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『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』

『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』を観ました。前作の『マイティ・ソー』と比較すると、画面の色味は淡く、薄暗くなってしまっていますが面白かったです。元々はひ弱な体だったスティーブの正義感にあふれる行動や活躍が見れました。

第二次大戦でのナチスとの戦い

現代を描いていたこれまでのMCU作品と違って第二次大戦が物語の舞台です。前半では病弱な青年スティーブがキャプテン・アメリカになるまでを、後半ではナチスの特殊組織ヒドラとの戦いを描いています。主人公スティーブが実験によって体形が変化する前の体はCGで表現されているのですがすごくリアルで驚きました。

1940年代ということで全体的にMCUの他の作品と比べるとアクションもストーリーも硬派。興行収入がマイティソーより下がってしまっている理由もなんとなくわかった気がしますね。ただ、スティーブの行動は私的な理由ではなく正義感によってのものが多く、他のヒーローたちよりもヒーローらしさは際立っていたように思います。

戦争の道具に見えないような配慮

敵対する組織のヒドラはかなり異質に描かれていると感じました。戦争中なのですが当時の軍服を着た兵士とキャプテン・アメリカが戦う場面はほとんどなかったんじゃないでしょうか。

まずヒドラの兵士は顔を含めた全身を覆うアーマーに身を包んでいて、人間らしさを感じません。武器は「キューブ」から得た青いエネルギーを射出する特殊な銃。当時のテクノロジーのイメージとは大きくかけ離れます。

ボスであるレッド・スカルは顔の皮膚がなく、見た目のインパクトがかなり強いです。アメコミヴィランっぽい見た目ですごく好きですが。

これらは、”ヴィランが人間ではない=キャプテン・アメリカは戦争の道具ではない”ということを意識しているのではないかと思います。「キャプテン・アメリカ」という名前でヒーロー自身に国名を背負わせるのはかなりナイーブです。物語中、軍に広告塔として使われていてもスティーブが文句を言うようなシーンはなかったですし、その後戦場に行くことになるのも、友人が敵地に囚われていることを知ったからです。実験を受ける前のスティーブは「できれば戦いたくない」と語っており、戦いたいという意欲より正義感のほうが勝っているように描かれています。

キャプテン・アメリカが人を殺すための道具のように見えないような配慮がされていると感じました。

全体的に古臭く見える?

スーツの装着シーンが目を惹く『アイアンマン』シリーズや、神話の世界を視覚化してみせた『マイティ・ソー』と比較してしまうとやっぱり全体的に地味に、古臭くも見えてしまいました。ただ1940年代の雰囲気の遊園地や、投資を求めるCMは新鮮にも見えましたし、MCUの世界観が過去にも伸びたのは面白いとおもいました。

あと一気に現代に舵を切るラストシーンでは興奮しました。過去を描きながら次回作の『アベンジャーズ』の期待感も大きく高める、すごい作品でした。


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