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ロックンローラーという悲しい人種のあるある

この世界はふたつの人種に分けられる。ロックンローラーかそうじゃないか、だ。

詳しくはここで話したけどロックンローラーについてこんなイメージをしているのではないか↓

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↑こんなイメージや

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↑こんなイメージ、はたまた

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こんなイメージをしているのではないだろうか。Noooooo!!!!!!!

これまで大学の友達や彼女、バイトの上司など何度も何度も説明してきて辟易しているが

一言おっきい声で言わせていただこう、「 全 然 違 う 」


このイメージの違いがあるせいで会社の自己紹介とかちゃんとしないといけないところでロックンロールが好きですってなかなか言えないんだよ我々は。(あるある)

僕の言ってるロックンロールはもっともっともっともっともっと例えるならば

①甲子園みたいにエネルギーに満ち満ちていて感動的で

②ときにクラシックバレエよりも伝統的で繊細で上品で

③ルフィがベラミー倒した時みたいに気持ちいいもの

なんだ。そのことを今から話そうdude。(語弊があったらごめんなさい、いつでも土下座します、という気持ちで書いています。逆にあなたはそのことを心の隅に置いて読んでください)

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※ロックンロールの最高さはこれに近い(違うけど) 

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①甲子園みたいにエネルギーに満ち満ちていて感動的

人は甲子園を観戦するとき、青春の真っ只中でプレーする高校球児たちの圧倒的な若さとエネルギーから自分の中にも湧き上がる興奮を感じたり、4万人の観客の前でバッターボックスに立つまだ18かそこらの少年の緊張感を自分のことのように感じたりできる生き物だ。

ロックンロールも同じである。

僕たちはロックンロールの圧倒的なエネルギーに自分の中にも似たような興奮を感じ、ぶっ飛んだビートに心が奪われるとなんだかわからないけど泣きそうなほどに感動したりする。

でもどうしてなんだろう。それを今から教えてあげよう。

人は太古の昔、まだ猿に近い時代より音楽を奏でてきた。それは神聖な儀式をする前に気持ちを清める音楽であったり、命をかけた狩りに行く前に男たちが自分を鼓舞するために奏でた不思議なエネルギーを持つリズムだ。現代に置き換えても音楽の役割は太古の昔から変わっていないことがわかる。映画の悲しいシーンで悲しい音楽を流すのも、パーティーで陽気な音楽をかけて楽しい気分にさせるのもずっと昔から変わらない音楽の役割のひとつだ。

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現代の音楽においてはバスドラの「ドッ」という(心臓の鼓動に似た)低音とスネアの「タン」という目の覚めるようなクラック音を繰り返すことで「ドッ タン ドッ タン」というビートが作られているが、ビートを感じて心地よくなったり気持ちが高ぶったりするのは狩りをして焚き火を囲んでいた時代から変わらない本能的な反応なのである。(個人の見解です)

↓この人のバケツドラムとかシンプルなバスとスネアだけ(ハイハットも)なのにとても心地よくてぼーっといつまでも(まるで焚き火をぼーっと見ているかのように)聞いてしまう。

話をロックンロールに戻そう。ロックンロールはまさにこれだ。バスドラとスネアで「ドッ タン ドッ タン」さえできていれば本能に訴えかけるロックンロールはできあがる。僕は電車の中にいる時シャッフル再生でロックパイルのロックンロールが流れてきたりするとそれまで全然違うことを考えてたはずなのに一瞬で心が奪われたり感動して泣きそうになったりする。もう本能的としか考えられないレベルでそうなってしまうのだ。

ときどき電車で音楽を聞いて痛いくらいノリノリな人がいるけど僕もよくアレになってしまいそうになる。

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あの人達の気持ちはよくわかる。なんとなく自分が肯定されて大きな気持になったり、無敵になったような気持ちになってるんだ。

でもしょうがない。

あの人達は太古の時代、狩りに行く前の原始人がそんな気持ちになったようにその時だけは無敵状態なんだから。

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②クラシックバレエよりも繊細

①を読んでいただいた方はこんな調子で続くんかい、と思っているかもしれませんが、そのとおりである。僕のロックンロールへの愛はいままでどこにも吐き出されなかっただけにかなりのものなのです。

さて冒頭のようなイメージをお持ちの方には、ロックンロールが「繊細」とは一体どういうことかとお思いのことだろう。確かにロッカーの中には火を吹いたりギターをぶっ壊したりするひともいる。

しかし僕が言ってる「ロックンロール」 は 「ロック」とは違う。

僕の大好きなロックンロールソクラテスこと甲本ヒロトはこう言った

甲本ヒロト「ロックじゃないよ、ロックンロールだよ」

そうなのです。その通りなのです。ロックとロックンロールは似ているようで全然違う。このロックとロックンロールの話は詳しく話すと長くなりすぎてイロモネアのときの南原清隆より間が悪くなってしまうので機会があれば話すことにして、ここからは本題であるロックンロールが繊細であることの説明をしよう。

