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【銀英伝】メルカッツを描いてみた

今日はダンディなおじさまが描きたくて、あの宿将を選びました。
なんと、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツが登場!

ミッターマイヤー「なに? 本当にあのウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツが!?」

※この記事は、『銀河英雄伝説』を紹介する中でたくさんのネタバレが含まれます。主観やオリジナル要素も多いので、お気をつけください。


◆ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ

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メルカッツは皇帝に忠誠を尽くす老将で、部下から慕われる艦隊戦の名手です。その軍歴は長く、ラインハルトとヤンの軍歴を足して2倍した年数に匹敵すると書いてあります。
しかし帝国屈指の名将なのに、なぜ亡命しなければならなかったのか?
などなど、絵を描いていたときに考えていたので語りたいと思います。

色々な事を見てきた、人生経験豊富な人
メルカッツは、実権を握る門閥貴族の考え方とやり方を熟知しています。
貴族らはいつも、「皇帝陛下のため」と言いますが、その頭には私欲しかありません。自分達では危険を冒さず、家臣や下級貴族を使い捨てにします。
勝てば自分達の手柄、負ければ使用人の責任。メルカッツの友人知人も、たくさん犠牲になってきたことと思います。
こうした経験から「鋭い目で問題を見逃さず、その背景をとらえることのできる人物」というメルカッツの性質を、私は受け取りました。

しかしメルカッツは政治には口を出しません。軍人として自由惑星同盟に勝ち続け、神聖不可侵な帝国を守り、領土拡張に貢献することが彼の仕事です。
残念ながらこの生粋の軍人スタイルは、ラインハルトが国務尚書リヒテンラーデと組んで実権を奪うのを阻止できませんでした。

叶わなかった引退
帝国が内乱になり、メルカッツは門閥貴族ブラウンシュヴァイク公から総司令官就任を要請されました。本来なら名誉なことですが、厳しい軍律を自分勝手な大貴族たちが守るとは信じられなかったので、彼は引退を表明します。
けれど門閥貴族から家族への脅しをかけられ、服従を余儀なくされてしまいました。

帝国の武人としての信念
結局、貴族連合は戦力的優位に立ちながら、足並みが乱れて自壊します。
この時、メルカッツは降伏をよしとしませんでした。変わりゆく王朝を受け入れられず、彼は旧王朝に義理立てして自決しようとしました。

しかし、ここで副官のシュナイダーは「あなたが死ぬ必要はない」と訴えました。責任はあなたにはない、死んでくれるな、との願いが見え隠れするようです。
メルカッツは色々な理不尽を味わってきた過去の経緯から、部下のやるせない気持ちが分かった。だから自決をやめて、自由惑星同盟への亡命に至ったのだと思います。

私が思うに、貴族連合は統率を欠いて負けました。でもメルカッツの部下は、司令官はもとより自分達の力量が劣っていたとは考えなかった。
彼らが新興ラインハルト勢力に対し再戦を期して亡命したのは、そうした武人の信念に支えられていたからではないか、と感じています。


◆メルカッツの立ち絵と、帝国からの亡命

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メルカッツはヤン・ウェンリーを頼って、同盟で第二の人生を歩みます。
彼の堅実な軍歴は同盟側にも響いていて、ヤンから厚遇されました。

メルカッツは相手を問わず節度ある言動を保ち、実力に裏打ちされた謙虚な態度を崩しません。
戦場で弱音を吐かず、感情をあらわにすることも希で、随所にしぶとさがあります。苦境でも的確な判断を続けることができ、何よりこれと定めた忠誠は命を懸けて貫徹するなど、職業軍人として理想的な精神を持っています。

そうした姿勢が、ときに軍事顧問、ときに分艦隊司令官として、イゼルローンで重きをなすようになっていくのは見ごたえがあります。
ユリアンをはじめヤン艦隊にいい影響を与えたという点で、メルカッツは同盟に欠かせない精神的支柱の一人なんだと思いました。

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メルカッツかっこいいなあ。こういう老練で隙がなく、人望の厚いおじさまは素敵です。
あと、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツはすごく長い名前で覚えるのに苦労しました。この「フォン」は貴族を表していて、名前にフォンが付いている人は下級であれ上級であれ帝国貴族なのだそうです。
それを踏まえて名前を見ると、意外な人物が貴族だったり、そうでなかったりしておもしろいかも知れません。


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※この記事は、田中芳樹さんの作品の版権管理会社「らいとすたっふ」の二次利用規約に則した創作をしています。規約をよく読んで、大丈夫だと思う表現をしたのですが、もしお気づきの点があればフィードバックしていただけると幸いです。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。


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