取りには素晴らしい思い出しかない。
列挙すると誇張でもなんでもなく切りがないので2つだけ紹介させていただくとしよう。
1つ目は2020年の7月13日、豆乳の話題がTwitter上で出た時に私は先生に「豆乳ベースカクテルのお話でぜひセクシー松本回を。」とリプライした。
それに先生は「それは本気で考えてました!いえ考えてます」と返信してくださり、私は「おおおおー!楽しみにしております。」と結んだ。
なんとそれが2023年10月6日に本当に実現したのだ。
もちろん頭の片隅で期待はし続けていたのだが、まさかまさか。
我が目を疑いつつも先生の有言実行に敬服する他はなかったものだ。
2つ目は「今週のAfter20は休載をいただいております。」との先生にツイートに私が「休肝日……、いや休刊日ですかな?」とリプライしたところ、以降それを気に入ってくださったのか、そのネタを時にはイラスト付きでまで使い続けてくださったことだ。
……もしも私のただの自意識過剰でしたら心底申し訳ございません。
ともかく、先生のファンサービス精神とユーザーライクな姿勢には頭が下がる、と言いたかったのです。

惜しむらくはアニメ化して欲しかった!!!!


スピンオフコミカライズの二枚看板の片方のU149がアニメ化され、内心密かに期待し続けていたのだが、ついぞその発表がないまま最終回を迎えてしまった。
やはり飲酒というテーマが引っ掛かったのだろうか。
いやいや!深夜帯で10~15分の尺でも全然良かったのに!
今からでもなんとかなりませんかね!?
現実問題として、アニメ化するとキャラクターに声優さんをキャスティングする必要がある。
U149の方はほぼそれが揃っているような状態だったから良かったものの、After20はそうはいかない。
メインどころになにしろ現状ではボイスなしのアイドルが多いからだ。
発表時のメインビジュアルの最前列センターを飾っていた柊志乃を筆頭に、その相方ポジションの高橋礼子、兵藤レナ、篠原礼、和久井留美、沢田麻理菜、木場真奈美、服部瞳子、相馬夏美、ヘレン、高峯のあ、水木聖來、東郷あい、相川千夏、相原雪乃、松本沙理奈、衛藤美紗希、並木芽衣子、浜川愛結奈、真鍋いつき、持田亜里沙、太田優、原田美世、日下部若葉、大西由里子、クラリス、間中美里、ケイト、黒川千秋、斉藤洋子、とOver20にはとにかくボイスなしが多い
この上さらにUnder20のボイスなしアイドルたちも続々とゲスト出演するものだから、そのコストたるや想像を絶する。
残念ながら現実はかくも厳しいものなのだ。
あー呑まないとやってらんねー!

こうしてついにAfter20にかけられた魔法は解けてしまった。
酔いが醒めてしまった?
いやいやいやいや!
我々愛読者一同は未だこの作品に心酔しきっているではないか。
暇さえあれば読み返し、その魅力を語り継ごう。
そうしながら「あるかもしれない」、「あったらいいな」の展開を夢見よう。
Afeter20を読みながら旨い酒を呑み、共にそんな夢を語ろう。
それをどうか酔夢と一笑に付すことなかれ。

半二合先生、長きに渡っての連載、本当にお疲れ様でした。
『アイドルマスター シンデレラガールズ After20』は、私の人生において決して外すことのできない、かけがえのない作品です。
こんなにも素晴らしい作品を生み出してくださり、本当に、本当にありがとうございました。
これからも微力ながら応援し続けて参りたい所存ですので、どうか追い続けさせてくださいませ。

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