次の動画を見ながら読んでほしい。

動画の中で狂ったようにシャウトしているのはThe Vinesのクレイグ・ニコルズだ。大胆なパフォーマンスに見えるが、僕はこんなに繊細で心に突き刺さるパフォーマンスは他にないと思っている。その理由は彼がそこに立っている背景にある。

クレイグは幼少のころから自閉症を患っていて、人とうまく接することができずひとり家で絵を描いたり大好きなビートルズを聞いて過ごしていました。

クレイグは病気の症状で自分が言いたいことがうまく伝えられずどんどんストレスが溜まって、ときに暴言を吐いたりしてしまっていた。さらに暴言を吐いてしまったことで自己嫌悪になるという誰にもわかってもらえない負のスパイラルをクレイグは小さな体にひとりで抱え込んでしまっていた。そんな彼が誰よりも光り輝くのがロックンロールのステージだった。彼は心の内に渦巻く衝動を、卓越したソングライティングセンスをもって一つの楽曲に詰め込めるだけ詰め込むことができた。
そもそもロックンロールのかっこよさは誰にもわかってもらえない自分だけの心の衝動を不器用でも、無様でも、誰にも認めてもらえなくても「ここに確かにその気持が存在するんだ」、と大声で言い切ることにある。ステージの上で彼の才能は炸裂しまさに無敵状態だった。

自分の悲しみや怒り、理解されない苦しさを抱えていたクレイグのシャウト一発にはロックンロールの原始的な衝動が全て込められていてロックンロールのすばらしさを証明するには何万字の雑誌の記事よりも説得力があります。

そして彼のシャウトは世界中の人々の心に突き刺さることになる。なぜならそう、人はみんな多かれ少なかれ自分だけの悩みを心のうちに抱えているからである。
僕はこういうちょっとギターをやってモテたいとかバンドごっこがしたいだけじゃない、心の叫びを持っているようなバンドにこそ魂を揺さぶられる。誰にも理解されないはずの心の叫びをなんとか自分のできる方法で表現しようとするクレイグ・ニコルズの姿はゴッホやピカソといった真の芸術家と同じなんだ。

僕はこんなに繊細な芸術を他に知らない。

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③ルフィがベラミー倒したときみたいに気持ちいい

 知らない人のために状況を草野球のイチローに例えて説明すると、

イチローを知らない草野球のおっさん「お前野球できんのか?」
イチロー「いえいえ、できるなんて思ったことないですよ。引退しましたし」
草野球のおっさん「あはは、お前バッティングのやり方知ってるか、おれが教えてやるよ。ほらまずは一打席打ってみろw(下手くそそうだなこいつ)」
イチロー「...バッティングのやり方を知ってるかって?」
→場外ホームラン

みたいな感じ。フィクションを作ったのは初めてです。笑

ロックンロールにはこういうスカッとする最高な瞬間がいくつもいくつも本当に数え切れないくらいあるのだ。例えば

1998年のフジロックで海外勢のバンドの出演が多い中ミッシェルガンエレファントのチバユウスケが言った

「おれたちが日本のザ・ミッシェルガンエレファントだ」

という発言は前年のフジロックでレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンとレッチリという勢いのある海外勢に順番が挟まれた我らが日本のThe Yellow Monkeyが海外のファンにブーイングを受けたり嘲笑されたりとかなり苦戦していたことを受けてのものだった。
更にロックンロールなのはミッシェルは大トリでしかもむしろ海外勢を圧倒するくらいのステージ(勢いがありすぎてぶっ倒れる人が続出し何度もライブが中断した)でその年の出演を終えたという。初めて見たときは背筋がぞわぞわするくらいにかっこよくてしびれた。↓

他にもオアシスのノエル・ギャラガーが作る曲は

「いつも俺にはこう見える。お前は周りがお前に期待しているものを見ているだけだ」(オアシス / whatever)

と常識ばかり気にしてほんとうにやりたいことができていなかったころの僕の背中を押してくれた。

こんな風に、なんとなく思っていたけど自分を肯定しきれなかったり、自分より一回りも二回りもでっかい敵を最高なビートでぶっ飛ばしてくれるくれる瞬間がロックンロールの気持ちいいところなんだよなあ。なんか伝えきれてる気がしないけど。

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まとめ

ロックンロールは

①甲子園みたいにエネルギーに満ち満ちていて感動的で
②ときにクラシックバレエよりも伝統的で繊細で上品で
③ルフィがベラミー倒した時みたいに気持ちいいもの

なんだ。
異論などあるはずがない。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
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